ホンダ フリード(3代目)▲新型フリード(3代目)の中古車が250万円で買えるってほんと? しかも、中古車流通量が急増して1000台を超えることも珍しくなくなっている

デビュ−からの1年で中古車流通量が急増

新型フリード(3代目)がデビューしてから1年ちょっと。グレードごとにデザインが明確に分けられ、ハイブリッドシステムの進化がメインのフルモデルチェンジだった。

さて最新の中古車市場はどうなっているのかな、とチェックしてみると……。流通台数が劇的に増えているじゃないですか! 中古車相場も着実にダウン。フリードの人気ぶりが反映されているようだ。なんと、中には総額250万円で狙える物件も

この記事では新型フリード(3代目)がどんな車かわかりやすく解説するとともに、中古車を狙っている人なら定期的にチェックしておきたい中古車市場の最新動向を解説、そのうえでオススメの選び方を見ていこう。

ホンダ フリード(3代目) ▲「エアー」は現在、全モデルが3列シート仕様に。2列シートがあるのは「クロスター」のみ

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ホンダ フリード(3代目)
 

モデル概要:エアーとクロスターの個性を明確化

コンパクトなボディに3列シートをぎゅっと詰め込んだ、優れたパッケージがフリード最大の特徴だ。新型もストロングポイントを継承しつつ、より洗練されたミニバンとなっている。

外観では初代、2代目に比べてややキュービックなフォルムになるとともに、「上質でシンプル」をコンセプトにした都会的で上品なデザインの「エアー」と、「アクティブで力強い」をコンセプトにしたSUVテイストの「クロスター」、とグレードごとにデザインが明確に分けられた。

ホンダ フリード(3代目) ▲すっきりとした外観が特徴の「エアー」
ホンダ フリード(3代目) ▲SUVルックの「クロスター」。全幅は拡幅されているがトレッドは「エアー」と同じ

「クロスター」は従来型でフリードのクロスオーバー版として登場したモデルだが、新型ではフロントグリル、バンパーなどがより個性的なデザインとなり、新たにオーバーフェンダーも装備。「エアー」より25mm広い全幅となり、3ナンバーサイズに。さらに「エアー」には助手席リフトアップシート仕様や車いす向けのスロープ仕様があるのも特徴だ。

パワーユニットは1.5L ガソリンエンジンと、新たに「e:HEV」となった1.5Lガソリンエンジン+2モーターのハイブリッドシステムの2種。「e:HEV」は2基のモーターをメイン動力とし、エンジンを高速巡航時などの動力として補助的に使うストロングハイブリッドで、静粛性が高く燃費も良い。

ホンダ フリード(3代目) ▲運転席からの見晴らしが良く、インパネのデザインもすっきりした印象
ホンダ フリード(3代目) ▲3列シート車には2列目キャプテンシート仕様とベンチシート仕様がある

フリード(3代目)に設定される主なグレードは以下のとおり。

「エアー」
標準外観のベーシックグレードで、3列シート・6人乗り仕様。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。

「エアー EX」
標準外観の上級グレードで、3列シート・6人乗りもしくは7人乗り仕様。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。

「エアー ビズ(~2025年1月)」
標準外観のビジネスユース向けグレードで、2列シート・4人乗り仕様。パワーユニットは「e:HEV」のみでFFと4WDを用意。

「クロスター」
SUV風外観のグレードで、2列シート・5人乗り仕様もしくは3列シート・6人乗り仕様。装備内容は「エアー EX」に相当する。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。

これまで行われたマイナーチェンジは、外装塗料クリア材の変更と安全装備・運転支援機能のオプション拡充。「e:HEV」は2025年2月に、ガソリン車は同年7月に実施された。

ホンダ フリード(3代目) ▲クロスターは荷役性を重視していた従来型フリード+の役割も担う
 

中古車概況:流通量が多いだけでなくコンディションも良好

ここからはフリード(3代目)がデビューしてからの中古車動向を見ていこう。

中古車流通量はデビュー直後からぐんぐん伸び、半年で600台以上に。その後も継続的に伸び、最近では1000台を超えることも珍しくなくなった。これは新型車の中でも特に多い数値だ。

