新型クロスビーが発売されたけど、かわいいデザインが好きなら改良前モデルでもいいんじゃない? モデル概要やオススメの狙い方を解説
カテゴリー: 特選車
タグ: スズキ / クロスオーバーSUV / クロスビー / 田端邦彦
2025/11/11
▲ハスラーと共通イメージのファニーフェイスで人気のクロスビー。今回の改良で全く違うイメージとなったが、中古車市場では改良前モデルがオトクに!改良前モデルの魅力、中古車状況を改めてチェック
これって本当にマイナーチェンジ? というくらい大胆に外観が変わったスズキ クロスビー。
今年10月に行われたマイナーチェンジは外観だけでなく、エンジンも、さらに型式まで改良前と変わる大規模なものだった。
▲こちらが改良型である新型クロスビー。カラーはタフカーキパールメタリッククロスビーはハイトワゴンとSUVを組み合わせた軽クロスオーバーであるハスラーをそのまま大きくしたようなモデル。使い勝手の良さと、漫画から飛び出してきたような外観で、2017年の登場以来、大人気だ。
改良後のモデルはSUVらしい、ゴツめの外観となってコレはコレで悪くないが、改良前のかわいらしいデザインが好きだった……という人もいるのでは? そこで今回は改良前クロスビーの魅力を改めて振り返るとともに、中古車状況がどうなっているのかをチェック。オススメの狙い方も紹介しよう。
▲こちらは改良前。デザインだけでなく、使い勝手も優秀。小型車なのにゆったり乗れる▼検索条件
スズキ クロスビー(初代) × 2017年12月~2025年9月生産モデルモデル概要:独特の表情とターボエンジンの個性派
ハスラーとそっくりに見えるクロスビーだが、ジムニーとシエラの関係のようにオーバーフェンダーを付けてエンジンを大型化したバージョンではない。シャシーは小型車専用で、メカニズムについてもハスラーとは全く別モノとなっている。
クロスビーがデビューしたのは2017年12月。取り回しの良いボディサイズ(全長3760mm×全幅×1670mm×全高1705mm)と広い車内空間、SUVライクでかわいらしさもある外観が特徴だ。
5ナンバーサイズとなっているが、現在小型車枠の車種自体が少ないうえにトールワゴンとSUVのクロスオーバーというコンセプトも斬新。かなり個性的なモデルなのである。
▲インパネのデザインも高級感あるもの。写真はアクセサリー装着車改良前モデルに搭載されるエンジンはマイルドハイブリッド仕様の1L ガソリンターボとこれまた珍しいタイプ。トランスミッションはパドルシフト付き6速ATと、なかなかに贅沢だ。
駆動系についてはFF(前置きエンジン・前輪駆動)に加えてビスカスカップリング式のパッシブトルクスプリット型4WDも用意されており、ヒルディセントコントロールやグリップコントロールといった電子デバイスで悪路走破性能をアシストする。
ジムニーのような本格オフロード車ではないものの、日常域での走破性能は十分だろう。
▲車体寸法はコンパクトだが、後席を倒せば荷物も積める。2名乗車時の荷室長は1165mm改良前モデルのグレードは以下のとおり。(駆動方式はすべてFF or 4WD)
シンプル装備のグレード。予防安全技術や運転支援機能であるスズキ セーフティ サポートパッケージ装着車の設定あり(~2020年9月)。
快適装備が充実した中間グレード。スズキ セーフティ サポートパッケージを標準装備。
LEDヘッドランプなどを装備した最上級グレード。スズキ セーフティ サポートパッケージを標準装備。
これまで約5年間のモデルライフにおいて、大きな変更は以下の2回と、今回のビッグマイナーチェンジを加えた計3回行われている。
・全車速追従機能付きの「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や夜間の歩行者も検知する「デュアルカメラブレーキサポート」を採用するなど、先進安全性能・運転支援機能を充実。
・新グレード「ハイブリッド MV」を追加。「ハイブリッド MX」はスズキ セーフティ サポートパッケージ装着車の設定を廃止するとともに受注販売化された。
