Eクラス ▲2024年に登場したメルセデスの新型プレミアムサルーン、メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)の中古車平均価格が早くも大幅にダウンし、まずまず狙いやすい状況に!

新車を買うとなるとおおむね1000万円は下らない車だが

2024年2月に発売となったメルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)。それは、メルセデスの中核モデルとしての本質的な伝統と風格を受け継ぎつつも、大幅に刷新されたデザインと電動化されたパワーユニットにより「新しさ」も感じさせることになった1台。

超プレミアムでありながら実用的でもあるセダンを求める際には、ぜひとも検討したいモデルです。 とはいえ新車で買うとなると、中間グレードであっても支払総額は約1000万円に達するでしょう。
 

Eクラス▲ぜひとも欲しい素敵な1台ではあるものの、支払総額が1000万円級となる新車はさすがにキツい……
 

しかし、その中古車平均価格はこの1年間で70万円ほどダウンしており、2025年8月時点の平均総額は約900万円に。800万円台に突入するのも、もう間もなくではないかと考えられます。

この記事では、ついにまあまあ狙いやすい状況になってきたメルセデス・ベンツ(6代目)のお得な買い方とオススメグレードについて、集中的に考えてみることにしましょう。
 

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)
 

モデル概要:デザインを一新し、パワーユニットの電動化も図った第6世代

「W214」という型番で呼ばれることも多いメルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)が日本へ上陸したのは2024年2月。

全長4960mm×全幅1880mm×全高1470mmとなるエクステリアのデザインは従来型から一新され、どことなくEVの「メルセデス・ベンツ EQE」を思わせる大胆なフロントマスクを採用。とはいえ、側面から見た際のフォルムはEクラスの伝統を感じさせる落ち着いたものであるため、プレミアムセダンとしての風格は相変わらず十分以上といえるでしょう。

Eクラス▲こちらがメルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)
Eクラス▲LED式のリアコンビネーションランプには「スリーポインテッドスター」のモチーフが採用されている

インテリアは、大ぶりなトリムパネルがダッシュボード中央まで伸びる形状を採用し、オプションとして助手席側にもディスプレイが備わる「MBUXスーパースクリーン」も選択可能。

そしてMBUXインフォテインメントシステムに統合された「オンラインミュージック」サービスでは、「Spotify」や「Amazon Music」「Apple Music」へのアクセスも可能です。
 

Eクラス▲「MBUXスーパースクリーン」を搭載する仕様の運転席まわり(写真は本国の左ハンドル仕様)

当初用意されたパワーユニットはマイルドハイブリッドが2種類と、プラグインハイブリッドが1種類。「E200系」が搭載するのは最高出力204ps/最大トルク320N・mの2L直4ガソリンターボにISG(発進モーターと発電機の機能を併せ持つ補助駆動装置)に加えたもので、「E220 d系」は、同197ps/同440N・mの2L直4ディーゼルターボに同じくISGを組み合わせたタイプ。

そしてプラグインハイブリッド車である「E350 e系」には、2L直4ガソリンターボエンジンに最高出力129psのモーターを組み合わせ、システム最高出力312psをマークするユニットが搭載されています。ちなみに「E350 e系」の場合は「ドライバーズ パッケージ」を選択すると、後輪操舵システムである「リアアクスルステアリング」が採用されることになります。
 

Eクラス▲EV走行換算距離は112kmとなるプラグインハイブリッド車、E350 e スポーツ エディション スター

発売翌月の2024年3月には、トラディショナルなデザインのフロントグリルを採用した「E300 エクスクルーシブ」を追加。こちらのパワーユニットはE200と同じく2L直4ガソリンターボ+ISGですが、スペック的には最高出力258ps/最大トルク400N・mまで強化されたバージョンです。

そして今年(2025年)5月には200台限定の特別仕様車としてE200にも、トラディショナルなフロントマスクなどが特徴となる「E200 エディション エクスクルーシブ」を設定した――というのが、メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)の大まかなモデル概要です。
 

Eクラス▲通常のEクラス(6代目)はフロントグリルの中に大きなスリーポインテッドスターが組み込まれているが、「E300 エクスクルーシブ」と「E200 エディション エクスクルーシブ」(写真)は、昔ながらのシンプルなグリルと、ボンネット上に配置される小さなスリーポインテッドスターのマスコットを採用
 