登場から1年ほどしかたっていないために走行距離は500km未満の物件がほとんどだが、特に10km前後といった極少距離の物件が多い。これらの多くは展示車や試乗車だろう。登録済未使用車も全体の半数以上を占めている。

なお、グレード別分布では上級グレードである「1.5 e:HEV エアー EX」が最上位、続いて最もリーズナブルなガソリン車の「エアー」、続いて「e:HEVクロスター」、「クロスター」の順。まんべんなく分布している状況と言える。
 

ホンダ フリード(3代目) ▲2024年8月~2025年7月の中古車流通量推移

平均の支払総額については300万円前後で推移しているが、流通量が増えているために安めの物件も見られるようになってきた。現時点での最安値物件は総額230万円前後だ。

 

ホンダ フリード(3代目) ▲2024年8月~2025年7月の平均支払総額推移
 

 

 

オススメの狙い方①:価格重視ならガソリン車の「1.5 エアー」

中古車流通量が急増した現在、総額250万円未満の物件だけで100台以上が見つかる。そのほとんどがガソリン車・FFの「1.5 エアー」だ。

価格が安いと不安になるところだが、全く心配は要らない。なぜなら登録済未使用車、つまり新車に近いコンディションの物件がほとんどだから。実に総額250万円未満の物件の7割を登録済未使用車が占めている。

ホンダ フリード(3代目) ▲1.5Lガソリンエンジンは最高出力87kW (118ps) を発生。必要十分な性能だ

例えば、2024年式・走行距離10km・登録済未使用車の「エアー(FF)」で、総額229.9万円。新車価格よりも20万円+諸経費分安く手に入る計算だ。

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ホンダ フリード(3代目)× 1.5 エアー系
 

オススメの狙い方②:ハイブリッド車狙いなら「1.5 e:HEV エアー EX(FF)」

現在、中古車市場に流通している物件の約半分はハイブリッド車。こちらもガソリン車同様に流通量が急増している状況だ。

フリード(3代目)の「e:HEV」はパワフルで燃費も良く、ハイブリッドの恩恵をしっかり受けられる。通常走行ではモーターのみで走るため静粛性も高い。

前述のとおり中古車市場におけるグレード別分布でも「1.5 e:HEV エアー EX」が最も多くなっており、狙いやすくなっている。

価格の一例を挙げると、2025年式・走行距離6kmの「1.5 e:HEV エアー EX」で総額311.1万円。同グレードで比較するとガソリン車よりも50万円近く高い「e:HEV」も、中古車ならかなりオトクだ。

ホンダ フリード(3代目) ▲ハイブリッド車では上位グレードの中古車流通量が多いのも特徴だろう

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ホンダ フリード(3代目)× 1.5 e:HEV エアー EX
 

オススメの狙い方③:「クロスター」はe:HEVが狙い目

よりオリジナリティの高い外観となった「クロスター」。フリード(3代目)の中では「エアー ビズ」を除いて唯一、2列シート仕様の設定があるのも魅力だ。アウトドアでアクティブに使いたい人にとってもぴったりのグレードだろう。

「クロスター」には助手席リフトアップシート仕様や車いす向けのスロープ仕様など、様々な仕様があるが、それらすべてを合わせた流通台数は現在120台前後。全体のボリュームに比してやや少なめだが、コンディションの良い物件が多数揃っている。

例えば、2025年式・走行距離8kmの「1.5 e:HEV クロスター(FF)」5人乗り仕様で総額305.8万円。新車価格より30万円近く+諸経費が安くなる計算だ。今後流通台数が増えればオトクになる可能性も。

ホンダ フリード(3代目) ▲「クロスター」の中古車はガソリン車よりもハイブリッド車が圧倒的に多い
   

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ホンダ フリード(3代目)× 1.5 e:HEV クロスター系
 
文/田端邦彦 写真/ホンダ
※記事内の情報は2025年8月20日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。