【試乗】新型 ポルシェ マカン|BEVでもエンジン車と変わらぬポルシェらしい自然なドライブフィールが味わえる!!
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
タグ: アウディ / ポルシェ / SUV / 2WD / 4WD / マカン / Q6 e-tron / EDGEが効いている / 藤野太一
2025/07/18

2WDのエントリーと超ハイスペックなターボ
ポルシェの第2弾BEVであり、第2世代のミッドサイズSUV、新型マカンの国内デリバリーが開始された。現ラインナップは下記の4種類だ。
・「マカン」:エントリーモデルであり、初の2WD(後輪駆動)
・「マカン 4」:「マカン」の4WD版
・「マカン 4S」:ハイパワーバージョン
・「マカン ターボ」:フラッグシップモデル
基本骨格はアウディとポルシェによって共同開発された800Vのアーキテクチャーを採用するPPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)。内燃エンジン車のマカンとアウディ Q5がプラットフォームを共用する姉妹車であったのと同様に、この新型マカンとアウディ Q6 e-tronは姉妹関係にあたる。
今回はベースのマカンとトップパフォーマーのマカンターボに乗った。ベースのマカンもエントリーモデルながら総容量100kWhの大容量バッテリーを搭載。リアアクスルにマカン 4と同じ永久磁石同期モーターを配置し、最高出力340ps、ローンチコントロール使用時には最大360psを、最大トルクは563N・mを発揮する。
0→100km/h加速は5.7秒、最高速度は220km/hとなっている。フロントに駆動用モーターなどがないことから、マカン 4に比べて110kgの軽量となり、航続距離は新型マカンの中で最長の最大641km(WLTPモード)となっている。
一方で、ターボも総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーは共通のもの。前後アクスルにそれぞれ計2基の永久磁石同期モーターを搭載。最高出力639ps、最大トルクは1130N・mに到達する。
0→100km/h加速は3.3秒、最高速度は260km/hと、出力や加速性能だけを見ればベースのマカンのダブルスコアにも思える超ハイスペック仕様だ。航続距離は最大590km(WLTPモード)となっている。

マカンのボディサイズはベース、ターボともに全長4784mm×全幅1938mm×全高1623mm、ホイールベース2893mm。先代マカンが同4730mm×1925mm×1625mm、2807mmなので、全幅、全高はほぼ変わらないが、全長が54mm、ホイールベースは86mmも拡大しており、ワンサイズアップしたような印象を受ける。
エクステリアでのベースとターボの識別点は、フロントまわりではヘッドライト下の横桟がボディ同色か否か。ちなみに、新型マカンではいわゆる目にあたる4本の線のLEDが入ったユニットはデイタイムライトで、ヘッドライトはその下のバンパーの左右にあるブラックアウトされた部分にある。

リアまわりではターボにはバンパーの左右にエアアウトレットが備わっている。また、この新型よりターボモデル専用のメタリックグレーカラー、通称“ターボナイト”のクレストが、ボンネットやホイール、ステアリングホイールなどにも採用されている。
インテリアは、タイカンにはじまった最新のデザインの流れをくんだもの。ドライバーの目の前にはメーターナセルのない12.6インチの自立型メーターを採用、センターには10.9インチのディスプレイを配置する。助手席用にもオプションの10.9インチディスプレイを用意し、それらがブラックアウトして一体化すると911のインテリアをほうふつとさせるT字型を強調したデザインとなっている。
BEVだからとすべてをデジタル化するのではなく、スタート/ストップボタンをはじめ、エアコンのスイッチ類、オーディオのボリュームなど、アナログのコントロールエレメントを残しているのもポルシェらしいところ。

