中高年にとって「疲れにくい車」の決定版はSGP+アイサイトの現行スバル XVまたはフォレスターなのか?
2018/11/06
▲若い頃と違い、ちょっと長距離を運転するとすぐに疲れてしまうのが中高年というもの。でもここで紹介する2つのモデルであれば、手頃な価格でありながら、高額欧州車並みの「疲れにくさ」を味わえるかも?中高年が長距離を運転してもなぜか疲れにくい不思議な車
若者には若者の都合があるように、中高年には中高年なりの都合や事情がある。それゆえ、まごうことなきおっさんのひとりである筆者(50歳)はこのところ「中高年ならではの車選び」についてばかり考えている。
で、思うのは「運転時の疲労」についてだ。
ご本人としてはまだまだある程度若いつもりの40代から60代ぐらいの各位であろうが、中高年の肉体というのは(若かった頃と比べれば)正直かなり劣化している。
かく言う筆者の肉体もそうだ。20代の頃は東京から九州まで(もちろん運転は友人と交代しながらではあるが)車で移動しても、極度の疲労は感じなかったものだ。
だが40代も半ばを越えたあたりからはダメダメである。
東京から九州はおろか、東京から伊豆半島あたりまでの往復約300kmを走るだけで疲労困憊気味となり、岩手県陸前高田市までの往復約1200kmを初代ルノー カングーで走った際には、その後3日ほど寝込んだものだ。や、「寝込んだ」はさすがに嘘だが、それに近い状態ではあった。
だがその後「とある車」に買い替えてみたところ、結構な長距離を走っても、50歳となった自分がほとんど疲労しないことに気づいてしまった。
そして昨日は「とある車」の兄貴分にあたる車で東京~名古屋間の往復約700kmを1日で走破したのだが、これまたそろそろ51歳になる筆者の肉体と精神はほとんど疲れなかった。同乗していた若いカメラマン氏に気味悪がられるほど、昨日の不肖筆者は元気というか、きわめて普通だったのだ。
「とある車」とは、車台にSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用した現行スバル XVであり、昨日の名古屋往復に利用した「その兄貴分」とは、このたびのモデルチェンジで同じくSGPを採用したスバル フォレスターだ。
▲こちらが現行スバル XV。グローバル視点で言えばコンパクトサイズの、しかし日本の道路環境では「ジャストサイズの」と言えるクロスオーバーSUVだ。つい先ごろ、マイナーチェンジでハイブリッド版も登場
▲こちらはXVより少々大ぶりで、悪路走破性能もより本格的なSUVであるスバル フォレスター。写真は今年7月のフルモデルチェンジで登場した現行モデルで、フォレスターとしては5世代目にあたる長距離を走る機会が多い中高年にはベストな選択のひとつ
中高年の車選びを考える当シリーズは、編集部から「基本的には輸入車対象で」と言われている。だが今の時代、「国産車か輸入車か」という軸で物事を考えるのはややナンセンスでもあるはず。それゆえ、申し訳ないがこのまま話を進めさせていただく。
で、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)だ。いや正確にはSGP+アイサイト(スバルの運転支援システム)という組み合わせががもたらす、中高年の肉体疲労に対する好ましい影響についてである。
これがですね……本当に疲れにくいのですよ!
▲2017年登場の現行XVから採用されたSGP(スバルグローバルプラットフォーム)。車体とシャシーの剛性向上やサスペンションの強化、低重心化によってステアリングに生じるブレを排除し、ドライバーの意のままに走行しやすい操舵応答性が実現させるという新世代のプラットフォームだ
SGPを採用していなかった旧型フォレスターに対する筆者の印象は、愛好家の方には大変申し訳ないのだが「普通ですね」というものだった。
もちろんフォレスターの雪道性能などの高さは知っているつもりだが、一般的な舗装路を走る場合に限って言えば、強烈なアドバンテージがあるわけでもない「普通のSUV」としか筆者には思えなかったのだ。
だがSGP+アイサイト・ツーリングアシスト(アイサイトの最新版)となった新型フォレスターに対する意見は、それとはまったく異なる。
「長距離を走る機会が多い中高年にはワン・オブ・ベストでしょう! 燃費は正直あまり良くないですが!」としか言いようがないのだ。
▲燃費の面で有利とは言い難い水平対向エンジンを採用しているため「低燃費」とはお世辞にも言えないが、しかし「運転がラクで楽しい」という点ではクラス随一と言えそうな仕上がりとなった現行スバル フォレスターその乗り味は2倍ぐらい高額な輸入車とほぼ同じ?
