【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、走行距離偏重に警鐘を鳴らす
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/02/06


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健康に暮らすためには体温は絶対測るな?
皆さまの健康ですこやかな毎日を妨害してやろうなどというつもりは毛頭ないが、しかし本日は「体温は測るな!」という極論をあえて述べてみたい。
今朝の筆者がまさにそれだ。詳細は省くが病み上がりということで、念のため起床時の体温を測ってみた。自分的には昨日中にバッチリ快癒したつもりだったが、体温計は無情にも「36.9℃」という微熱状態を示した。その数字を見た途端なんだかやはり体調が悪いような心持ちとなり、1時間ほど寝込んだのである。
筆者の平熱は36.6℃ほどゆえ、たかがプラス0.3℃の微熱が「寝込む」ほどの状態をもたらすとは思えない。寝込んだ根本的な理由は「数字による暗示効果」である。正確な体温さえ測らなければ寝込むこともなく、この原稿もあと1時間は早く完成していたはずだ。
まぁ「体温は測るな!」というのはあくまでもセンセーショナルな見出し狙いの戯言であり、実際は体温管理が重要であることは言うまでもない。本当に言いたいのは「数字による暗示に要注意」ということである。
ここで言う数字とは中古車の「走行距離」のことだ。
多くの者が、中古車を買うにあたっては「できれば走行距離少なめのものが欲しい」と思っているだろう。それはある意味正しいが、「ある意味」でしかない。
走行距離とは社会人にとっての「学歴」のようなもの
中古車の走行距離というのは社会人にとっての「学歴」に非常に似ている。
多くの大企業は就職希望の学生を大学名でスクリーニングする。そういった学歴偏重には批判も多いが、しかし実際、いわゆる有名大学卒業者というのは「暗記力」「要領」「集中力」において秀でている場合が多いのは事実だ。
それはそれで大切な能力だが、それと「実社会でいい仕事をする能力」がイコールではないことは、大人な仕事人の皆さまには言うまでもないだろう。学歴というのは「ある意味」でしか役立たないものだ。
中古車の走行距離もそれと似ている。たしかに走行3万km台の物件は、走行6万kmの物件と比べて内外装もエンジンや足回りなどのコンディションも良好な場合が多い。が、それはあくまで「な場合が多い」であって、「絶対」ではないのだ。取材で店頭に行き、「こ、これで走行1.8万km???」みたいな物件は山ほど見てきた。車のコンディションというのは使われ方次第で大きく変わるものなのだ。
また、「確かにこっちの走行少なめのほうが状態はいいけど、コスパの観点で言えば6万kmのやつのほうが総合的にはいいかもね」と思える場合もあるし、「走行距離は多めだけど、この整備履歴はある意味“お宝”だよ!」という物件も結構あるものだ。
とはいえやはり計算能力などで筆者が東大卒業者に太刀打ちできないように、「走行距離少なめ=コンディション良好」という基本的な考え方は成り立つ。しかしそこだけを、まるで体温計の数字に暗示をかけられるかのように過信しては、本当の意味で優秀な学生を採りこぼす企業のように、本当の意味でステキな1台を見逃すリスクもありますよ、という話である。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
ちょっと走行多めの物件も、無視は禁物です。
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