CX-5 ▲新型CX-5が初公開されましたが、今のところ発売日は未定で、実際に納車されるまでにはちょっとばかり時間がかかりそうな気配。ならば、それまで新型CX-5の「素敵な代役」を務められそうなモデルを探してみようじゃありませんか!

かなり魅力的な新型CX-5だが、納車はいつになるやら

2代目マツダ CX-5。それは、しなやかだが剛性感たっぷりでスポーティな乗り味と、SUVならではの利便性、そしてシンプルでありながら美しい造形も備えた傑作ミドルSUVだといえる。

また度重なる一部改良により、その総合的な品質は年を追うごとに向上していったという点も、CX-5の大きな魅力だ。

そんなマツダ CX-5の新型モデルが2025年10月30日、ついに日本でも公開された。
 

CX-5▲こちらが日本でも公開された新型マツダ CX-5(写真は欧州仕様)
 

新型CX-5は、より美しい造形となった内外装や新世代の電子プラットフォーム、さらに広くなった居住空間と荷室などにより「これは絶対に欲しいかも!」という仕上がりになっているわけだが、残念ながら日本での正確な発売時期は未定であり、納車までにはまだかなりの時間がかかりそうな状況だ。

そこで新型マツダ CX-5が本気で欲しい人に向け、「納車までの代わりとなり得るモデル」を5車種を鋭意ピックアップしたうえでご紹介したい。
 

 

新型CX-5の代わり①|マツダ CX-60(初代)
→想定予算:総額270万~340万円

新型CX-5が正式発売され、それを注文して納車されるまでの代わりとしては、新型CX-5とおおむね同等のサイズ感となる同門のSUV「マツダ CX-60」が適任であるように思われる。
 

CX-5▲こちらが2022年9月に登場したマツダ CX-60
 

ご承知のとおりCX-60は、マツダの次世代を担う上級車種群「ラージ商品群」の第1弾として2022年9月に発売されたSUV。

ボディサイズは、来年以降に発売される新型CX-5よりも少しだけ大きな全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mmで、パワーユニットは現時点で新型CX-5には搭載されないことが決定しているディーゼルターボエンジンと、ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドもラインナップ。

インフォテインメント関係の機能はさすがに新型CX-5の方が充実しているが、インテリアデザインのクオリティや世界観などに関しては、新型CX-5とおおむね同様にハイレベル。

そして乗り味はいささか硬すぎるという側面がなきにしもあらずだが、その分だけ、ワインディングロードなどでは下手なスポーツカー顔負けの痛快な走りを堪能できる

新型CX-5が納車されるまでの「代わり」としては、そのスポーティな乗り味やボディの大柄さも含め、「これはこれで悪くない!」というニュアンスで、CX-60ならではの個性を堪能できるだろう。ついでにいえば、CX-60のディーゼルターボ車は燃費性能もかなり良好だ。
 

CX-5▲「シンプルで美しい造形」という意味では新型CX-5とおおむね近いといえるCX-60のインテリア
 

CX-60を狙う際のグレードは、基本的には好みに応じてどれを選んでもよいと思うが、せっかくなので、新型CX-5では味わうことができないディーゼルターボエンジン搭載グレードを選びたいところ。

その場合は走行1万km台までの「3.3 XD Lパッケージ ディーゼル」を、総額300万円台前半にて余裕で見つけることができるだろう。
 

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マツダ CX-60(初代)
 

新型CX-5の代わり②|スバル フォレスター(5代目)
→想定予算:総額330万~380万円

新型マツダ CX-5の発売と納車を心待ちにしている人の多くは、他社のSUVではなく「マツダのSUV」を欲しているのかもしれない。

だが、もしもマツダブランドであることに特にこだわりはなく、「とにかく走りのいい中型SUVが欲しい」と考えているのであれば、5代目スバル フォレスター後期型の「スポーツ」というグレードも、新型CX-5が納車されるまでの代わりとしては相当いい仕事をするだろう。
 

CX-5▲1.8L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載する先代フォレスター スポーツの後期型

ご承知のとおりスバル フォレスターは、マツダ CX-5とおおむね同格となる中型サイズのSUV。現在は2025年4月に登場した6代目が新車として販売されているが、そちらは中古車の流通量がまだ少なく、あったとしても「代わり」としてとりあえず買うレベルの金額ではない。

