ポルシェ カイエン(3代目)の中古車平均価格が遂に1000万円を切った! 1年で約90万円ダウンしている今が狙い目!? オススメの買い方・選び方は?
2025/07/20
▲新車価格が2500万円近くになるグレードもある超プレミアムSUV「ポルシェ カイエン(3代目)」。中古車平均化価格がついに1000万円の壁を突破し下落中やっと狙いやすい状況になってきたプレミアムSUVの決定版
2002年の誕生以来、累計76万台以上が販売されてきたポルシェ カイエン。
言わずと知れたプレミアムSUVの決定版的な1台ですが、2017年12月に発売された通算3代目となる現行型は、車体の軽量化や車載機器のデジタル化、パワーユニットの強化など、全方位的にわたる大幅な進化を獲得。その結果、「プレミアムSUVの決定版」としての地位をより強固なものにしたといえます。
そんなポルシェ カイエン(3代目)は、最上級グレードの新車価格が2500万円近くとなる超高級車なわけですが、この1年間で中古車平均価格は約90万円ダウンし、ついに1000万円のラインを割ってきました。
▲こちらがポルシェ カイエン(3代目)もちろんまだまだ高額な中古車であることは間違いないのですが、それと同時に「比較的狙いやすい状況になってきた」ということもまた、間違いありません。
そのためこの機会に、現行型ポルシェ カイエンのお得な買い方やオススメグレードについて、いま一度じっくりチェックしてみることにしましょう!
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ポルシェ カイエン(3代目)モデル概要:デジタル化と軽量化を中心に全方位的な進化を遂げた3代目
ポルシェ カイエン(3代目)は、日本では2017年12月に予約受注がスタートしたプレミアムSUV。各種装備のデジタル化に加え、リアアクスルステアリングなどの新機軸も数多く採用することで、従来型と比べて全方位的な進化を遂げるに至った1台です。
ボディサイズは全長4918mm×全幅1983mm×全高1696mm。従来モデルよりも63mm長く、25mm幅広いという寸法になった一方で、車両重量は従来型から最大で75kg軽量化されています。
▲2017年12月に上陸したポルシェ カイエン(3代目)。写真は前期型「S ティプトロニックS 4WD」
▲ボディサイズは従来型より大ぶりとなったが、車重は標準グレード「3.0 ティプトロニックS 4WD」の場合で75kg軽量化されている
▲前期型の運転席まわり。メーターパネルは正面のタコメーター以外はバーチャルで、センターのタッチスクリーンは12.3インチシャシーに搭載された新技術は多岐にわたっており、リアアクスルステアリングや3チャンバー式エアサスペンション、ロール安定化システムである「PDCC」の採用、路面状況を読み取ったうえで統合制御する「ポルシェ 4Dシャシー コントロール」など、新システムは枚挙にいとまがありません。
当初の日本仕様に採用されたパワーユニットは計3種類。標準グレードである「3.0 ティプトロニックS 4WD」が搭載するのは最高出力340psの3L V6ターボで、ひとつ上のグレードである「S ティプトロニックS 4WD」は同440psの2.9L V6ツインターボを搭載。そして、最上級グレード「ターボ ティプトロニックS 4WD」には同550psの4L V8ツインターボが搭載されました。
2019年にはプラグインハイブリッド車である「E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD」と「ターボ S E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD」を追加。さらに、翌2020年には最高出力460psの4L V8ツインターボを搭載するスポーティグレード「GTS ティプトロニックS 4WD」を追加。
▲こちらは「GTS ティプトロニックS 4WD」。シャシーは20mmローダウンされ、連続可変ダンパーの「PASM」や、左右トルクベクタリングを行う「PTVプラス」などを標準装備する2023年4月には大幅改良を実施。車内のインフォテインメントシステムは全面的に見直され、エクステリアは一段とワイド感が強調されました。灯火類はマトリックスLEDヘッドライトが標準となり、テールライトやナンバープレートホルダーを一体化した新しいリアエプロンなども特徴的です。
パワーユニットは、「3.0 ティプトロニックS 4WD」の3L V6ターボが従来型より13ps増しの最高出力353psとなり、「S ティプトロニックS 4WD」は従来のV6に代えて同474psの4L V8ツインターボエンジンに変更。「E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD」は、バッテリーの容量を増強したことで最長90kmのEV走行が可能に。そして少し遅れて2024年春には「GTS ティプトロニックS 4WD」も大幅改良を受け、パワーユニットは最高出力500psの4L V8ツインターボエンジンに変更されました。
その後も好評のまま新車販売が続いているポルシェ カイエン(3代目)ですが、本国では2025年中に、フル電動車である「カイエンEV」が発売される予定となっています。
