BRZ▲11月6日に待望の第1巻が発売された、しげの秀一先生の最新作『昴と彗星』! 皆さんもう読みましたか? ©しげの秀一/講談社

『昴と彗星』第一巻発売記念! 作中車は中古車でも購入できる!

日本のみならず、世界中の車好きを魅了してやまない、しげの秀一氏の名作『頭文字D』。

2025年は原作漫画の連載開始からちょうど30年という節目の年にあたる。これを記念してカーセンサー12月号では、作中に登場した名車たちの“いま”を紹介する特集「頭文字D購入催促伝説」を展開した。
 

頭文字D▲この表紙が目印!

そして、11月6日には、『頭文字D』とその後継作『MFゴースト』をつなぐ最新シリーズ『昴と彗星(すばるとすばる)』のコミックス第1巻が発売された。

『昴と彗星』は、藤原拓海の教え子であるカナタ・リヴィントン(片桐夏向)が公道レース「MFG」を席巻した翌年から物語が始まる『MFゴースト』の続編。

舞台は再び『頭文字D』の聖地、群馬県・榛名山だ。

第1話から、年を重ねて渋み(哀愁?)を増した池谷先輩やケンジ、イツキら「秋名スピードスターズ」の面々がガソリンスタンドでうわさ話を語り合うお馴染みの姿や、峠の駐車場でうまそうに煙草をくゆらせる文太の姿など、往年のファンにはたまらない光景が描かれている。

主人公は、作品タイトルの由来でもある佐藤昴工藤彗星という、MFG出場を目指す二人の若き「すばる」たち。物語の幕はまだ上がったばかりだが、きっと本作も世界のクルマ好きをアツくさせる公道バトルがくり広げられることだろう。

ここでは、そんな『昴と彗星』に登場する車を買うためのポイントを作中での登場シーンをまじえつつ説明しよう。
 

 

買える作中車①|主人公たちの愛車 スバル BRZ(2代目)&トヨタ GR86(初代)
ドライバー:佐藤昴・工藤彗星

BRZ▲トヨタとスバルの共同開発によってつくられた「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」、スバル BRZ(右)、トヨタ GR86(左)

『昴と彗星』は、エンジン排気量が2.4Lに拡大された2代目BRZを駆る佐藤昴と、その兄弟車であるGR86を操る工藤彗星のダブル主人公の物語である。

どちらもジュニア時代からカートレースでテクニックを磨いており、とくに昴はまだあどけなさの残る女性ながら、峠の下りを鮮やかなドリフトで駆け抜けるなど、市販車でもすでに高度なドライビング技術を見せている。

トヨタとスバルの販売力の違いもあってか(?)、中古車市場での流通量はBRZが約300台に対し、GR86は600台弱と倍近い。台数が多い分、選択肢も豊富だ。

ただし、現時点では物語は昴を中心に展開しており、どちらかといえば「WRブルーパール」のBRZが作品を象徴するモデルといえるかもしれない。
 

BRZ▲こちらが作中で実際に昴が乗っているBRZ。青いカラーが目印だ

昴と同じ「STIスポーツ」グレードのMT車ともなると価格はやや高めだが、廉価グレードの「S」や中間グレードの「R」であれば、260万~270万円台でも状態の良い個体が多く見つかる。

全体的にGR86よりBRZの方がわずかに中古車の相場は安いので狙い目だ。

一方、彗星と同じ赤系ボディカラーのGR86でMTとなると、意外にも流通量が少なく、わずか60台弱にとどまっている。今後は彗星も活躍すると思われるので、欲しい人は作品の影響で相場が上がる前に手を付けておくのが良いかも。
 

86▲彗星の相棒は赤いGR86。今手に入れておくのが吉かも!?

