【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
カテゴリー: クルマ
タグ: トヨタ / 日産 / ホンダ / ミニバン / お手頃 / オデッセイ / ラルゴ / セレナ / プロナード / カスタム / スタイル / ドレスアップ / 佐藤旅宇
2021/06/16

ため込んだ妄想を実現するのだ
ご多分にもれず、僕も中古車検索がやめられない中古車ジャンキーのひとり。しかしながら、40歳を超えるとその傾向に少し変化が生じてきたのです。
人生経験を重ねたことによってイマジネーションが豊かになり、「ここをこうカスタマイズしてこんなシーンで乗ったらカッコいいな」といった具合に、妄想を膨らませながら中古車検索を楽しむようになったんですね。
こういう視点に立つと、これまで興味をもってこなかった車種にも目が向くようになって、中古車検索ががぜん面白くなるんですよ。で、いつしか僕にとって中古車検索は欲しい車を探す行為から、車を題材にした大喜利のような遊びに変わっていったのです。
昨夏、僕はそうやって少しずつ脳内にストックしていた、中古車カスタムのアイデアを実行してみようと思い立ちました。車に限らず、「趣味のモノ」が行きつく先はカスタムメイドやオーダーメイド。人生一度くらいその気分を味わってみるのも悪くないと思ったんです。
とはいえ、僕はしがないフリーランスのライター。予算として用意できるのはせいぜい100万円。だから、ベースとなるのは必然的に市場価値の低い不人気格安車になります。普通は、まず車種ありき、その次に色だ、程度だって話になると思うんですけど、ここではカスタムによってカッコ良くなるなら車種にはこだわらない、そういう逆の発想でいきます。
カスタム作業は基本的にショップに依頼しようと思っているので、総予算100万円というのはかなりシビア。逆算すると車両は乗り出し50万円ぐらいに収めないと厳しいでしょう。 また、信頼性に不安のある車を買ってしまうとカスタムどころではなくなるため、できるだけ国産で、かつ不人気車にターゲットを絞ります。
先に僕の個人的な志向をお伝えしておくと、アメリカ西海岸的な雰囲気が漂う、あるいはカスタムによって漂わせることができそうな車が好みですね。窓全開で、音楽を聴きながらのんびり“流して”走ることにカタルシスを感じる、そんなクチです。
ちなみに、僕がここ数年間で購入した車がこちら。



スズキ スプラッシュにSJ10型のジムニー、そしてグランドエスクード。いずれもめったに街で見かけることのない珍……いや希少車。なるべく低予算でキャラの立った車に乗りたいという、いじらしさが涙を誘います。
前述の好みに全然沿ってねえじゃねぇかと怒られそうですが、現実はいろいろと厳しいってことでご勘弁ください。
いざ!乗り出し50万円以下でベース車探し
それじゃあまずは車探しから始めようと、候補物件を(もちろんカーセンサーで)ピックアップした後、フォトグラファーの高柳 健氏、イラストレーターの浦野 周平氏、先輩編集者の宮崎 正行氏とともにベース車探しのツアーへ。
いずれも、僕と同様かそれ以上の中古車ジャンキーですが、事前に買う車種を決めていないもんだから、物件を前にああでもないこうでもないと持論をぶつけ合って一向に決まらない(笑)。