▲2023年4月に大幅改良を受けた後期型
▲後期型のリアビュー。テールライトが横方向に横断する「今どきのデザイン」に変更されている
▲後期型のインパネまわり。メーターは12.6インチのフルデジタルとなり、標準で備わる12.3インチのセンターディスプレイのほか、助手席前方にはオプションで10.9インチのパッセンジャーディスプレイも選択可能となった中古車状況:平均価格は1年間で約90万円ダウンし、流通量も堅調
2023年中の中古車平均価格はおおむね1100万円を超えていたポルシェ カイエン(3代目)でしたが、2024年に入ると1000万円台ギリギリのあたりを推移し続ける展開に。
しかし2025年の春が始まる頃から下降トレンドに転じ、結果として直近の中古車平均総額は前年同月と比べて約90万円ダウンの「951.8万円」になっています。

そして中古車の流通量も、常に一定量がキープされています。2024年の後半こそ減少トレンドを描きましたが、2025年2月には底を打ち、再び微増トレンドへと転換しています。

それでは次章以降、具体的な「オススメの狙い方」をご紹介してまいります。
中古車のオススメ①:価格重視で選ぶなら総額500万円台の「前期型 標準グレード」
2025年7月中旬現在、ポルシェ カイエン(3代目)は総額約500万~1800万円の範囲で約120台が流通しています。価格重視で、つまりなるべくお安くカイエン(3代目)を入手するとしたら、「総額500万円台」の予算帯で、まずまず良好な1台を見つけたいところです。
総額500万円台の予算で入手できるポルシェ カイエン(3代目)の中古車は約20台。そしてその大半が、前期型標準グレード「3.0 ティプトロニックS 4WD」(最高出力340psの3L V6ターボエンジンを搭載)です。
▲こちらが「カイエン」の前期型走行距離はもちろん物件によって様々ですが、大体の線としては走行4万km台から6万km台である場合が多いはず。このぐらいの走行距離の中古車というのは、ポルシェ カイエンに限らず「前オーナーが丁寧に扱い、なおかつ1年に一度または2年に一度、正規ディーラーでしっかりと点検&整備を行ってきた個体」であれば、特に大きな問題はないケースが多いものです。
しかし逆に言うと「前オーナーが荒っぽく扱い、なおかつろくに点検も整備も行われてこなかった」という類の個体は、走行4万km台から6万km台であっても、大きな問題をはらんでいる可能性はあります。
そのため、もしも総額500万円台の予算で前期型「3.0 ティプトロニックS 4WD」を狙うのであれば、走行距離そのものよりも「前オーナーの扱い方」と「整備履歴」を重視しながら探すべきでしょう。
「前オーナーの扱い方」は、主には内外装の状態の良し悪しで判断できる場合が多いもの。ホイールのガリ傷や、内装の樹脂部分の小傷などが妙に多すぎる個体は要注意と考えてください。
また「整備履歴」は、整備記録簿および工場に入庫した際の伝票などで確認できます。細かいことを言い出せばキリがないのですが、最低でも2年に一度、ポルシェの正規ディーラーで整備を受けてきた個体を探すようにするといいでしょう。
▲乗っていればインテリアの各所に小傷が付くのは当然のことだが、その量とレベルが著しい場合は、前オーナーの扱い方全般が荒っぽかったのではないかと推測できる▼検索条件
ポルシェ カイエン(3代目) × 総額600万円未満中古車のオススメ②:パフォーマンス重視なら「S」「GTS」「ターボ」をお好みで
最高出力340psの3L V6ターボを搭載する前期型カイエンでも十分以上のパフォーマンスを堪能できるポルシェ カイエン(3代目)ですが、よりハイレベルなパフォーマンスを堪能したい場合は、「S ティプトロニックS 4WD」または「GTS ティプトロニックS 4WD」「ターボ ティプトロニックS 4WD」を探すことになります。
なお、プラグインハイブリッドのハイパフォーマンスグレードである「ターボ S E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD」は流通量がきわめて少ないため、中古車として探すのはあまり現実的ではありません。
「S ティプトロニックS 4WD」または「GTS ティプトロニックS 4WD」「ターボ ティプトロニックS 4WD」それぞれの簡単な特徴と、中古車の価格状況等は下記のとおりです。
・パワーユニット:最高出力440psの2.9L V6ツインターボ
・キャラクター:バランスの良い高出力グレード
・中古車価格:総額550万~840万円
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ポルシェ カイエン(3代目) × 前期型(2017年12月~2023年3月)「S ティプトロニックS 4WD」
・パワーユニット:最高出力474psの4L V8ツインターボ
・キャラクター:バランスの良い高出力グレード
・中古車価格:総額1200万~1700万円
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ポルシェ カイエン(3代目) × 後期型(2023年4月~)「S ティプトロニックS 4WD」
▲バランスの良いハイパフォーマンスっぷりを味わえる前期型「S ティプトロニックS 4WD」
