リーフ▲コンパクトEVの立役者的存在のリーフ

2025年秋に3代目となる新型リーフが登場するが……

世界初の普通車クラスの量産電気自動車として、2010年12月に初代モデルが登場した日産 リーフ。

そして先日、3代目となる新型が発表され、日本では2025年秋ごろの販売を予定しているとアナウンスされました。
 

リーフ▲こちらが先日発表された新型リーフのイメージ。スタイリッシュな印象を受ける

市販電気自動車の先駆けとなるリーフは先進的な電気自動車でありながらも、日常的に使うことができる5ドアハッチバックのボディと5人がしっかり乗れる室内空間を備えた実用的なモデル。普段使いにも十分です。
 

リーフ▲こちらは2代目のインテリア。コンパクトだが狭さは感じない室内空間

モーター駆動による俊敏な加速や高い静粛性、そして電気自動車ならではの高い経済性に加え、大容量の駆動用バッテリーを有することで、有事の際には非常用電源にもなるという移動手段ではない機能ももち合わせている素晴らしい車。

そんなリーフの中古車の価格相場がいま、着実に下がっており、2025年5月の時点で平均価格は約180万円。ねらい目の物件やリーフに向いている人などを解説いたします!
 

リーフ▲リーフの価格推移グラフ

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日産 リーフ(2代目)
 

電気自動車のリーフはどんな人にオススメ?

先述したとおり、魅力たっぷりなリーフですが、電気自動車という性格上、万人にオススメできるものではないというのも正直なところ。

現在は日産ディーラーや高速道路のPA・SA、道の駅の他、ショッピングモールやコンビニ、ホテルなど様々な場所に急速充電器が設置されるようになっていますが、外部の充電設備のみで運用するのはあまり現実的ではありません。
 

リーフ▲自宅で充電する際のイメージ

ベストなのは自宅充電ができるユーザー。それが可能であれば、寝ている間に深夜料金でオトクに充電することができますし、有事の際もV2H(ビークル トゥ ホーム)機器も備えれば、リーフのバッテリーを家庭に供給することもできるのです。

環境さえ整っていれば非常に魅力的です。

なお、電気自動車は駆動用バッテリーの劣化が気になるところですが、公式サイトによると、2代目リーフはバッテリー容量低下の抑制や耐久性向上などにより、バッテリーの高寿命化を図っているそうです。

バッテリーの信頼性が大きく向上し、中古車としてのうまみも十分に感じられる価格帯となっている2代目。それでは、具体的にどんな買い方をすればいいのでしょうか?
 

リーフ

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日産 リーフ(2代目)
 

選択肢1:とにかく安く買いたい人にオススメ! 2020年2月以前発売モデル

2代目リーフに少ない出費で乗ってみたい、という人にオススメしたいのは、2020年2月に実施されたマイナーチェンジ以前の車両です。

2代目リーフは2017年10月に発売が開始されたモデルですが、現在に至るまで大きな変更と呼べるのは2回。

1回目は、2019年1月。従来より大容量のバッテリーを搭載して航続距離を延ばし、出力も強化した「e+」が追加されたもの。

2回目は、2020年2月。運転支援システムの「プロパイロット」の性能が強化され、「S」グレード以外に標準装備されるコネクティッドナビの画面が9インチに大型化されたものです。
 

リーフ▲発売当時のリーフインテリア。シンプルだが上質な雰囲気が醸し出される

2020年2月の改良以前のモデルは、比較的安価なものが揃っており、バッテリーのセグ欠け(※)もない、上級グレードの「G」でも支払い総額100万円前後で狙えるものもある他、ディーラー系中古車店で販売されるものも見つけることができるのです。

※セグ欠け:バッテリー性能の低下具合を示すもの。性能が劣化するとひとつずつセグが減って(欠けて)いく

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日産 リーフ(2代目)× 2020年2月以前
 

選択肢2:お値段以上を感じたいなら! 「e+」系グレード

充電のタイミングがそんなに取れない人や、電気自動車で長距離ドライブをしてみたいという人にオススメしたいのは、大容量バッテリーを搭載した「e+」系グレードです。
 

リーフ▲こちらが「e+」の外観。リーフのデザインをそのままに、フロントバンパー下部にブルーのリップスポイラー状のパーツが追加されている
リーフ▲充電ポートに「e+」ロゴを配するなど、「e+」ならではのデザインも

このe+は大容量バッテリーを搭載したことで、WLTCモードの航続距離は450km以上となっただけでなく、モーター出力も通常のリーフの110kWから160kWへと高められており、重量増を補っても余りあるほどのものとなっているのです。

また、急速充電も最大100kWに対応(通常モデルは50kWまで)していることで、出先で急速充電器を使用する際も短時間で多くの充電をすることが可能となるのも魅力と言えるでしょう。

ただ、大容量バッテリーを搭載しているということで、万が一にもバッテリーにトラブルが発生した場合、それなりの出費を覚悟しなければなりません。信頼性は大きく向上していますが、そういった心配を少しでも減らすためには、手厚い保証が備わるディーラー系中古車店での購入がオススメ。

とはいえ、ディーラー系中古車店に絞っても総額200万円前後の予算があれば十分狙うことができ、9インチナビが備わるマイナーチェンジ後の物件でも230万円ほどの予算で狙うことができるのです。
 

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日産 リーフ(2代目)×「e+」系グレード
 

選択肢3:ちょっととがったモデルにチャレンジ! 走りに本気の「NISMO」

電気自動車と聞くとエコなイメージが先行しますが、ゼロから最大トルクを発生させることができるモーター駆動は、実はとってもホットな走りをすることもできるのです。

そんなモーター駆動であることを最大限に生かしたのが「リーフNISMO」というスポーツグレード。日産がモータースポーツ活動で培った技術をふんだんに盛り込んだエアロダイナミクスを駆使したエクステリアパーツの他、よりレスポンシブな走りを可能とした専用チューニングコンピューターや、専用チューニングのサスペンションなど、電気自動車のメリットを最大限に活かしたチューニングがなされているのが最大の特徴です。

走りにこだわるがあまり、航続距離がベース車よりも減少してしまっているのはご愛嬌。
 

リーフ▲こちらが「e+」の外観

なお、2020年7月の改良ではステアリングギアレシオまで変更した他、メーカーオプションとして本格的なレカロ社製のスポーツシートも用意されており、どうせ中古車で狙うのなら希少ではあるものの、装着車を見つけたいところ。
 

リーフ▲専用のスポーツシートも自分で揃えるとなると大変。せっかくなら装着済みを探してみよう!
リーフ▲ステアリングまわりも専用加飾が施される

中古車としてはリーフNISMO全体で60台ほどと希少ではあるものの、改良後のモデルでも総額200万円前後から見つけることができるので、走りにもこだわりたい人にはオススメできるモデルと言えるでしょう。
 

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日産 リーフ(2代目)×NSIMO系グレード

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日産 リーフ(2代目)
文/小鮒康一、写真/日産
※記事内の情報は2025年7月2日時点のものです
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。