だが5代目の、大幅改良が行われた後期型(2021年8月~)のスポーツであれば総額300万円台前半から見つけることができ、なおかつこの世代のスポーツは、とにかく走りが超絶気持ちいいSUVなのだ。

2021年8月の大幅改良では、エクステリアデザインを変更するとともに、全グレードで足回りを改良。これにより、しなやかさとスポーティさが前期型以上に高い次元で両立したわけだが、その中でも特に「1.8 スポーツ 4WD」という1.8Lガソリンターボエンジンを搭載するグレードの走りは出色。

先ほど書いた「しなやかさとスポーティさ」の権化というか化身というか、そういったニュアンスの走りを堪能できるのである。
 

CX-5▲スポーツのインテリアはこのような世界観。上級グレードゆえ、装備は充実している
 

そしてもちろん5代目フォレスター スポーツは積載性や様々な利便性もハイレベルで、スバル車ならではの高度なAWD性能を味わうこともできる。これであれば、新型CX-5が納車されるまでのつなぎ役としては最高レベルの仕事をしてくれるはずだ。

そんな5代目スバル フォレスター後期型1.8 スポーツ 4WDの中古車価格は「総額330万円から」といったニュアンス。絶対的な金額は決して安くはないが、そのSUVとしてのクオリティを考えれば、相対的には決して高くない。
 

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フォレスター(5代目) × 2021年8月~2025年3月生産モデル × 1.8 スポーツ 4WD
 

新型CX-5の代わり③|ホンダ ZR-V(初代)
→想定予算:総額290万~350万円

もしもマツダ車であることにはこだわらず、いわゆる走りにこだわりたいのであれば、ホンダ ZR-Vのハイブリッド車も、新型CX-5が納車されるまでの代わりとしては最高レベルの仕事をしてくれるだろう。
 

CX-5▲こちらがホンダ ZR-V。写真のグレードはe:HEV Z
 

ホンダ ZR-Vは、2023年4月に発売されたミドルサイズのSUV。ミドルサイズといっても新型CX-5と比べるとやや小さめなのだが(※2代目CX-5とおおむね同寸)、さほどの大きな差ではないため、大勢に影響はないはず。

ZR-Vに用意されているパワーユニットは最高出力178psの1.5Lガソリンターボと、同141psの2Lエンジンに同184psの走行用モーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」の2種類。そしてこのe:HEVを搭載する方のZR-Vの走りが、きわめて痛快なのだ。

登場時、ZR-Vは「神経直結」というキャッチコピーでその走行フィールを表現していたが、実際の走りもまさにそのとおり。メーカーのうたい文句と寸分違わぬ、まるで車とドライバーの神経が直結しているかのようにダイレクトな、だがそれでいてしなやかな走りを、堪能できてしまうのである。
 

CX-5▲各所に厚手のソフトパッドがあしらわれた、やや独特な世界観となるZR-Vの運転席まわり
 

後席のシートがやや平板なのがファミリーカーとしては若干の欠点なのだが、そこをさほど問題視しないのであれば、走行2万km台までの物件でも余裕で300万円台前半から狙える。

そんなホンダ ZR-Vのe:HEVモデルは、新型CX-5納車までのつなぎ役にとどめるのがもったいないほどのSUVだといえる。
 

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ホンダ ZR-V(初代) × e:HEV系
 

新型CX-5の代わり④|BMW X3(3代目)
→想定予算:総額270万~350万円

ここまでは国産SUVのみを対象に「新型CX-5の代わり」を検討してきた。しかし、よく考えてみればマツダ CX-5という車は、特に今後発売されることになる新型CX-5は「国産車の一般的なレベルをはるかに超えた、シンプルながらハイセンスな内外装デザイン」も魅力となる車だ。

であるならば、その代わりは国産SUVではなく「輸入SUV」から探すべきなのかもしれない。そしてその際の有力候補は、おそらくは「3代目BMW X3」ということになるだろう。
 

CX-5▲2017年から2024年まで販売されたBMW X3(3代目)。写真は2021年9月までの前期型
 

3代目BMW X3は、2017年10月に上陸した全長4720mm×全幅1890mm×全高1675mmの、つまり新型マツダ CX-5とおおむね同寸の、ミドルサイズSUV。