細かい構造やメカニズムなどをダラダラ述べても仕方ないので、端的にいこう。
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用した現行XVならびに現行フォレスターの乗り味は「車両価格が2倍ぐらいする欧州製SUVの乗り味」にきわめて近い。
そして現行XVに搭載されているアイサイトver.3または現行フォレスターのアイサイト・ツーリングアシストの出来も、車両価格が2倍か3倍ぐらいはする欧州車の類似システムにきわめて近いか、あるいはそれを凌駕している。
これらの合わせ技によりドライバーは、その人が仮に筆者ぐらいの中高年であったとしても、「長距離を運転してもぜんぜん(というか正確にはあんまり)疲れない」という果実を手にすることになるのだ。
とにかく高速域でもビタッと路面に張り付くようにひたすら安定し、かといって低中速域でもゴツゴツとした感じはゼロの快適な乗り味で、そして最新世代のアイサイトは自然なニュアンスでシームレスに(継ぎ目のない感じで)運転に介入してくる。というか、人間のミステイクを知らず知らずのうちにカバーしてくれる。
それがゆえに、長距離を運転しても中高年の劣化した肉体が「疲れにくい」のである。
もちろん、そういった類の車は現行XVや現行フォレスターだけではない。総額600万円以上ぐらいで物事を考えれば、これらと同程度か、それ以上に「疲れにくい車」は主に欧州にはたくさんある。
だが現行XVと現行フォレスターは「それらに匹敵するサムシングを、せいぜい250万円とか300万円ぐらいの車両価格で実現させた」という点に強烈な価値があるのだ。
▲現行XVオーナーである筆者は、総額300万円ほどで購入したこの車のことを「群馬アウディ」という造語で呼んでいる。群馬県太田市で作られた比較的安価なSUVなのだが、乗り味はほとんどアウディなのだ(※個人の感想です)狙い目は総額250万円前後の現行XV 2.0L仕様
ここでやっと話はカーセンサーnet本来の議題である「中古車」へと戻る。
ここまで述べてきた理由により、筆者は親愛なる中高年各位に新型フォレスターまたは現行XVの中古車を強くオススメしたいわけだが、実際には難しい部分もある。
まず現行フォレスターに関しては、単純に中古車がまださほど流通していない。今年7月19日に発売となったばかりの車ゆえ、10月末現在の流通量は全国で42台。そのほとんどがいわゆる登録済み未使用車であるため、新車との価格差はまだ微々たるものだ。
「このぐらいの差なら、いっそ新車の方が……」と思ってしまうかもしれない相場であり、筆者も正直そう思う。ゆえに、新型フォレスターを中古で狙うべきタイミングはもう少々先なのかもしれない。
▲早くもそれなりの数の中古車が流通している現行フォレスターだが、今のところまだ「中古車らしいお手頃相場」には至っていない
2017年5月デビューの現行XVにしても、中古車的状況は「良好」とは言い難い。
2018年10月末現在の流通量は全国で79台だが、パワー的に不満を感じにくい2L版に限ると流通数は45台。さらにその中の20台ほどは総額280万円以上となる登録済み未使用車だ。
そういった未使用車を狙ってみるのも決して悪くはないが、ド新車の現行XVを(値引き込みで)300万円ちょいで購入した筆者からすると「280万円以上も出すなら、いっそ新車の方が……」と思わないでもない。
「ということはお前、さんざんあおっておきながら勧めないって話かよ!」と怒られてしまいそうな展開だが、もちろん手段がないわけではない。
ややピンポイントにはなるが「総額240万~260万円付近」限定で、現行XVの2L仕様を探してみるのだ。
▲こちらは現行スバル XVの2.0i-Sアイサイトというグレード(※オプション装着車)。1.6L版も決して悪くはないのだが、人によっては「若干非力」と感じるかも。筆者としても、2Lの方をオススメしたい
すると走行数千kmレベルの、場合によってはアドバンスドセイフティパッケージ(後側方警戒支援システムなどがセットになったパッケージオプション)が付いている好条件な1台が、きっと見つかるはず。
そしてこの「総額240万~260万円ぐらい」という予算感であれば、自分好みの色や装備を選びにくいというデメリットを押してでも中古車を買う意義は、十分感じられずはずだ。
疲れにくい、それでいてシュッと走れる車を探している中高年各位は、ぜひ。(ただし燃費は大してよろしくはありませんが!)
▼検索条件
総額表示あり×総額270万円以下×修復歴なしあわせて読みたい
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