そんな中で全員一致でうなったのが、ゴールドのボディカラーに茶色の本革シートの初代ホンダ オデッセイ。コラムシフトと相まって、ノーマルでも北米感バリバリ。実際、この初代オデッセイは北米でも販売されましたからね。「USDM」のベース車両としても人気です。
車両本体価格は29.8万円とばっちり予算内。運転席レザーがひび割れていたことと、フロントガラスに割と大きな補修後があった点が気になったものの、年式を考えればそれ以外のコンディションは上々。こいつにノーズブラ&YAKIMAのルーフラック、ホワイトレタータイヤでも履かせれば一丁アガりって感じ。他の3人からも「もうコレに決まりだろ!」とあおられまくる。
だが、僕の答えはノー。たしかにカスタムの仕上がりはイメージしやすいけど、元の状態ですでにカッコ良いのがダメ。手を加えても伸びる余地があまりないような気がするんですよね。USDMの定番車なので意外性のあるイジり方もやりにくそう。
▲写真はカタログよりわれわれが次に目をとめたのが日産 セレナ(初代・C23型)。まだミニバンがファミリーカーとして一般化する以前のミニバンであります。前に見た初代オデッセイはいま見てもそんなに違和感はないけど、エンジンを前席下に収めるキャブオーバー型のFRミニバンであるセレナのスタイルはいかにも90年代な感じ。
でも、だからこそいま乗れば個性的ともいえる。ボンネットが短く腰高でウリ坊のようなシルエットはなかなかユーモラスだし。目を細めて200メートルぐらい離れて見れば、70年代のダッジ ラムバンやフォード エコノラインに見えなくも……ない。ボディをクリーム色に、バンパーやミラーを素っ気ない半艶ブラックにペイントしてバン風にするのが似合いそうだ。残念ながら、見にいった個体は満足できるコンディションではなかったのでパス(その分格安だったけど)。

僕がだいぶ以前から目を付けていたトヨタ プロナード。これの「3.0L」というグレードは、アイボリー色の本革ベンチシート&コラムシフトを採用する6人乗りFFセダンなのですよ。フォード クラウンビクトリアのようなアメリカのゆるーいセダンそのもの。展示されている車に乗り込んだだけで分かるふにゃふにゃな足。まったり走るにはうってつけでしょう。おまけに、街で目にする機会も極小なので個性という点でも申し分なし。
車内空間はセダンとしてはだだっ広く、前席に中年3人が肩を寄せ合って座れば蘇る青春時代。まるでロードムービーの登場人物にでもなったような気分が味わえる。ノーマルはおっさんくさいので、スチールホイールに交換し、メッキパーツをすべて黒に塗装してストックカー風に仕立てたい。しかしこちらは、乗り出しで約65万円と予算オーバー。ぐわ~残念。

そして、迷走を続けるわれらの前に、意外な車が有力な候補として登場。90年代に一世を風靡し、いまではすっかり見なくなったW30型 日産 ラルゴ ハイウェイスターだ。C23型の初代セレナをベースにした当時の上級ミニバンでしたが、この個体の価格は新規車検2年付きで40万円と格安。フロントからボディサイドにかけて貼られたストライプのデカールが強烈なインパクトです。

ラルゴといえば、これまでローダウン、インチアップ、エアロといった90年代的アメ車風カスタムのベース車になることが多く、それ以外のスタイルはほとんど目にしたことがない。うーん、これはうまいことやれば別の個性を引き出せるような気がする。そして、この個体は年式の割にコンディションがいい。とくに内装の美しさは驚異的だ。こういう物件を前にすると、カスタムうんぬんを抜きにしても欲しくなってしまう。
「これにしようと思う……」
意を決して他の3人に伝えると、僕以外、だーれもピンときていないようでじつに白けた空気が漂う。いや、これでいいのだ。ハズシな車種こそ僕が求めていた1台なのだから。
▲納車されたばかりのラルゴ ハイウェイスター。FF化された現在のミニバンとは見た目もさることながら、運転フィーリングも別物だ。エアロパーツをあえて外すスタイルが面白そうベース車選びは無事に(?)完了。 後編ではいよいよカスタムに取り掛かります!

ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌、自転車専門誌の編集部を経てフリーの編集ライターに。乗り物をはじめ、アウトドア、ミニ四駆、子育てなど、様々なメディアで節操なく活動中。古い車の純正カセットオーディオでシティポップを聴きつつドライブするのが何より快感な42歳。webサイト『GoGo-GaGa!』を運営
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