スズキ スイフト▲2026年8月下旬をもって生産を終えることが発表されたダイハツ コペン

軽自動車唯一のオープンモデル、ダイハツ コペンがついに終売

ボディサイズや搭載エンジンの排気量に制限がある軽自動車でありながら、電動ハードトップを備えた人気オープン2シーターモデルのダイハツ コペン。

現在は2014年6月に登場した2代目モデルが現行型として販売中ですが、先日ついに「2026年8月下旬をもって現行型の生産が終了」というアナウンスがなされました。(※ダイハツ公式サイト参照)
 

ダイハツ コペン ▲「D-Frame」によりスポーツカーに必要な高い剛性を確保

初代の終売から約2年後の2014年6月に復活した2代目コペンは、初代と同じく電動開閉式のハードトップを備えたオープン2シーターモデルとして登場。

2代目コペンには先行して登場した「ローブ」の他、クロスオーバー風スタイルの「エクスプレイ」(2014年11月登場)、そして初代を思わせる丸目ライトの「セロ」(2015年6月登場)という3種類の異なるデザインの外装が用意されました。

そして、ローブとセロは「DRESS-FORMATION」というサービスによって、外装を入れ替えることも可能となっていたことは大きなトピックスでした。
 

ダイハツ コペン ▲「DRESS-FORMATION」で着せ替えが可能なことも驚きだった

まだ現時点では新車を注文することも可能ですが、2026年8月下旬までに生産可能な台数の受注が入った時点で前倒しで終売となるとされており、そうなると今後中古車価格も上がる可能性もあるでしょう。

そこで今回は、新車中古車ともに手に入れにくくなることが予想される2代目コペンの代わりとしてオススメできそうなモデルを5台ピックアップ!
 

 

マツダ ロードスター(4代目・ND型)

マツダ ロードスター ▲世界中でムーブメントを起こしたライトウェイトオープンスポーツのマツダ ロードスターの4代目

日本が世界に誇るオープンカーといえば、1989年に初代モデルが登場したロードスターでしょう。2015年に登場した現行型の4代目モデルは原点回帰をキーワードに、1.5Lと歴代最小の排気量のエンジンを搭載し、一部グレードでは1トンを切る軽量さを備えるモデルとなりました。

普通車でFRレイアウトとコペンとは異なる要素のロードスターではありますが、実は2023年のジャパンモビリティショーに展示された「ビジョンコペン」は1.3Lエンジンを搭載したFRレイアウトの普通車となっていたのです。

このビジョンコペンは次期コペンというワケではなく、あくまで未来のコペンの姿の候補のひとつではありますが、コペンの代わりを狙うモデルとしては親和性が高いとも言えるでしょう。
 

マツダ ロードスター ▲低く短いフロントオーバーハングと人を中心に配置したコンパクトなキャビン

そんな4代目ロードスターは700台以上の掲載があり、安いものでは修復歴なし、走行10万km以下でも総額150万円ほどから入手することが可能。

2代目コペンの新車価格と同等の200万円ほどの予算があれば、5万km以下の物件も射程圏内となります。
 

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マツダ ロードスター(4代目・ND型)
 

フォルクスワーゲン ザ・ビートル・カブリオレ(初代)

VW ザ・ビートル・カブリオレ ▲フォルクスワーゲンのアイコン的存在であるザ・ビートルに追加されたオープンモデル

どことなく憎めない愛嬌のあるスタイルもコペンの魅力のひとつですが、コペンと同じく愛嬌たっぷりのオープンモデルといえば、フォルクスワーゲンのザ・ビートル・カブリオレではないでしょうか。

往年の名車である初代ビートルを現代風にアレンジした愛らしいスタイルをもち、カブリオレではルーフを開けた際に車両後部に折り畳まれたソフトトップがちょこんと乗るスタイルとなりますが、これも初代のカブリオレをオマージュしたスタイルとなっています。

そんなザ・ビートル・カブリオレですが、クラシカルなスタイルでありながら2012年デビュー(日本での販売は2013年)ということで、当時最新のプラットフォームを採用。

搭載エンジンは1.2Lのダウンサイジングターボに、7速のDSGと呼ばれるデュアルクラッチトランスミッション(2ペダル)が組み合わされる近代的なものとなっていました。
 

VW ザ・ビートル・カブリオレ ▲静粛性と耐候性に優れる6層構造のソフトトップは、電動による完全自動開閉が可能

中古車としては執筆時点で24台の掲載とそこまで多くはありませんが、距離の延びた物件では総額100万円を切るものもあり、220万~230万円ほどの予算があれば比較的走行距離の少ないものも狙うことができます。
 

