クラウンクロスオーバー ▲新型クラウンシリーズの第1弾として登場したトヨタ クラウンクロスオーバーの中古車支払総額平均が、この1年間で50万円近くダウンしていることが判明しました。これを機に、比較的買いやすい状況になってきたクラウンクロスオーバーの上手な狙い方について考えてみることにしましょう!

クラウンエステート登場の裏でクロスオーバーの平均価格が続落!

計4モデルで構成される新型トヨタ クラウンシリーズ最後のモデル、クラウンエステートが2025年3月13日、ついに発売されました。

ワゴンとSUVの融合といえるデザインやコンセプトには舌を巻くばかりですが、その裏で、2022年9月に発売されたクラウンクロスオーバーの中古車支払総額平均が50万円近くダウンしています。
 

クラウンクロスオーバー▲こちらが登場間もないトヨタ クラウンエステート
クラウンクロスオーバー▲そしてこちらが2022年9月に登場したトヨタ クラウンクロスオーバー
 

登場間もないクラウンエステートのことは当然ながら気になりますが、50万円近くダウンしたとなれば、クラウンクロスオーバーの存在も見逃すわけにもいきません。

この機会に、比較的買いやすい状況になったと思われるクラウンクロスオーバーの上手な狙い方を考えてみることにしましょう!
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代)
 

モデル概要:「セダンを超えるセダン」として誕生したクロスオーバーモデル

トヨタ クラウンクロスオーバーは、全4種類がラインナップされる新型クラウンシリーズにおける最初のモデルとして2022年9月に登場した、セダンとSUVのクロスオーバーモデル。

基本コンセプトは「セダンを超えるセダン」で、エクステリア全体の造形は、過去のクラウンでは例を見ない背の高いワンモーションスタイル。トヨタが「流麗さとダイナミックさを両立させた新時代のフラッグシップの姿」と説明するボディのサイズは全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mmで、計12通りのボディカラーと4種類の内装色の組み合わせによる幅広いカラーバリエーションも大きな特徴となっています。
 

クラウンクロスオーバー▲それまでのクラウンからフォルムを一変して登場したトヨタ クラウンクロスオーバー。「クロスオーバー」をなの乗るだけあって、全高は従来モデルより85mm高くなっている
クラウンクロスオーバー▲ダッシュパネル中央に12.3インチのディスプレイオーディオを装備。写真のグレードはRS アドバンスト
 

「全席が特等席」とうたわれるインテリアは、ディスプレイや操作スイッチを水平方向に集約したインパネや、左右非対称のセンターコンソールが印象的。トランクルームの容量は5名乗車時でも450Lが確保され、9.5インチのゴルフバッグであれば3個まで収納可能です。

駆動方式は全車4WDで、パワーユニットも全車がハイブリッドシステムを採用。各グレードに搭載されるパワーユニットの内容は下記のとおりです。

【RSに搭載】
最高出力272psの2.4L直4ターボエンジンに、フロント82.9ps/リア80.2psのモーターを組み合わせた「デュアルブーストハイブリッドシステム」

【Z、G、Xに搭載】
最高出力186psの2.5L直4自然吸気エンジンに、フロント119.6ps/リア54.4psのモーターを組み合わせた「シリーズパラレルハイブリッドシステム」

登場当初は、基本グレードに加えて「アドバンスト」「レザーパッケージ」「アドバンスト レザーパッケージ」などのサブネームが付く上級装備グレードもラインナップされていました。しかし、2024年4月の一部改良時に装備内容の変更とグレードの整理が行われ、現在は「RS」「Z」「G」「X」の4グレードに集約されています。
 

クラウンクロスオーバー▲公道試乗時の様子
 
 

中古車状況:流通量が増加し、平均価格は400万円台に突入

登場翌年の2023年はおおむね600万円台前半で推移していたクラウンクロスオーバーの中古車平均価格でしたが、同年末頃には500万円台に突入。そしてゆっくりと時間をかけながら平均価格は順調に下がり続け、結果として直近は、前年6月と比べて48.4万円ダウンの「494.5万円」までダウンしています。
 

クラウンクロスオーバー▲2024年6月~2025年5月までの中古車支払総額推移
 

そしてクラウンクロスオーバーは中古車流通量も順調に増え続けています。

登場当初こそさすがにやや寂しい台数でしたが、その後は順調に延べ掲載台数を増やし続け、2025年1月には1000台を突破。同年の3~4月は約900台レベルまで台数を落としていますが、基本的には「クラウンクロスオーバーの中古車流通量は順調に増加中である」と言っていいでしょう。
 

クラウンクロスオーバー▲2024年6月~2025年5月までの延べ掲載台数推移
 

それでは次章以降、具体的な「クラウンクロスオーバーの狙い方」について考えてまいります。
 

 