 

中古車状況:流通台数の増加に伴って平均価格は順調に下落中

6代目 Eクラスのデリバリーが始まり、中古車もちらほらと流通し始めた2024年の初夏から夏場にかけての平均価格は1000万円を超えていましたが、中古車の流通量がやや増え始めた同年9月からは徐々に下がり始め、まずは900万円台に突入。

そして中古車の流通台数が100台を超えた2025年の春頃からは900万円台前半というニュアンスの水準までダウンし、直近では「いよいよ800万円台に突入するか?」というレベルに達しています。

Eクラス

そして流通量は2024年の後半からまずまず順調なペースで増加を続けており、2025年2月以降さらに加速。同年8月時点の延べ掲載台数は160台に。

もちろんまだまだ「数は超豊富で価格も格安!」というような水準ではありませんが、デビュー当初と比べれば、明らかに「かなり選びやすい状況になってきた」ということはできるでしょう。

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それでは次章以降、オススメとなるグレードと選び方を具体的に見てまいります。
 

 

中古車のオススメ①:価格重視で選ぶなら総額700万円台までのE200またはE220 d

価格重視で、つまり「なるべくお安く現行型Eクラスを入手したい」と考える場合は、総額690万円から799万円までの「E200 アバンギャルド AMGラインパッケージ (ISG搭載モデル) 」または「E220 d アバンギャルド AMGラインパッケージ(ISG搭載モデル)ディーゼルターボ」が狙い目となります。
 

Eクラス▲E200またはE220 dのAMGラインパッケージ(※本国モデルのため、細部は日本仕様と一部異なります)
 

流通量の観点からいうと、実は「総額800万円台の物件」の方が断然数が多くて探しやすいのですが、現在の平均価格に近いプライスの物件が探しやすいのは、ある意味当たり前といえば当たり前。「価格重視」の姿勢を貫くのであれば、もう少し安価なゾーンにトライしたいところです。

そして総額690万から799万円の物件というのは、メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)の中古車としては最安値ゾーンに該当しますが、まだまだ登場から間もないモデルゆえ、最安値ゾーンの中古車だからといって過走行だったり、内外装がボロボロだったりすることはほとんどありません。

この価格帯で狙える中古車の大半は走行数千kmか、せいぜい1万km台。クルマという機械はよっぽど手荒く扱わない限り、たかが1万kmや1年程度の距離や時間で激しく劣化することはまずありません。そのため最安値ゾーンの物件であっても、内外装が妙にヤレていたり、車内に異臭が染み付いているような物件でない限り、ごく普通に満足できる結果となるでしょう。

ただし総額700万円台までの物件は、6代目Eクラスの売りのひとつである「デジタルインテリアパッケージ(MBUXスーパースクリーンや3Dコックピットディスプレイなどで構成される40万4000円のセットオプション)」は装着されていない場合が多くなります。デジタルインテリアパッケージが付いていなくても特に問題はありませんが、もしもあの未来的な感じがお好みな場合は、予算感を少し上げて「総額790万~830万円」ぐらいで探してみれば、ちょうどいい1台が見つかるはずです。
 

Eクラス▲総額700万円台までの物件に多い「MBUXスクリーンなし」の運転席まわりは、おおむねこのような感じ(※写真はAMGラインパッケージではない本国モデル)
Eクラス▲こういったインテリアがお好みの場合は、総額790万円以上を目安に「デジタルインテリアパッケージ」と表記されている物件をチェックしたい

また、ガソリンターボエンジン+ISGの「E200 アバンギャルド AMGラインパッケージ (ISG搭載モデル) 」にするか、もしくはディーゼルターボエンジン+ISGとなる「E220 d アバンギャルド AMGラインパッケージ(ISG搭載モデル)ディーゼルターボ」を選ぶかはお好み次第で。

どちらも素敵な車ですが、より価格重視で行けるのは、総額690万円付近から見つかるE200 アバンギャルドの方です。ディーゼルターボエンジンを搭載するE220 dは、残念ながら「総額760万円~」が目安となります。

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×E200 アバンギャルド AMGラインパッケージ (ISG搭載モデル)

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×E220 d アバンギャルド AMGラインパッケージ(ISG搭載モデル)ディーゼルターボ

