【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、「旧車の増車」を勧める
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/06/21


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いわゆる旧車の維持は想像よりは全然楽勝です
超近代的なマンション内に、これまた超近代的で無機質なモノだけを徹底的にあしらう……という人も中にはいるだろう。しかしどちらかといえば少数派で、たいていの人は木材であること強調した家具を置く、花や植物を飾るなどしているはずだ。なぜならば、そういった「自然」を感じさせるものがまったくのゼロだと、どうしても息苦しくなるのが人間というものだからだ。
自動車においても似たようなことが言える。高度に電子化された昨今の車は確かに素晴らしいが、あまりにもそればかりだと何やら息苦しい気分となり、気がつけば「旧車ってステキだよね……」などと独り言を言いながら、その手の専門誌をパラパラと眺めていたりする。
しかしその際、同時に思うのは「クラシカルな車って確かにステキだけど、やっぱ維持は大変だよね……」ということだろう。
確かにそのとおりな部分もあるが、「旧車に乗る日々」というのは、実は素人衆が脳内で想像するほど大変ではない。なぜならば、まず第一にたいていの人は旧車を買っても毎日乗り回すわけではなく、週末や月に一度か二度の「ちょっとしたお楽しみ」のときに乗るだけだということ。その場合、納車時にあらかたの「故障発生が予想される箇所」をしっかり見ておけば、車という機械はたとえ30年レベルであってもそう簡単に路上でエンコすることはない。
買い替えるのではなく「植物を一つ買い足す」ような発想で
そして第二に、「旧車を割とフツーに乗り回している人もいる」という事実。筆者の19年落ちイタリア車が旧車の範疇に入るかどうかは別として、筆者はそれをフツーに取材の足として使っている。それどころか知人のOカメラマンは40年落ちレベルの旧世代ヨーロッパ車で、当たり前のように取材現場に現れる。フリーカメラマンというのはたった一度の遅刻で著しく信用を失い、仕事も失うものだが、Oカメラマンは相変わらず忙しくしているようだ。
つまり「40年落ちレベルのヨーロッパ車が故障したせいで現場に行けなかった」という事態は発生していない、ということだ。筆者やOカメラマンというごく少数の実例だけでなく、休日朝の代官山蔦屋書店にでも行ってみれば、当たり前の顔をして旧車に乗っている人を多数見ることができるだろう。
とはいえ、「じゃ、旧車に買い替えるということで!」とばかりにいきなり旧車オンリーな生活を始めるのも心理的に難しいだろうし、実際のリスクも考えられなくはない。
そのため、推奨したいのは「買い足し」だ。現在お持ちの現代的なクルマのほかにもう1台、まるでちょっとステキな観葉植物を一鉢買い足すように旧車を加える。そして、モダン系とクラシカル系とを気分や用途により使い分ける。何事もそうだが、それ一本槍ではなく、もうひとつの代替品があったほうが、両者の魅力とありがたさは一層引き立つものだ。
2台所有というのは、地代の高い都市圏の勤め人にとっては「絵に描いた餅」に近いかもしれない。しかし比較的地代の安いエリアにお住まいの人や、駐車場代などものともしない収入のある人ならば、極端な話、明日からでも、始めようと思えば始めることはできるのだ。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
無機質な空間に潤いを与える(?)旧世代欧州車、買い足してみませんか?
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