中古車のオススメ①:上級グレード狙いなら総額400万円台後半のRS アドバンスト

「せっかくクラウンと名が付く車に乗るのだから、やはり上級グレードを選びたい」と考える人も多いでしょう。

その場合にまず狙うべきは、強力な2.4Lターボエンジンに強力な前後モーターを組み合わせ、装備内容も充実させた「RS」または「RS アドバンスト」です。
 

クラウンクロスオーバー▲2.4Lターボハイブリッドを搭載するRS アドバンスト
 

ちなみに「RS アドバンスト」の方には、プレミアムサウンドシステム(10スピーカー/8chオーディオアンプ)やカラーヘッドアップディスプレイ、ハンズフリーパワートランクリッドなどが標準装備されています。
 

2025年7月上旬現在、「RS」および「RS アドバンスト」の流通&価格状況は、おおむね下記のとおりです。

・流通量:約220台
・価格帯:総額440万~750万円
・注目価格帯:総額450万~499万円

RS系全体としての価格帯は総額440万~750万円と、上下にかなり幅広い状況です。しかし、筆者が「注目価格帯」として挙げた総額400万円台後半にて、中古車として好バランスな物件多数を見つけることが可能です。
 

クラウンクロスオーバー▲RS アドバンストのインテリア。10スピーカー/8chオーディオアンプを含むプレミアムサウンドシステムなどが標準で装備されている
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × RS系

以上は2.4Lターボ+モーターの強力なハイブリッドシステムを搭載するRS系についての話ですが、中には「パワーユニットはそこまで強力じゃなくていい。2.5L自然吸気エンジンベースのハイブリッドで十分だ」と感じている人もいるでしょう。

そう思う方が「しかし上級なグレードは選びたい」と考えた場合の選択肢は、素敵なデザインの4眼LEDヘッドライトを標準装備しつつ、その他の装備も大いに充実している下記2グレードになります。


●G アドバンスト レザーパッケージ(前期型2.5Lハイブリッドの最上級グレード)
・流通量:約250台
・価格帯:総額390万~600万円
・注目価格帯:総額400万~450万円
 

クラウンクロスオーバー▲様々な装備が非常に充実している前期型2.5L自然吸気ハイブリッドの最上級グレード、G アドバンスト レザーパッケージ
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × G アドバンスト レザーパッケージ


●Z(後期型2.5Lハイブリッドの最上級グレード)
・流通量:約10台
・価格帯:総額500万~650万円
・注目価格帯:総額500万~560万円

 

クラウンクロスオーバー▲21インチノイズリダクションホイールや4眼LEDヘッドランプ、本革シートなどが標準装備となる後期型2.5L自然吸気ハイブリッドの最上級グレード Z

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × Z
 

中古車のオススメ②:価格重視でいくなら総額400万円台前半のG アドバンスト

価格重視で、つまりなるべく手頃な予算でクラウンクロスオーバーを入手したいと考える場合のオススメグレードは「G アドバンスト」で、その注目価格帯は総額400万~450万円です
 

クラウンクロスオーバー▲装備はおおむね充実しているといえるG アドバンスト
 

G アドバンストよりも新車価格は断然安かった「X」というエントリーグレードもあるのですが、こちらは装備内容がイマイチだったため人気がなく、中古車はほとんど流通していません。

また、新車価格がG アドバンストより35万円安かった「G」というグレードも流通量は少なめで、なおかつ中古車になってからの価格は、1つ上のグレードであるG アドバンスと大差はありません。であるならば、装備レベルが劣るGをわざわざ選ぶ意味はほぼないといえます。

ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、上級ファブリック+合成皮革シートなどが標準装備となるG アドバンストの流通&価格状況は、おおむね下記のとおりです。

・流通量:約60台
・価格帯:総額390万~490万円
・注目価格帯:総額400万~450万円
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × G アドバンスト

なお、もう少しだけ予算を足して総額440万~480万円ぐらいで検討できるのであれば、本革シートが標準装備となる「G レザーパッケージ」を選択することも可能です。

このあたりは、人それぞれの予算感や好みなどをもとに、ご都合のよろしい方を選んでいただければと思います。
 

クラウンクロスオーバー▲ヒーターおよびベンチレーション付きの本革シートを標準装備するG レザーパッケージのインテリア
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × G レザーパッケージ

いずれにせよ今、トヨタ クラウンクロスオーバーの各グレードは、中古車として最初の旬を迎えています。ご興味のある方は、ぜひ前向きに検討してみてください。
 

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代)
文/伊達軍曹 写真/トヨタ、篠原晃一
※記事内の情報は2025年7月2日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。