なおカーセンサーnetで検索する際は、車名の末尾に付いている「MP202502」などの数字の違いが気になるかもしれませんが、これはかなり軽微な仕様変更を区分するためのメルセデス・ベンツの社内コードですので、基本的には無視してOKです。
 

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×総額799万円以下
 

中古車のオススメ②:もうちょい足せるなら800万円台のレザーエクスクルーシブパッケージ付き

総額690万~799万円のゾーンでも十分に魅力的な中古車が探せる6代目メルセデス・ベンツ Eクラスではありますが、その価格帯で流通している物件の数はまだ少なめなのがネック。

しかし、予算をもうちょい上げて「総額800万円台」で物事を考えてみればグッと選びやすくなります。
 

Eクラス▲E200とE220 dに関しては「総額800万円台」こそが中古車の主戦場といえる
 

2025年10月上旬現在、総額800万~899万円のゾーンで見つけることができる中古車の数は、ガソリンターボエンジン+ISGの「E200 アバンギャルド AMGラインパッケージ (ISG搭載モデル) 」が約30台で、ディーゼルターボエンジン+ISGを搭載する「E220 d アバンギャルド AMGラインパッケージ(ISG搭載モデル)ディーゼルターボ」が約20台。そして次章にて後述するハイブリッド車「E350 e スポーツ エディション スター系」が10台未満といったところ。

この価格帯になると、前述した「デジタルインテリアパッケージ」が装着されている物件がほとんどになる他、「レザーエクスクルーシブパッケージ」が装着された物件を見つけることもできるようになります。レザーエクスクルーシブパッケージは、本革(ナッパレザー)シートやエナジャイジングパッケージプラス(空調と音楽、アンビエントライトやシートに備わる機能を統合的にコントロールする機能)、シートヒータープラス等々がセットになった85万7000円のオプション装備。

せっかく800万円台もの予算を投じるのであれば、コレが付いている物件の方がより満足度は高いでしょう。
 

Eクラス▲空調と音楽、アンビエントライトが統合制御される「エナジャイジングパッケージプラス」に興味がない人もいるかもしれないが、一度体験するとけっこうハマる人も多い、なかなかナイスな装備だ
 

こちらの価格帯で探せる中古車も、そのほとんどは走行数千kmから1万km台程度の低走行物件ですので、基本的には「内外装が荒れていないか?」「変なにおいがしないか?」ぐらいを目安に、ボディ色や装備内容などの好みに応じて選べばそれでOKです。

また「E200にするか、それともE220 dにするか?」というのも、人それぞれの好みの問題でしかありません。
 

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×総額800万円台
 

中古車のオススメ③:充電設備があるならプラグインハイブリッドの「E350 e」も要チェック

自宅や近隣に200Vの普通充電設備がある人は、プラグインハイブリッド車である「E350 e スポーツ エディション スター」を選んでみるのも素敵な選択です。
 

Eクラス▲プラグインハイブリッドシステムを搭載するE350 e スポーツ エディション スター
 

「E350 e スポーツ エディション スター」は、最高出力204psの2L直4ガソリンターボエンジンに同129psのモーターを組み合わせ、結果として312psのシステム最高出力を得ているプラグインハイブリッド車。EV走行換算距離は112kmですので、遠出をしない場合には、ガソリンを一滴も使わずに移動することができます。

そんなE350 e スポーツ エディション スターの中古車流通状況はおおむね下記のとおりとなっています。

●E350 e スポーツ エディション スター|6台|総額860万~1020万円
●E350 e スポーツ エディション スター ドライバーズ パッケージ|11台|総額830万~1000万円

「ドライバーズパッケージ」というのは、後輪操舵の「リアアクスルステアリング」とAIRMATICサスペンションがセットになった40万9000円のメーカーオプションが装着されているものです。こちらであれば、低速域では小回り性能が向上し(最小回転半径が5.4m→5.0mに)、中高速域では走行安定性が高まることになります。

さらには中古車の流通量も比較的多いということで、基本的には通常のエディションスター以上にオススメできる選択肢となるでしょう。
 

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×E350 e スポーツ エディション スター

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)×E350 e スポーツ エディション スター ドライバーズ パッケージ

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メルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)
文/伊達軍曹 写真/メルセデス・ベンツ
※記事内の情報は2025年10月8日現在のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。