・フロントグリル、アルミホイールのデザイン変更。
・インパネ中央にUSB電源ソケットを追加。
2022年7月以前を前期型、2022年8月~2025年9月を中期型、2025年10月以降を後期型とするのが妥当だろう。次の章では改良前モデル(前期・中期型)と後期型を比較していく。
改良前モデルと後期型の比較:時代に即した進化だが改良前モデルも魅力
あまりに多くの箇所が変わった後期型。2025年10月の主な変更内容を確認しておこう。
ヘッドランプやグリル、バンパーなど、フロントセクションを中心にデザインを一新。 “角を丸めた四角”をモチーフにした力強いデザインに。
インパネ、エアコンパネル、ドアトリムなどを全面的に刷新。
エンジンをマイルドハイブリッド仕様の1.2L ガソリンに、トランスミッションもCVTに変更。
スズキ セーフティ サポートの機能を全車標準装備化。「単眼カメラ&ミリ波レーダー方式の「デュアルセンサーブレーキサポートII」となり、「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」、標識認識機能、ブラインドスポットモニター、車線逸脱抑制機能、リアクロストラフィックアラートなどの機能が追加された。
一部グレードのパーキングブレーキを電動化。停車時にブレーキペダルを離しても停車状態を維持するブレーキホールドも装備。一部グレードにアダプティブハイビームシステムを装備。
「ハイブリッド MV」を廃止するとともに「ハイブリッド MX」が受注生産から標準グレードに戻された。
と、全く別のモデルに生まれ変わった……と言ってもいいほどの変更内容。その中でも改良前モデル(前期・中期型)と後期型で特に違いが大きいのは、外観デザインとパワートレインだろう。
改良前モデルの外観はハスラーと通じる柔和な表情だったのに対して、後期型ではかわいらしさを残しつつも、たくましい印象のデザインに。このあたりは好みが分かれそうだ。
▲後期型の外観。カラーはミスティックブルーメタリック ホワイト2トーンルーフ
▲改良前モデル(中期型)のインパネ
▲後期型のインパネエンジンは排気量を拡大するとともに、従来のターボから自然吸気に変更された。また、トランスミッションについても6速ATからCVTに変更。改良前モデルは瞬間的なパワーが長所、後期型はトルクの太さと自然なパワーフィールが持ち味、というところだろう。
正直、どちらが優れているとは一概に言えない。後期型の性能が全面的に進化しているのは確かだが、改良前モデルのかわいらしいデザインや瞬発力のある加速感にも独特の魅力があるからだ。
中古車概況:平均総額は順調に下降、供給量も安定的
ここからはクロスビーの中古車概況をチェックしていこう。
1年間の平均総額は直近やや上昇基調にあるものの基本的には下落トレンドで、中古車平均総額は178万円だ。
▲2024年10月~2025年9月までの中古車平均総額推移年式別分布ではデビュー直後の2018年式が最も多い。2021~2023年式にかけて若干ボリュームダウンするが、新しめの2024~2025年式も豊富。
グレード別分布では最上級の「ハイブリッド MZ」が全体の8割以上……という状況を考えると、この平均総額推移は決して悪くない状況だ。
▲2024年10月~2025年9月までのカーセンサー掲載台数推移延べ掲載台数についてもデビュー以降、順調に増加。爆増というわけではないが、1400台超えと比較検討しやすい状況になっている。今回の後期型への乗り替えが進めば、今後台数はさらに増加、それに伴って平均総額が下がってくる可能性も考えられる。
また、カーセンサーnet掲載物件を見てみると、100万円以下で狙える物件も多数流通している。果たして2ケタ万円代とお安めの物件は買っても問題ないのか? 次の章でオススメの狙い方を解説していこう。
オススメの狙い方①:総額100万円以下で狙うなら初期型の「ハイブリッド MX系」が狙い目
デビューから8年弱たったクロスビー。年式や走行距離によっては、総額100万円以下で狙える物件も結構ある。平均的な価格よりもかなり安いことになるが、そうした物件を選んでも大丈夫だろうか?
