トヨタ ランドクルーザー250(現行型)▲センセーショナルなデビューから約1年半たったランドクルーザー250。ここに来て中古車流通量が急増してきた!

中古車なら話題の250をすぐ手に入れられるかも

初めての本格四駆、どれを選ぶべき? と聞かれたとき、迷わずオススメできる……ランドクルーザー250はそんな1台だ。

登場したのは2024年4月と、ランドクルーザー・シリーズの中では最新のモデル。デビュー直後から大人気となり、新車は受注過多の状況が続いている。

中古車市場もその影響から供給量が少なめだったが、2025年6月頃から急激に物件数が増えてきた。直近の中古車流通量では900台を超え、以前に比べて格段に選びやすくなっている。しかも、平均支払総額も800万円を切って773.6万円なった。

これは250の中古車を手に入れるチャンス到来かも。ということで、この記事では250のモデル概要を振り返るとともに中古車市場の概況や平均支払総額の推移をチェック。そのうえでオススメの狙い方を見ていこう。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲250はランクルとしての伝統的な構造を守りつつ、先進的な技術が数多く採用された。オフロード性能も全くスポイルされていない!

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トヨタ ランドクルーザー250(初代)
 

1.モデル概要:フラッグシップに限りなく近い存在

ランドクルーザー250(初代)はフルサイズフラッグシップであるランドクルーザー300と、ヘビーデューティであるランドクルーザー70の中間を埋めるべく、新たに開発されたモデル。

実質的なランドクルーザープラドの後継車種でもあるが、ボディサイズは全長4925mm×全幅1940~1980mm×全高1870mmとかなり大きくなった。実はこの数値、兄貴分であるはずのランドクルーザー300とそう大きく変わらない。それもそのはず、プラットフォームはランドクルーザー300と250で共有されているのだ。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲運転席からの視界確保および操作性に配慮された、水平基調のインパネデザイン

つまりランクル・シリーズの中間的存在といっても、かなりフラッグシップに近い存在と言える。装備内容、内装の質感などもランドクルーザープラドの時代に比べて高級化された。渋滞時のハンズフリー運転が可能な「アドバンストドライブ」や交通状況に応じてブレーキなどを制御してくれる「プロアクティブドライビングアシスト」(ともに上級グレードへの装備)は、ランドクルーザー300にも用意されない先進的な装備だ。

外観はパッと見だと直線基調でいかにも本格四駆といういでたちだが、プレスラインはかなり複雑で抑揚に富んでいる。ヘッドライトは3眼LEDで、これまでのどのランクルとも似ていない未来的な顔つき。VXグレードでは丸目タイプのヘッドライトをオプションを選択できることもデビュー当初話題になった。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲こちらが3眼LEDタイプのヘッドライト
トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲こちらが丸タイプのヘッドライト
トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲「VX」以上のグレードでシート表皮は本革となる。最上級の「ZX」ではサードシートの格納も電動式だ

搭載されるパワーユニットは2.7L ガソリンエンジンと、2.8L ディーゼルターボエンジンの2種類。海外仕様にはハイブリッドも用意されているが、国内モデルには今のところ設定されていない。

シャシーは頑丈なラダーフレームを骨格とし、前ダブルウィッシュボーン式コイル・後リジッド式コイルという伝統的なサスペンション形式を採用する。オンロードでの快適性とオフロードでの接地性能を両立するもので、古くからの四駆好きには馴染み深い乗り味と言えるだろう。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲エンジンを縦置きし、リア駆動輪に向かって一直線にプロペラシャフトが伸びるオフセット式パワートレイン

トランスファーにはトルセンLSD付きセンターデフを採用。変速比の低い副変速比(ローレンジ)が装備され、こちらもオンオフ両刀の走行性能となっている。フロントスタビイライザーの効力をカットできる「SDM」、「電動リアデフロック」、路面状況に応じて走行モードを選べる「マルチテレインセレクト」などの多彩な電子デバイスも悪路走行をアシスト。現代のランクルにふさわしく、伝統と先進性を高い次元で融合させた設計となっているのが特徴だ。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲「ZX」グレードのみ、3眼LEDヘッドランプがプロジェクター式となる

ランドクルーザー250に設定されるグレードは以下のとおり。

GX
最もベーシックなグレードで、ボディはオーバーフェンダーレスのナロー仕様。2列シート・5人乗り。2.8L ディーゼルターボエンジン搭載。

VX
機能装備が充実した中間グレードで、オーバーフェンダーの付くワイド仕様。3列シート・7人乗り。2.7L ガソリンエンジン or 2.8L ディーゼルターボエンジン搭載。

ZX
ベンチレーション機能付き温熱セカンドシートなどの快適装備、「SDM」「電動リアデフロック」「マルチテレインセレクト」などのオフロード機能装備をフル装備する最上級グレード。3列シート・7人乗り。2.8L ディーゼルターボエンジン搭載。

なお、同じ「VX」グレードでもガソリン車とディーゼル車では装備内容がかなり異なり、ドライブモードセレクトやダウンヒルアシストコントロール&クロールコントロールといった装備がガソリン車では省略される。トランスミッションもディーゼル車が8速ATなのに対して、ガソリン車は6速ATだ。

