【試乗】新型 ボルボ XC90|マイナーチェンジで真のプレミアムSUVへと進化! 「これで1000km走りたい」
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
2025/05/05
▲2025年2月にフェイスリフトを伴うマイナーチェンジを受けたボルボ XC90。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗したSPAプラットフォームを採用するプレミアムSUV
ボルボが提供する最もハイエンドのSUVモデルがXC90である。
初代より横置きエンジンレイアウトのプラットフォームを採用しながらも、堂々としたFR風のSUVであった。
2015年には2代目へモデルチェンジし、大きく変わった。ボルボSPAプラットフォームを採用したのだ。
これは次世代を見据えて作られ、横置きパワーユニットでもオーバーハングを抑えフロント車軸よりドアまでの距離を長くした、伸びやかなプラットフォームだ。
このプラットフォームによって、ボルボはアッパーミディアムセグメント以上でのプレミアム性をさらに高めたといっていい。
今回の試乗にあたり、2代目登場時の試乗メモを改めて読み返すと、とにかく質感の良さを褒めていた。
静粛性とトラクションも以前と比べてかなり向上しており、インテリアの質感はシンプルでとてもいい。とも書いてある。確かにそうだった。
ただ、リアのトラクションと段差での静粛性には課題があったということを覚えている。このプラットフォームの難しい部分、具体的には横置きリーフスプリングで成り立たせているということが露呈していた。
高速道路での一定速度では極めて快適なのだが、中速域の国道でのアンジュレーションは満点とはいかなかったのである。
しかし、1
度目のマイナーチェンジのタイミングとなる2019年には、ディーゼルモデルで長距離試乗を行ったが、その時点でも印象はかなり良くなっていた。プラットフォームとサスペンションの成熟は、確実になされていることを実感する。
マイナーチェンジでとにかく静粛性が素晴らしくなった

そして今回、2代目XC90は2度目のマイナーチェンジを実施。エンジンフード類の形状も変更しており、本国発売から10年目にして相当のブラッシュアップがされているようだ。
パッと見るだけでも、フロントグリルやライトが薄型になって再構築されていることがわかる。

我々が試乗したモデルは Ultra T8 AWD plug-in hybrid。
乗り込むととにかく高級で落ち着いた、ハンス・ウェグナーのような雰囲気が漂う。では発進だ。



青山キラー通りから首都高に向かって市街地を走る。間違いなく路面からのノイズは、以前のモデルよりも減少している。
モーターのみの動力時にはロードノイズは普段以上に細かくとらえることが可能となるので、相当煮詰めていることがわかる。回生、物理ブレーキとのフィールもナチュラルになった。
青山通りから骨董通りに入り首都高速に入る。
リアのしなやかな乗り心地は確実に改善されている。グッと加速して合流する。とにかく静粛性が素晴らしい。
道路のつなぎ目も柔らかくいなしていい感じだ。8年前に試乗したときよりも、確実に路面とのコンタクトが丁寧になった。

エンジン始動時もノイズが減少して、横置きエンジンとして最高峰の静粛性を演出する。
そして何よりも高速領域の乗り心地は、極めてコンフォートでリラックスできる。後席に乗るカメラマンも納得の顔だ。
「フロントシートは心地よいがリアシートの乗り心地が悪い」モデルは多い。開口部の大きなハッチバックの宿命なのであろうか、プレミアムSUVと呼ばれるモデルはこの部分で良否が分かれるといっていいだろう。そういう点では、新型XC90は申し分ないと言える。
今回は首都高と市街地にて1時間程度の試乗であったが、機会があれば日帰り1000kmを試乗して、身体の疲れ具合を試したい。
XC90は、それほどポテンシャルの高さを感じるハイエンドSUVに成長した。




【試乗車 諸元・スペック表】
●Ultra T8 AWD Plug-in hybrid
| 型式 | 5LA-LB420XCP2A | 最小回転半径 | 6m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.96m×1.96m×1.78m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.99m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.68m/1.68m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2300kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | 2685kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.21m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
オニキスブラックメタリック、デニムブルーメタリック、シルバードーンメタリック、ブライトダスクメタリック、クリスタルホワイトプレミアムメタリック、ヴェイパーグレーメタリック、マルベリーレッドメタリック |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率 WLTCモード 257Wh/km 市街地モード 243Wh/km 郊外モード 244Wh/km 高速モード 280Wh/km |
||
| 型式 | 5LA-LB420XCP2A |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | オニキスブラックメタリック、デニムブルーメタリック、シルバードーンメタリック、ブライトダスクメタリック、クリスタルホワイトプレミアムメタリック、ヴェイパーグレーメタリック、マルベリーレッドメタリック |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 6m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.96m×1.96m×1.78m |
| ホイール ベース |
2.99m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.68m/1.68m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2300kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2685kg |
| 最低地上高 | 0.21m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率 WLTCモード 257Wh/km 市街地モード 243Wh/km 郊外モード 244Wh/km 高速モード 280Wh/km ※WLTCモード EV走行換算距離 (等価EVレンジ) 73km ※WLTCモード 充電電力使用時走行距離 (プラグインレンジ) 76km ※一充電消費電力量 17.51kWh ※Googleアプリ/サービスは5年間無償、緊急通報/故障通報サービスは15年間無償 |
| エンジン型式 | B420 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 71リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
13.3km/L
└市街地:10.5km/L └郊外:14.4km/L └高速:14.3km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 317ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5400 |
| エンジン型式 | B420 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 317ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5400 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 71リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 13.3km/L
└市街地:10.5km/L └郊外: 14.4km/L └高速: 14.3km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。
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