・パワーユニット:最高出力460psの4L V8ツインターボ
・キャラクター:シャシーも専用強化されたスポーツグレード
・中古車価格:総額880万~1600万円
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ポルシェ カイエン(3代目) × 前期型(2020年6月~2023年3月)「GTS ティプトロニックS 4WD」
▲スポーティなアピアランスと研ぎ澄まされたエンジンおよび足回りが特徴となる前期型「GTS ティプトロニックS 4WD」
・パワーユニット:最高出力500psの4L V8ツインターボ
・キャラクター:シャシーも専用強化されたスポーツグレード
・中古車価格:総額1600万~1800万円
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ポルシェ カイエン(3代目) × 後期型(2023年4月~)「GTS ティプトロニックS 4WD」
・パワーユニット:最高出力550psの4L V8ツインターボ
・キャラクター:超高出力なラグジュアリーグレード
・中古車価格:総額700万~1400万円
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ポルシェ カイエン(3代目) × 「ターボ ティプトロニックS 4WD」
▲すべてにおいてド級のパフォーマンスを発揮する「ターボ ティプトロニックS 4WD」上記のいずれを選ぶかはお好み次第&ご予算次第ですが、比較的手頃な予算感で十分以上のパフォーマンスを堪能できる選択肢は前期型「S ティプトロニックS 4WD」でしょう。また硬派でスポーティな世界観がお好みで、なおかつ予算に余裕がある人であれば前期型「GTS ティプトロニックS 4WD」がハマるでしょう。後期型「GTS ティプトロニックS 4WD」でもいいのですが、さすがにかなり高額ですし、後期型は流通量も希少です。
また、「ターボ ティプトロニックS 4WD」ももちろんハイパフォーマンスを堪能できるグレードですが、安価な物件はコンディションが荒れている場合も考えられるため、「総額850万円以上」をひとつの目安としながら探してみることをオススメします。
中古車のオススメ③:程よい個性を求めるなら「プラチナエディション」
ポルシェ カイエン(3代目)としては比較的お手頃な支払総額にて、個性的なイメージと充実した装備内容を獲得したいと考える場合は、2022年1月に発売された特別仕様車「カイエン プラチナエディション」に要注目です。
▲2022年1月に「3.0 ティプトロニックS 4WD」および「S ティプトロニックS 4WD」、「E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD」に設定された特別仕様車「プラチナエディション」
▲アルミホイールはプラチナエディション専用の21インチ「RSスパイダーデザインホイール」を採用プラチナエディションは、「魅力的な価格に加え、特にスタイリッシュな外観を備えたモデル」というコンセプトの特別仕様車。
エクステリアはサテンプラチナ塗装で仕上げられた専用ディテールが特徴的で、プラチナエディション専用となる21インチサイズの「RSスパイダーデザインホイール」などの様々な部位が「サテンプラチナ」でペイントされています。
そしてインテリアでは、クレヨン(ややグレーがかったホワイト)のシートベルトや、テクスチャード加工の「アルミニウムインテリアパッケージ」が目を引きます。
▲パノラミックルーフシステムやBOSEサラウンドサウンドシステム、8ウエイレザースポーツシート等々が標準で装備されるのも、特別仕様車ならではその他では「ポルシェダイナミックライトシステム(PDLS)」を組み込んだLEDヘッドランプや、パノラミックルーフシステム、プライバシーガラス、BOSEサラウンドサウンドシステム、アンビエントライト、8ウエイレザースポーツシート、フロントおよびリアヘッドレストのポルシェロゴ、アナログ時計なども装備したうえで、新車価格1233万円で売り出されたのが、こちらの特別仕様車。
しかし現在では総額830万~980万円付近にて、走行1万kmから2万km台の中古車を見つけることができます。「ひと味違うカイエン」をお探しの方は、ぜひプラチナエディションにも注目してみてください。
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ポルシェ カイエン(3代目) × プラチナエディション系▼検索条件
ポルシェ カイエン(3代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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カイエン E ハイブリッド ティプトロニックS 4WD シートヒーター パワーシート トランクスルー フロアマット ナビ 音楽プレーヤー接続 Bluetooth接続 ETC サンルーフ・ガラスルーフ LEDヘッドライト 電動リアゲート 全周囲カメラ
本体価格713.0万円
支払総額731万円
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