 

2.中古車概況:流通数が900台を超えて、がぜん選びやすく

ここからはランドクルーザー250の中古車市場をチェックしていこう。

250のデリバリーが開始されてから2025年3月あたりまでは中古車流通量がかなり少なく、カーセンサーでの延べ掲載台数も200台未満であることがほとんどだった。新車は注文しても納車されるまでに長い月日がかかり、現実的に受注停止、もしくは抽選制になっているところもあるといわれている中で、中古車流通量も少なく、ヤキモキしていたユーザーは少なくないだろう。

それが2025年4月頃から中古車流通量が徐々に増え始めた。同年6月には一気に伸び、延べ掲載台数400台を突破。同年9月には900台を超えるまでになっている。十分に比較検討する余地がある流通量と言っていいだろう。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲2024年10月~2025年9月までの延べ掲載台数推移

一方、中古車平均支払総額はどうかというと、デビュー直後こそ新車価格を大きく上回る価格帯だったものの、2025年に入ってからは落ち着き、800万円台後半に。それ以降も下がり続け、同年9月時点で773.6万円となっており800万円代を切るのも時間の問題だ。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲2024年10月~2025年9月までの中古車平均支払総額推移

一般的な中古車としてはまだまだ高水準であるものの、納期待ちの大人気車種であること、デビューから1年半ほどしか経過していない新型車であることを考えると、納得できるレベルではないだろうか。

 

3.オススメの狙い方①:価格重視なら「VX」のガソリン車

価格重視で選ぶなら、ガソリン車一択だ。前述のように2.7Lガソリンエンジンは「2.7 VX」グレードにしか用意されないが、中古車市場では全流通量の6~7割を占めるほど物件数が豊富。

新車価格が「GX」グレードに次いで安いため、中古車市場での価格も比較的リーズナブル。例えば、2024年式・走行距離1.9万kmの物件なら総額643.8万円。それでも新車価格より100万円近く高い計算になるが、新車はいつ注文できるか、いつ納車になるか分からない状況の中で、中古車を選ぶ価値は十分にあるだろう。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲2TR-FE型はランドクルーザープラドでも人気のあったガソリンエンジンだ

ちなみに、同じ「VX」グレードでもガソリン車はディーゼル車に比べて装備内容が簡素、かつトランスミッションも6速となるが、日常的な使用で不満を感じることはほぼない。ディーゼルエンジンよりも静かで、フロントノーズが軽く、ハンドリングがきびきびしている利点もある。

外観でも最上級グレードとの差異は少ない。なるべくリーズナブルに、手早くランドクルーザー250を手に入れたい人に「VX」のガソリン車はオススメの1台だ。

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トヨタ ランドクルーザー250(初代)× 2.7 VX
 

4.オススメの狙い方②:限定車のファーストエディションも流通量豊富!

「ファーストエディション」はランドクルーザー250のデビューを記念して発売された、限定8000台の特別仕様車。「ZX」と「VX」グレードをベースとし、「サンド」の専用ボディーカラー、エンボス加工された本革シート、専用アルミホイールなどが装備された。

限定車であるものの、中古車市場では190台前後の「ファーストエディション」を見つけることができる。コストパフォーマンスを重視して選ぶなら、「VX」のディーゼル車が狙い目となるだろう。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲いかにもランクルらしい、たくましいルックスが特徴の「ファーストエディション」
トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲人気のカーキカラー×丸目のファーストエディション

例えば、2024年式・走行距離1万kmの「VX ファーストエディション ディーゼルターボ」の場合、支払総額は766.8万円。新車当時の価格に対して約67万円高となるが、新車の諸経費分を考慮すると決して悪くない数字だ。

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トヨタ ランドクルーザー250(初代)× ファーストエディション系
 

5.オススメの狙い方③:コンディションの良い「ZX」も充実

せっかくランドクルーザー250を手に入れるなら、すべての機能が揃った最上級グレードを、という人は少なくないだろう。前述の「アドバンストドライブ」や「SDM」「マルチテレインセレクト」といった250の特徴的な装備は「ZX」グレードにしか設定されていない。

現在の中古車市場に流通している「ZX」グレードは110台前後だ。その内訳は「ファーストエディション」とそれ以外の「ZX」グレードでおよそ半々。価格の一例を挙げると、2024年式・走行距離20kmの「ZX ディーゼルターボ」で総額808.8万円となっている。

トヨタ ランドクルーザー250(現行型) ▲「ZX」には一部、ランドクルーザー300にも搭載されていない先進的な装備が採用された

今なら走行距離が少ない物件も豊富に見つかる。中古車市場に流通している「ZX」グレードのほとんどが走行距離2万km未満。1万km未満の物件も少なくない。コンディションの良い「ZX」を手に入れたいなら、今検討するのはアリかもしれない。

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ランドクルーザー250(初代) × ZX系
文/田端邦彦 写真/トヨタ
※記事内の情報は2025年10月7日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。