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フォルクスワーゲン ザ・ビートル・カブリオレ(初代)
 

ホンダ S660(初代)

ホンダ S660 ▲ミッドシップエンジン・リアドライブレイアウトが採用された本格スポーツカーのホンダ S660

現在、新車で購入できる軽自動車のオープンモデルはコペンのみとなっていますが、2022年まではホンダ S660も軽オープンとしてラインナップされていました。

コペンに比べてスポーツ度の高いS660は、エンジンをキャビンの後ろに搭載して後輪を駆動させるMRレイアウトとなっており、MTには軽自動車初となる6速のものを搭載しています(CVTモデルも存在)。

オープンモデルといっても乗員の上部がソフトトップとなっているだけのタルガトップタイプで、開放感はコペンに劣りますが、スポーツ性を求める人にはオススメできる1台と言えるでしょう。

 

ホンダ S660 ▲軽自動車では初となる6速MTもラインナップされている

S660の中古車は、終売直後はプレミア価格となって高値安定でしたが最近は落ち着きを見せており、安いものでは100万円台前半から見つけることができるようになっています。

そのキャラクターからMT車の方が高値となっていますが、200万円ほどの予算があれば5万km未満の物件も見つけることができるので、新車のコペン同等の予算以内で乗り出すこともできるでしょう。
 

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ホンダ S660(初代)
 

ダイハツ コペン(初代)

ダイハツ コペン ▲軽自動車初となる電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を採用したした初代コペン

どうせ中古車で狙うのであれば、あえて旧型をチョイスするというのも選択肢のひとつではないでしょうか。

2002年から2012年と10年にわたって生産が続けられた初代コペンは、現行型のセロのモチーフとなった丸型ライトのデザインが特徴的で、中には初代モデルのデザインの方が好みという人も少なくありません。

また、初代モデルと現行モデルの大きな違いとして挙げられるのが搭載エンジンで、現行型は軽自動車としては一般的な3気筒エンジンなのに対し、初代モデルは4気筒エンジンを搭載しているのです。

排気量はどちらも660ccと不変ですが、普通車に搭載されることも多い4気筒エンジンは3気筒エンジンに比べて滑らかな回転フィールや、騒音、振動の少なさなどをもち合わせており、軽自動車らしからぬ上質さを備えているのが最大の特徴となっているのでした。
 

ダイハツ コペン ▲レカロシートやMOMO製本革巻きステアリングなどを装備したモデルも存在

そんな初代コペンは、10年という長いモデルサイクルだったこともあって中古車は600台弱と豊富で、安いものでは総額50万円以下で見つけることができるものも多く存在しています。

また、走行距離5万km以内でもAT車であれば総額100万円以下で狙えるものも多く、MT車でも総額150万円ほどから同様の走行距離の物件を見つけることができるようになっています。
 

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ダイハツ コペン(初代)
 

レクサス SC(初代)

レクサス SC ▲約30秒で開閉可能な電動メタルトップを採用するレクサス SC

国産車でありながら、電動ハードトップを備えた丸みを帯びたクーペスタイルのモデルという共通点を持っていると言えるのが、レクサス初期のコンバーチブルモデルであるSCでしょう。

軽自動車のコペンに対し、V8 4.3Lエンジンを搭載するSCは対極に位置するモデルとも言えるかもしれませんが、ボタンひとつで優雅なオープンエアモータリングを味わえるという点はどちらも共通で、時を経ても古くささを感じさせないデザインもまたコペンと共通するポイントとなっています。

もともと日本ではトヨタ ソアラとして販売されていましたが、2005年8月に日本でもレクサスブランドが立ち上げられたため、細部をレクサス基準に高めたうえでレクサス SCとして販売されたという過去があるので、今から狙うのであればレクサスブランドになったモデルがオススメと言えます。
 

レクサス SC ▲高級素材のセミアニリンレザーを使用した本革シートをはじめ、本木目パネルも標準装備

新車時は700万円前後と高額だったレクサス SCですが、中古車となった現在は総額100万円以下で狙える物件も多く、コペンの新車価格に近い200万円ほどの予算があれば、最終型に近い走行少なめの物件も狙うことができます。

レクサス SCはここのところ再評価の機運も高まっていますので、丁寧に乗っていれば最終的に手放したときにそこまで大きな出費にならない可能性があるのも魅力ではないでしょうか。
 

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レクサス SC(初代)
文/小鮒康一 写真/尾形和美、ダイハツ、マツダ、フォルクスワーゲン、ホンダ、レクサス
※記事内の情報は2025年10月10日時点のものです。
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、シビックタイプRに17系クラウンなど雑多な車種を所有中。