【試乗】新型 フォルクスワーゲン シャランTDI|熟成したプラットフォームに相性ぴったりなディーゼルエンジン
2019/10/27
▲シャランという7人乗りのMPVモデルをご存じだろうか?フォルクスワーゲンがヨーロッパのMPV市場に導入したトゥーランよりも一回りサイズの大きい7人乗りミニバンである。そのシャランにディーゼルターボモデルが追加されたTSIシリーズにあえて欲を言えば、足りなかったのは中間加速力と乗り心地
シャランが大きく変わったのが、2010年に登場した現行型の2代目から。
FFになったパサートのプラットフォームを使って誕生した現行型は、初代に比べると全体的に重心が低く安定感を増したデザインになった。全幅が広がり、全長も長くなったためである。
現行型は登場から2年ほど経過したあたりに、1.4Lガソリンターボエンジンを搭載するTSIで200㎞ほどの試乗をしたが、1.4Lとは思えないパフォーマンスだった印象が残っている。
しかし、いくら過給機付きとはいえ、2トン近いボディを引っ張るには中間加速などでしんどさも感じていた。
また、運転席の乗り心地は硬めで悪くはなかったのだが、後席の乗り心地はハードで硬めのシートが日本人のライト級にはいささか落ち着かない雰囲気でもあった。
▲1995年に登場した初代は、マイナーチェンジを経て2010年まで作られた息の長いモデルだったついにディーゼルターボモデル「TDI」シリーズが登場
このたび、そのシャランにディーゼルエンジン搭載モデルのTDIが導入された。
搭載される2Lディーゼルターボの最高出力は177ps、最大トルクは38.8㎏‐mと1.4Lガソリンターボを上回るハイパワーエンジンだ。
これは同時期に登場したゴルフTDIの2Lディーゼルターボよりも27ps、トルクも3㎏‐mほど高出力化されている。
トルクフルなディーゼルエンジンは、車重のあるミニバンには待望のパワーユニットと言えるだろう。
さてTDIのシャランだが、スライドドアの雰囲気は古くも新しくもなく、ある意味フォルクスワーゲンの堅実なフィロソフィーとも感じる。
インテリアはすこぶるプレーンで、質実剛健が好みの人には懐かしさや安心を感じるはずだ。
エンジンを始動してみたところ、アイドリング状態では想像以上に静粛性が高い。
特に何も意識せず、アクセルを踏み込み走り始めると、6速DSGトランスミッションがすこぶるスムーズにシフトアップしていく。6速までシフトアップした状態からの中間加速でも、トルクが大きいためシフトダウンをせず6速のまま気持ち良い加速をしてくれる。
ちなみに、当日は大人の男性3人乗車という状態での試乗であったが全く非力さを感じない。
もっと言えば、加速はゴルフTDIよりもラグジュアリーかつ速い印象で、思わず「これゴルフよりもいいねぇ」と興奮して口走ってしまったくらいだ。それだけしっかりと作り込まれているのだ。
ディーゼルターボユニットの採用で、1.4LガソリンターボのTSIがやや苦手としていたウイークポイントを見事に補ったと言えるのではないだろうか。

プラットフォームの熟成によってネガティブを消し去った印象
乗り心地だが、以前と比べ路面からの突き上げの感じがマイルドになっている。ハンドリングも終始安定していて雨の日でも安心感があるセッティングだ。何よりも高速の乗り心地がいい。
後席も乗り心地もソフトで、乗員人数が増せばより乗り心地がよくなるセッティングとなっている。多人数で長距離移動するようなシーンでも、ドライバーはもちろん同乗者も快適に過ごせるミニバンではないだろうか。
久しぶりにシャランの運転をしたのだが、前から乗り続けていたような安心感、または慣れを感じる不思議なフレンドリー感のある車だ。このように、わずかな時間で自分の車のように操作できる感じがさすがだとうなってしまう。まさにフォルクスワーゲンマジックである。
地味だけど、本物のドイツの大衆的な良い質感を味わえるミニバンである。飾り付けたようなデコラティブさがないから飽きない、そんな雰囲気を感じるモデルだ。
▲プラットフォームやつくりはひと世代前を感じずにはいられないが、逆に熟成をもって角が取れたというネガティブを消し去る進化をしている【試乗車 諸元・スペック表】
●TDI ハイライン ディーゼルターボ
| 型式 | 3DA-7NDLU | 最小回転半径 | 5.8m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.86m×1.91m×1.77m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.92m |
| ミッション | 6AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.61m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1900kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、ブラックオークブラウンメタリック、アトランティックブルーメタリック、ホワイトシルバーメタリック、ラヴェンナブルーメタリック |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-7NDLU |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 6AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、ブラックオークブラウンメタリック、アトランティックブルーメタリック、ホワイトシルバーメタリック、ラヴェンナブルーメタリック |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.8m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.86m×1.91m×1.77m |
| ホイール ベース |
2.92m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.61m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1900kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DLU | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 73リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
14km/L
└市街地:11.3km/L └郊外:13.9km/L └高速:15.7km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 177ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
380(38.8)/3250 |
| エンジン型式 | DLU |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 177ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
380(38.8)/3250 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 73リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 14km/L
└市街地:11.3km/L └郊外: 13.9km/L └高速: 15.7km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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