前衛的な新型の登場で、逆に「普通な」旧型シトロエン C3の良さが光る展開に(しかも安いし)
2017/08/08

おしゃれなのは基本歓迎だが、おしゃれすぎてもちょっと困る?
熱心な欧州車ファンには今さら説明不要でしょうが、フランスのシトロエンが作る「C3」というコンパクトカーが今年7月、フルモデルチェンジを受けました。
新しいC3はそれまでの比較的プレーンなデザインを完全に捨て去り、かなり前衛的なSUVテイストへと大胆に生まれ変わっています。具体的には、下の画像がそれです。

熱心な欧州車ファンや「おしゃれ」といわれるような人々は新デザインにおおむね好意的で、中には大絶賛してる人もいるようです。かくいう筆者も、あくまで個人の趣味としては新型シトロエン C3のデザインを心の中で絶賛しています。
しかし個人的な趣味嗜好ではなく、もう少し客観的に考えてみた場合は、新しいC3に対して「……果たしてどうなんだろうか?」と思わないでもありません。
なぜならば、それはあまりにもアバンギャルド(前衛的)だからです。

小型車に「ごはんと味噌汁」的な素朴さを求めるなら旧型C3で
筆者は日頃、ごく普通な感じの洋服屋さんをしばしば訪ねます。なぜならば「ごく普通な感じの洋服」を求めているからです。まぁ普通といっても、その中でも「ちょっとしゃれてる」とか「縫製がいい感じ」とかを求めてはいるわけですが、特段おしゃれ人種ではありませんので「最先端の何か」は求めていません。
しかしある日、いつも行ってる普通な感じの洋服屋さんの商品がすべて「ヴィヴィアン・ウエストウッド」に変わっていたらどうでしょうか? ヴィヴィアン・ウエストウッドまでは行かずとも、例えばキメキメのイタリアンブランド「DIESEL」だらけになっていたら?
……筆者としては踵を返して退散するしかありません。
これと同種のことが、新しいシトロエン C3にも当てはまるような気がしてなりません。
いやもちろん、プジョー・シトロエン社は入念なマーケティングと信念の結果として、新型C3をアバンギャルドにしたのでしょう。そして、そんな新型C3を求める人もいるでしょう。というか、むしろそちらの方が多いはずです。
しかし同時に、「小型車っつーのは何かこう、ちょっと上等な米で炊いたごはんとおいしい味噌汁の朝メシみたいに“普通な感じ”の方が、むしろ好みなんだけどなぁ……」という人だって一定数いるはずです。
で、もしもあなたが後者だった場合にオススメしたいのが1コ前、旧型のシトロエン C3です。


車両フタケタ万円で比較的低走行な1台がイケます
10年5月から17年6月まで販売された旧型シトロエン C3は、デザインもメカニズムも特に奇抜だったり先進的だったりはしない、割と普通な感じのコンパクトカーです。しかし、先の例で挙げた筆者好みの洋服のように「普通な中に、ちょっとしゃれている部分があったり、縫製がとってもいい感じだったりする」というニュアンスの小型車なのです。
その「普通っぽさ」が今、新型C3が登場したことで逆に光り始めた感があるのと同時に、中古車相場もけっこうお安くなりました。具体的には車両価格で60万~99万円ぐらいも見ておけば、走行1万km台からせいぜい3万km台までの好条件車が狙えてしまいます。

乗ってみても、大変に良い車です。
見た目同様、走りにも「派手さ」みたいなものはありませんが、小さい割にはすべてがしっかりしていて、でも同時にフランス車らしい軽快さと柔らかさみたいなものもあります。特に、この価格帯で選べるのはごくフツーの4速ATを採用していた時期のモデルが中心ですので、後に採用された5速セミATよりも「普通ゆえの良さ」みたいな部分が光るかもしれません。
新型シトロエン C3の前衛デザインも先進的なメカニズムも、当然ですがかなりステキです。しかし「シンプルな上質さ」みたいな世界をお手頃予算で味わいたい人は、ぜひとも「旧型の方」のシトロエン C3にも注目してみてください。

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