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スバル BRZ(2代目)

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トヨタ GR86(初代)
 

買える作中車②|あのイケオジに近づける!? シブい四駆、スバルWRX STI(初代)
ドライバー:藤原文太

STI▲文太らしいチョイスだとひそかに喜んだファンもいるはずだ

『頭文字D』の主人公・藤原拓海の父、藤原文太。

『MFゴースト』では登場の機会がなかった彼だが『昴と彗星』では第1話から登場。昼間から峠の駐車場でタバコをくゆらせる、相変わらずの昼あんどんぶりだが、その傍らに止められている愛車は、かつてのインプレッサWRXからWRX STIへと進化している。

昴に対して「特にスバル好きというわけではなく、雪国で暮らすなら四駆が便利で、四駆を作らせたらスバルが世界一だから乗っている」(意訳)とクールに言い放つものの、選んだのは名機「EJ20」を搭載し、6速MTが設定されていた先代モデルと、文太らしいこだわりが垣間見える。

中古車市場では、4ドアで実用的ということもあってか、これだけの高性能モデルながら150台以上流通している。6MT仕様に絞っても100台超が流通しており、状態や走行距離によって様々な価格帯の売りものがある。
 

STI

CVTを搭載するS4と比べるとSTIの相場はやや高めだが、200万円台前半から購入可能な個体も少なくない。

モデルの性格上、社外パーツが装着されている個体も多く、特に車高調やマフラーなど走りに影響するパーツが交換されている場合は、内容をよく見極めたいところだ。もちろん、フルノーマルの個体を選ぶのが最も無難だが、その分相場はやや高めとなる。
 

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スバル WRX(初代)×STI
 

買える作中車③|あの先輩が!? 驚きと哀愁の日産 フェアレディZ(RZ34型)
ドライバー:池谷浩一郎

フェアレディZ▲『頭文字D』当時から愛車が変わりつつも、セレクトにはらしさが垣間見えて“エモい”気持ちに……

『頭文字D』では、テクニックは未熟ながらも面倒見の良い先輩として存在感を放っていた池谷浩一郎。少し不器用で人間味あふれるキャラクターに共感した読者も多いだろう。

本作ではガソリンスタンドの所長へと昇格し、少し薄くなった頭髪と強い上州弁なまりを引っ提げて再登場。以前はシルビア乗りだったが、引き続き日産党のようで、フルローンで購入したという最新型フェアレディZ(RZ34型)が愛車という、なんとも池谷先輩らしいエピソードにくすりとしたファンもいたのではないだろうか。

かつては安価なスポーツカーとしてアメリカで大ヒットしたZもいまや500万円超え。池谷も、後輩から部下になったイツキに「やっぱ独身でないとフルローン組んで こんな車乗れないっす!」と、羨望とも、結婚できないことへのやゆともとれる発言をされている。

フェアレディZ(RZ34型)は発売して間もなく新車の受注が停止されていたため、中古車価格が新車価格を超えるなど相場が高止まりしていたが、今年になって受注が再開されると価格が徐々に下落。

現在は流通が300台を超え、標準グレードであれば登録済未使用車または走行距離1万㎞以下の個体であっても新車価格より50万円以上安い価格で選べる。 魅力的なのはやはり今となっては希少な3ぺダルの6MTモデルだろうか。こちらも130台以上の流通がある。

また、NISMO専用チューニングが施された高性能グレード「NISMO」(新車価格900万円超)も70台以上が流通しており、走行距離の少ない個体でも新車価格から200万円近く値落ちしているケースも。通常モデルよりもお買い得度は高く、狙い目の一台といえそうだ。

フェアレディZ▲こちらがNISMO仕様のフェアレディZ。作中には登場していないが、興味がある人はこちらもチェックだ!

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日産 フェアレディZ(8代目)
文/佐藤旅宇 写真/スバル、トヨタ、日産
佐藤旅宇

インタビュアー

佐藤旅宇

オートバイ専門誌や自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はボルボ C30と日産ラルゴ・ハイウェイスターの他、バイク2台とたくさんの自転車。この2年で5台の車を購入する中古車マニア。