日本仕様のパワーユニットは、最高出力190ps/最大トルク400N・mの2L直4ディーゼルターボと、同184ps/同290N・mの2L直4ガソリンターボが基本となるが、流通している中古車の9割以上がディーゼルターボエンジン搭載車となっている。

BMWがSUVではなくSAV(スポーツ・アクティビティー・ビークル)と呼ぶモデルだけあって、走りはきわめてスポーティであり、内外装のデザインや質感はさすがのBMWクオリティ。そして運転支援システムも当時最新だった「ドライビング・アシスト・プラス」を搭載ということで、新型CX-5納車までのつなぎ役としては申し分のない実力を、その全身に宿している。
 

CX-5▲先代X3前期型のインテリア。さすがはBMWといったところか、なかなかしゃれていて、質感も高い
 

惜しむらくは、本当は大幅改良が行われ、ビジュアルも運転支援システムも進化した後期型(2021年10月~)を狙いたいところではあるのだが、そちらの中古車価格はまだ総額400万円を軽く超える場合がほとんどであるため、新型CX-5が手元にくるまでのつなぎ役として購入するにはいささか贅沢すぎるかもしれない。

しかし、2021年9月までの前期型は、走行4万km台までのディーゼルターボモデルを総額300万円台前半の予算で普通に入手可能。これであれば、さしあたって新型CX-5が手元にやってくるまでの間、なかなか素晴らしい「プレミアム輸入SUVがある生活」を楽しむことができるだろう。
 

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BMW X3(3代目) × 2017年10月~2021年9月生産モデル × ディーゼルターボ系
 

新型CX-5の代わり⑤|マツダ MAZDA6セダン(初代)
→想定予算:総額180万~310万円

新型マツダ CX-5というSUVが納車されるまでの代わり、あるいはつなぎ役を務める車は、当然ながら何らかのSUVがベストではあるだろう。

しかし、世の中には「人はSUVを買わなければならない」などという法律はないわけで、当然だが、SUV以外を購入したって構わないわけだ。

そう考えたときに順当なチョイスは、CX-5と同じマツダのMAZDA6ワゴンか、あるいはスバル レヴォーグあたりのステーションワゴンになるはずだが……いっそのこと、新型CX-5が手元にやってくるまでのつなぎ役として「セダン」を選んでみるのも悪くないのかもしれない。

なぜならば、言ってはなんだが人気薄なジャンルであるセダンには、このようなタイミングでもなければなかなか自費で購入する機会はなく、そもそもこのまま乗らないでいると、いつの間にかセダンというジャンル自体がこの世から消滅している可能性すらあるからだ。

そう考えたときに選んでみたいセダン、体験してみたいセダンは、これしかあるまい。つい最近までマツダのフラッグシップモデルだった「MAZDA6セダン」である。
 

CX-5▲こちらがMAZDA 6セダン!
 

それまでの「マツダ アテンザ」から、2019年8月に「MAZDA 6」へと改名されたこちらのモデルは、全長4865mm×全幅1840mm×全高1450mmという堂々たるサイズの、美しくもフォーマルな香り漂う4ドアセダン。

パワーユニットは最高出力190ps/最大トルク450N・mの2.2L直4ディーゼルターボエンジンの他、少々地味な2Lおよび2.5直4ガソリン自然吸気エンジン、そして最高出力230ps/最大トルク420N・mをマークする2.5L直4ガソリンターボエンジンの計4種類をラインナップ。

これらのうち2.2Lディゼルターボまたは2.5Lガソリンターボを選ぶようにすれば、フラッグシップセダンとしてのたたずまいと上質感に加え、いかにもプレミアムセダン然としたパワフルな走りを堪能することもできる。
 

CX-5▲インテリアはおおむねこのような感じ。写真のグレードは「スポーツアピアランス」

その中古車価格は、ディーゼルターボ搭載グレードの場合で総額220万~310万円。2.5Lガソリンターボ搭載グレードはかなり希少だが、それでも総額290万~310万円付近にて、いちおう何台かが流通している。

この機会に「端正な4ドアセダン」というものを味わってみるのも、決して悪い話ではないはずだ。
 

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マツダ MAZDA6セダン(初代) × 2.2Lディーゼルターボ系

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マツダ MAZDA6セダン(初代) × 2.5Lガソリンターボ系
文/伊達軍曹 写真/マツダ、スバル、ホンダ、BMW
※記事内の情報は2025年11月6日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。