これもまたポルシェのスポーツカー
まずはベースのマカンに乗った。トルクの立ち上がり方もステアリングフィールもブレーキフィールも至って自然なもの。BEVにありがちな過敏な動きや違和感がまったくない。パワーも必要にして十分。高速道路での走行でも不足を感じるシーンは皆無だった。オプションのアダプティブエアサスペンションを装備しており、同じくオプションの22インチタイヤをこともなげに履きこなしている。2WDらしい雑味のないハンドリングが魅力で、電費も5km/kWh台後半から時折6km/kWh台とまずまずのもので、これなら街乗りからちょっとしたドライブ旅行まで不安なく使えそうだ。
一方のマカンターボは、シートに腰掛けステアリングを半回ししただけで、いい意味で重みのある、これもポルシェのスポーツカーなのだと伝わってくる。アクセルペダルに力を込めるとマックス1130N・mにまで到達するトルクのいくばくかがぐっと立ち上がり、大きくて重い車(車検証上では2460kg)のはずなのに、それをまったく感じさせず意のままに動く。
こちらも足回りは22インチタイヤ+エアサスの組み合わせだったが、まず乗り心地がいい。そしてリアアクスルステアの効果も絶大で道幅の狭いワインディング路も軽快な身のこなしで走り抜けていく。高速コーナーも高いスタビリティのもと安心してクリアできる。
タイカンと同様、このマカンにも共通するのがステアリングにパドルシフトを付けて回生のレベルを段階分けするとか、ボタン操作ひとつでワンペダルフィーリングになるといったBEV特有の仕様をあえて用意していないこと。前走車との車間距離を一定に保つAUTO回生モードはあるが、ポルシェがこだわっているのは、内燃エンジン車と変わらない自然なドライブフィールのようだ。
BEVを食わず嫌いしている人もぜひ一度試乗してみることをオススメしたい。もしお口に合わないようなら、今秋くらいまでは内燃エンジンマカン(初代)も併売されるようなので、熟成の最終バージョンを手に入れるのも大いにありかと思う。





▼検索条件
ポルシェ マカン(2代目)
ライター&エディター
藤野太一
カーセンサー、カーセンサーネットの編集デスクを経て、カーセンサーエッジの創刊デスクを務める。現在はフリーランスのライター&エディターとして、自動車誌をはじめビジネス誌、ライフスタイル誌などにも寄稿する。
内燃エンジンを搭載したポルシェ マカン(初代)の中古車市場は?

ポルシェが「同セグメントで唯一のスポーツカー」をうたうコンパクトSUV。2014年に日本に導入され、2018年と2021年には大幅な改良が行われている。トップパフォーマンスモデルのターボやスポーティなGTSなど、ポルシェの他モデルと共通したコンセプトのラインナップを用意する。
2025年6月下旬時点で、中古車市場には460台程度が流通。支払総額の価格帯は200万~1700万円となる。ターボは60台程度、GTSは100台程度が流通。軽快な走りが魅力のTも15台程度が流通している。
▼検索条件
ポルシェ マカン(初代)【試乗車 諸元・スペック表】
●ターボ 4WD
型式 | ZAA-H2SCA | 最小回転半径 | 6.1m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.78m×1.94m×1.62m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.89m |
ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.69m/1.66m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | △ | 車両重量 | 2405kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
ホワイト、ブラック、ジェットブラックメタリック、アイスグレーメタリック、ボルケーノグレーメタリック、ドロマイトシルバーメタリック、プロヴァンス、ゲンチアンブルーメタリック、フローズンブルーメタリック、パパイヤメタリック |
||
オプション色 |
オークグリーンメタリック、アベンチュリングリーンメタリック、コッパールビーメタリック、スレートグレーネオ |
||
掲載コメント |
※一充電走行距離(WLTCモード)598km |
型式 | ZAA-H2SCA |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | その他AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | △ |
標準色 | ホワイト、ブラック、ジェットブラックメタリック、アイスグレーメタリック、ボルケーノグレーメタリック、ドロマイトシルバーメタリック、プロヴァンス、ゲンチアンブルーメタリック、フローズンブルーメタリック、パパイヤメタリック |
オプション色 | オークグリーンメタリック、アベンチュリングリーンメタリック、コッパールビーメタリック、スレートグレーネオ |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
不明 |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 6.1m |
全長×全幅× 全高 |
4.78m×1.94m×1.62m |
ホイール ベース |
2.89m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.69m/1.66m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2405kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | ※一充電走行距離(WLTCモード)598km ※交流電力量消費率 WLTCモード 179Wh/km 市街地モードWLTC-L 160Wh/km 郊外モードWLTC-M 171Wh/km 高速道路モードWLTC-H 196Wh/km ※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております |
エンジン型式 | EBZ/ECM | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 584ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
-/- |
エンジン型式 | EBZ/ECM |
---|---|
種類 | 電気モーター |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | -cc |
最高出力 | 584ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
-/- |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 電気 |
燃料タンク容量 | -リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |
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