アート作品と交換OK!?有終の美を飾る、北欧デザインをまとったハイエンドEVのポールスター1【INDUSTRY EDGE】
カテゴリー: クルマ
タグ: ボルボ / プラグインハイブリッド / 4WD / EDGEが効いている / 古賀貴司 / c!
2021/08/10

感性を震わす多くのスーパーカーを作る会社も、もちろん山あり谷ありのドラマティックな道を歩んできた。買収、経営者交代、資金不足、リコール問題。そして、現在も絶え間なく状況は変わり続けている。まさに、波乱万丈なスーパーカーメーカーの「今」を自動車ライター古賀貴司氏が分析。
今回は、ボルボのレーシングチーム”ポールスター”の第1弾EV「ポールスター1」について解説。そして生産終了となる今年、アートと交換することでポールスター1を手に入れることができるという、一風変わったキャンペーンについても紹介したい。
元パフォーマンス部門だけにスペックは一級品
ポールスターは、もともとはボルボの公式レーシングチーム「フラッシュ/ポールスター・レーシング」だったが、2015年からはボルボ傘下に収まっている。一時期はボルボのパフォーマンスモデルを手がける、BMWで言うところのM社のような立ち位置だったが、2017年からはハイエンドEVパフォーマンスカーを手がける独立した「ブランド」となっている。
そんなポールスターの第1弾として投入された「ポールスター1」は2019年にデビューしたプラグイン・ハイブリッドモデルで、中国・成都市の専用工場で生産を開始した。フロントに2L直列4気筒スーパーチャージャー&ターボエンジン、リアアクスルに2基の電気モーターを搭載し、最高システム出力609ps、最大トルク1000N・mという圧倒的なパフォーマンスを発揮した。
バッテリーは34kWhの大容量で、ハイブリッドモデルとしては最長の124km(WLTPモード)というEVモード航続距離を実現。つまりは、プラグインハイブリッドモデルながら、フルEVとして日常使いができる、と評判は上々だった。
カーボンファイバー製ボディ、6ピストン・曙製ブレーキ、オーリンズ製デュアル・フローバルブダンパー(連続電子制御サスペンション「CESi」)という贅沢な組み合わせで、ポールスター・ブランドを象徴するイメージリーダーとしての役割を担っていた。



残念ながら日本未導入モデルだが、今年いっぱいで生産を終了する。そんなポールスター1の有終の美を飾るカタチで、ポールスターいわく“アート作品のようなポールスター1をリアルなアート作品と交換する”と発表している。
テスラが暗号通貨「ビットコイン」での車両購入を受け入れる、受け入れない……、やっぱり受け入れる、と二転三転していることが話題になっていたが、ポールスターのエレガントな“やり口”は、もっとセンセーショナルに取り上げられてもいいのではないだろうか?
もちろん、どんなアートでもいい、とはいかない。
オンラインでアート作品との交換を申し込み、ストックホルム近代美術館、マイアミ・ペレス美術館、グッゲンハイム美術館、アスペン美術館、アメリカンズ・フォー・ザ・アーツなどの理事を務めるセオドール・ダレンソン氏による鑑定を受ける。ポールスター1の新車時価格、15万5000ドル(約1700万円)に見合うものか否か、選別されるのだ。
ダレンソン氏による鑑定の後、サザビーズとフィリップスの2つのオークションハウスでさらにアート作品の査定がされる。つまりは3段階の審査がある、ということ。
ポールスター1と交換されたアート作品がどのように活用されるのか、今のところは発表されていない。が、ポールスターの記念すべき最初のモデル、ポールスター1がアート作品と交換されることは、自動車史においてセンセーショナルな出来事として刻まれることは間違いない。そして、最大25台がアート作品と交換されるそうだ。
申し込みは8月15日までなのだが……、残念ながら対象国はヨーロッパと北米としか発表されていない。

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