【試乗】新型 ボルボ XC60|軽快感はそのままにさらに静かに進化。ベストセラーミッドサイズSUVがマイナーチェンジ
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
2025/08/11

さらに成熟したブランドの主力モデル
XC60が名車240を超えて歴代ボルボで最も生産台数の多いモデルになったという。
240シリーズといえば、1974年にデビューし1993年まで生産されたベストセラーカー。角ばったスタイルが特徴で、中でもステーションワゴンは日本でも一世を風靡、今なおファッションアイテムとして人気のモデルである。当時から安全性の高さには定評があり、日本では医療関係者の間でも高い評価を得ていた。
そんな240シリーズを抜いたミッドサイズSUVのXC60。累計生産台数は270万台以上というが、実はこれ、2008年デビューの初代と現行型を合わせた数字。とはいえ、2017年デビューの現行型もすでに世界で150万台以上を販売している。
2代目となったXC60の評価は、そんな数字が如実に物語るとおり、世界中で非常に高く評価されている。ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(2018年)や日本カー・オブ・ザ・イヤー(2017年)の授賞などは高い評価の表れだった。日本市場では2024年までに累計2万3000台以上を販売、日本におけるボルボの主力モデル(約3分の1がXC60)である。

デビューから8年。このたびXC60が大幅に刷新された。人気のスタイルと使い勝手の良さ(つまりは日本で乗るにはちょうど良い感じ)をそのままに、最新世代のユーザーエクスペリエンスを搭載、内外装デザインもリフレッシュすることでロングセラーによる鮮度低下を大いに補っている。
今どきのボルボといえば安全性と環境性、そしてデザイン力の強さがウリだ。今回の刷新はそのすべての領域に手を入れた。単純なモデル延命措置ではなく、良い物をさらに成熟させたという印象の方が優っている。


サスペンションは粘り強く、思いどおりに動かせる
そのことは試乗でも実感できた。
乗り込めば室内の雰囲気は最新ボルボのそれに相違ない。モニターは大きくなったのみならず、圧倒的に見やすくなっている。グラフィックは最新モードで、そのうえ反応速度もはっきりと速い。PCを新しくしたときの感動に似ている。
このあたり、今もXC60を気に入って乗っているという人が触ると途端に悔しくなってしまうはず。見た目の変更点が少なかったから安堵していた既存客も多いとは思うけれど、実際には乗り替え需要を促すだけの進化もちゃんとあったというわけだ。

2L 直4ターボは燃費向上を狙ってミラーサイクル化されている。これで燃費は5%ほど上がったらしい。とはいえ、ミラーサイクルエンジンというと、立ち上がりの加速がもたついたり、加速が物足らなかったりしがちだ。まずはそのあたりを検証してみたけれど、動力性能そのものに大きな不満はなかった。
従来からの軽快感もそのままだ。むしろ遮音材が追加されたこともあって、静粛性が高まった結果、街乗りから静かで快適な乗り味を楽しむことができた。
山道に差しかかっても走りに不満を感じることはなかった。スポーツカーではないと思いつつ、少しヤル気になって走らせてもみたけれど、サスペンションの粘り強さは相変わらず。決して速くはないが、十分思いどおりに動かせた。ファミリーユースのSUVとしてはまったく過不足のないパフォーマンスだと思う。
それにしてもこのサイズ感がいい。インテリアの雰囲気もさらに上質になった気がする(静かに走ってくれたおかげかもしれないが)。なるほどベストセラーになる理由がわかる。ボルボのSUVには何げない日常を明るく快適に演出する力があると思った。
ボルボに乗っている家族を見かけると、幸せそうに見える理由はきっと、そういうことなのだろう。






自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
ボルボ XC60(2代目)の中古車市場は?

2017年に2代目へとフルモデルチェンジ。上級モデルのXC90と同じプラットフォームを採用、初代より全長と全幅を拡大しつつ全高を低めたロー&ワイドなスタイルに進化した。安全・運転支援装備の充実やパワートレインの効率化も図られている。
2025年7月下旬時点で、中古車市場には560台程度が流通。支払総額の価格帯は220万~900万円となる。プラグインハイブリッドは95台程度、ディーゼルエンジンのD4は100台程度が流通、高性能なT8 ポールスター エンジニアードも数台が流通している。
▼検索条件
ボルボ XC60(2代目)【試乗車 諸元・スペック表】
●ウルトラ B5 AWD 4WD
型式 | 5AA-UB420TXCM2 | 最小回転半径 | 5.7m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.71m×1.9m×1.66m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.66m/1.66m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1900kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2175kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
デニムブルーメタリック、オニキスブラックメタリック、ブライトダスクメタリック、クリスタルホワイトプレミアムメタリック、ヴェイパーグレーメタリック、フォレストレイクメタリック、マルベリーレッドメタリック、オーロラシルバーメタリック |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
※Googleアプリ/サービスは5年間無償、緊急通報/故障通報サービスは15年間無償 |
型式 | 5AA-UB420TXCM2 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | デニムブルーメタリック、オニキスブラックメタリック、ブライトダスクメタリック、クリスタルホワイトプレミアムメタリック、ヴェイパーグレーメタリック、フォレストレイクメタリック、マルベリーレッドメタリック、オーロラシルバーメタリック |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.7m |
全長×全幅× 全高 |
4.71m×1.9m×1.66m |
ホイール ベース |
2.87m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.66m/1.66m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1900kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2175kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | ※Googleアプリ/サービスは5年間無償、緊急通報/故障通報サービスは15年間無償 |
エンジン型式 | B420T11 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 71リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外:13.3km/L └高速:15.3km/L |
燃費基準達成 | R12年度燃費基準 60%達成車 |
||
最高出力 | 250ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/4500 |
エンジン型式 | B420T11 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 250ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/4500 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 71リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外: 13.3km/L └高速: 15.3km/L |
燃費基準達成 | R12年度燃費基準 60%達成車 |