結論から言うと、グレードとコンディションによってはアリ! だ。まず、この価格帯で狙える物件のグレードとなると、2019年12月マイナーチェンジ以前の「ハイブリッド MX」が多数。より上級のグレード、高年式を狙うとなると、どうしても走行距離が10万kmオーバーになってしまう。
もちろん、走行距離が進んでいても問題なく乗れる物件はあるが、後々のことを考えると少なめの方が安心なのは確か。もともとの新車価格が安かった「ハイブリッド MX」であれば、その価格帯でもコンディションの良い物件が無理なく狙える。
▲上級グレードにあるパーソナルテーブルなどの装備は省かれているが、シートの作りなどは「ハイブリッド MX」でも決して悪くないそれでも走行距離は相応に進んでいることになるだろう。そこで確認したいのは、それまでのメンテナンスがキチンと行われてきたか否か。特にオイルに関しては、ターボ車なので自然吸気よりもややシビアだ。定期的にオイル交換されていたか、エンジンルーム内にオイルの漏れがないかなどを確認しよう。
また、走行距離が10万kmに近い物件ならウオーターポンプやドライブシャフトブーツの交換履歴もチェックしておきたいところ。これらを交換するとなると、かえって費用が高くなってしまうこともある。
ちなみに、2019年12月マイナーチェンジ以前の「ハイブリッド MX」にはスズキ セーフティ サポートパッケージ装着車と非装着車がある。安全性を重視するなら前者を探そう。
価格の一例を挙げると、2018年式・走行距離7.7万kmの「ハイブリッド MX スズキ セーフティ サポートパッケージ装着車」で総額88.9万円となっている。
▼検索条件
スズキ クロスビー(初代) × 総額100万円以下 × ハイブリッド MX系オススメの狙い方②:高年式の中期型を狙うならコンディション良好の「ハイブリッド MV」
改良型になる直前の中期型(2022年8月~2025年9月)を手に入れたい! できれば新車に近いコンディションで……という人もいるだろう。
中古車市場には高年式のクロスビーも充実している。年式別分布で最も多いのは2018~2019年だが、次点が2024~2025年だ。登録したのみで走行距離がほとんど進んでいない登録済未使用車も決して少なくない。
▲中期型ではフロントグリルが横基調のデザインに変更されている。写真は「ハイブリッド MZ」狙い目となるグレードは「ハイブリッド MV」。全車スズキ セーフティ サポートパッケージ標準装備で、パーソナルテーブルなどの快適装備も充実しているグレードだ。
例えば2025年式・走行距離8kmの「ハイブリッド MV」登録済未使用車なら総額199.8万円。当時の新車価格よりも約10万円+諸経費分安く手に入る計算になる。
▼検索条件
スズキ クロスビー(初代) × 2022年8月~2025年9月生産モデルオススメの狙い方③:最上級グレード「ハイブリッド MZ系」は流通量豊富で狙いやすい
「ハイブリッド MZ」は最上級グレードであると同時に、中古車市場での流通量が最も充実しているグレードでもある。カーセンサーnetに掲載されている物件数は現時点で約800台と選択肢は豊富だ。
デビューから改良直前まで、予算に応じて幅広い年式の中から選べるのも魅力だろう。例えば、2018年式・走行距離2.8万kmの物件なら総額134.9万円。走行距離少なめにもかかわらず、当時の新車価格より約65万円+諸経費分安い価格で手に入る。
▲ビビッドなボディカラーのイメージだが、このように落ち着いた色も。写真は前期型の「ハイブリッド MZ」フロントグリルなどのデザインが変わった中期型から選ぶのもアリ。価格の一例を挙げると2023年式・走行距離971kmの物件で総額185.5万円。当時の新車価格より約33.5万円+諸経費分安く、こちらもリーズナブルだ。
▼検索条件
スズキ クロスビー(初代) × ハイブリッド MZ系
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
【関連記事】
この記事で紹介している物件
トヨタ
アルファード ハイブリッド 2.5 Z ガラスルーフ 両側電動スライド 純正14型ナビ フリップダウン 全周囲カメラ AC100V電源 プリクラッシュセーフテ レーダークルーズ 禁煙車 パワーバックドア ハーフレザーシート
本体価格710.4万円
支払総額729.9万円
あわせて読みたい
【復活】ランドクルーザーFJが発表されたけど、元祖であるFJクルーザーの中古車相場は? トヨタの個性派SUVのモデル概要、オススメの狙い方も解説
ランドクルーザーFJの発売が待ちきれないあなたに贈る「代わりにコレ、どうですか?」5選
【頭文字D 特集発売中】本気で買いたい人に贈る 中古で手に入る作中車5選
【爆増】ランクル250の流通台数が900台超え! トヨタのランドクルーザーシリーズの最新型中古車状況、オススメの狙い方を解説
新型T-Rocが海外で発表されたけど初代なら100万円台で買える? 日本にぴったりのコンパクトSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説!
三菱の新型SUVがパジェロじゃなくてデスティネーターで落胆……それなら4代目パジェロをお得に狙うのはどう?
三菱 トライトンで検討! ピックアップトラックは都市部暮らしにはマッチしないのか? 皆の視線をかっさらう荷台のあるおしゃれな車4選
新型発表のマツダ CX-5。2代目なら100万円台前半も? ディーゼル車も選べる人気SUV、中古車状況やオススメの狙い方を解説
新型デリカミニが発表されたけど初代の中古車価格は? 三菱の遊べる軽SUV、オススメの狙い方を解説
えっ、あのフリードが新車に近いのに250万円以下で狙えるの? 大人気ミニバンの中古車状況やオススメの狙い方を解説!









