歴代スイフトスポーツの中古車価格や流通台数を解説|祝・スイフト生誕25周年【保存版】
2025/07/21

スイスポは手頃な価格で狙える入門ホットハッチ
スズキのベーシックコンパクトとして、2000年1月に初代モデルが登場したスイフトは、今年で四半世紀、つまり25周年を迎えるモデルとなりました。
初代モデルはそれまでのスズキのコンパクトカーであったカルタスにならって安価なモデルとして、「泣く子も黙る79万円」というCMコピーを用いるなど、安さを前面に押し出したモデルとなっていました。
しかし、2004年11月に登場した2代目モデルからはスズキの世界戦略車として基本性能を大きく底上げし、安いだけでなく走りも良いコンパクトカーとして現在まで高い評価を集めています。
スズキのコンパクトカーとして25年にわたって愛されているスイフトですが、ベーシックモデルとはキャラクターが異なる「スイフトスポーツ」というホットモデルも用意され、ホットハッチの入門車として今も愛されています。
ということで、この記事では歴代のスイフトスポーツを改めて振り返り、中古車価格や流通台数をチェックしてみます!
初代スイフトスポーツ(HT81S型)

初代スイフトスポーツは2003年6月に実施されたスイフトの一部改良のタイミングで追加されました。ベースとなったスイフトは5ドアハッチバックボディのみとなっていましたが、スイフトスポーツは日本国外仕様に存在していた3ドアハッチバックのボディを使用しているのが大きな違いです。
さらに、オーバーフェンダーやエアロバンパーなどで武装し、パフォーマンスロッドを装着してボディ剛性を強化。サスペンションも当然ながらスポーティな専用品が奢られ、車内にはレカロシートが2脚標準装備されていました。
そして、エンジンはこちらもベースモデルには存在しない1.5LのM15A型をベースに、アルミ鍛造ピストンや高圧縮比化、ハイオク仕様への変更、専用ECUの採用などで、115psを発生するまでにチューニング。
それに合わせてトランスミッションもクロスした5速MTのみの設定とし、リアブレーキもドラムからディスクへと変更されるという大幅な変更がなされていながらも、なんと119万円という低価格を実現していました。
そんな初代スイフトスポーツの中古車は、執筆時点でなんとわずか9台。気づけば20年以上前にデビューしたモデルということもあり、店頭に並ぶような状態の個体はかなり減っていると言えるでしょう。
もはやネオクラシックに足を踏み入れている年式ということもあり、安い物件は総額50万円以下で狙えるものもある一方で、状態の良いものや走行距離の少ないものは100万円に近いかそれ以上のプライスとなっているものも登場してきています。
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スズキ スイフト(初代)×スポーツ系グレード2代目スイフトスポーツ(ZC31S型)

2代目スイフトスポーツは、2005年9月に登場。先代とは異なり、使い勝手も兼ね備えた5ドアハッチバックモデルとなり(海外では3ドア仕様も存在)、エンジンも100ccアップの1.6LのM16A型となりました。
エンジンは初代と同じく鍛造ピストンや高圧縮比化、ハイオク仕様化といった専用チューニングを実施し、インテークマニホールドはアルミ製の専用品を備えます。さらに、マフラーは専用の左右2本出しとなり、それを装着するためにリアフロアが専用設計となるこだわりぶりで125psを発生させていました。
トランスミッションはクロスレシオ化された5速MTの他、4速ATも用意してより幅広いユーザーに対応したのも特徴。
足回りは当然ながら専用チューニングのものが採用され、ダンパーはモンローを採用。ブレーキは先代と同じくリアをディスク化し、ハブはベースの4穴から5穴仕様にして強化するという本格派だったのです。
そして2007年5月の改良では、一部のユーザーから不満の上がっていたギア比に変更がなされてよりクロスレシオとなった他、レッドゾーンとレブリミットの両方が引き上げられ、足回りも見直しがなされるなどよりスポーツ度が高められる変更がなされていました。

そんな2代目スイフトスポーツの中古車は、執筆時点で162台の掲載があり、支払総額は20万~140万円台と非常に幅広くなっています。
ただ、高額な車両は走行距離が1万km未満のものであったり、過給機チューンなどがなされたチューニングカーであったりと特殊なもので、ほとんどの物件は100万円以下で狙うことができます。
50万~70万円ほどの予算があれば、比較的走行距離の少ない改良後のモデルも狙うことができるでしょう。
そのキャラクターからAT車の掲載台数は少なめで、執筆時点では29台。ただ、希少ではあるもののAT車の方が安く、車両状態が近いMT車にくらべ10万~20万円は安いイメージとなっています。
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スズキ スイフト(2代目)×スポーツ系グレード3代目スイフトスポーツ(ZC32S型)

続く3代目モデルは2011年11月に登場。基本的なスタイルなどは先代のキープコンセプトとなっていましたが、トランスミッションがMTを6速に多段化、2ペダル車はCVTに変更されました。
また、エンジンはM16A型を継続するものの、新たに可変吸気システムを採用し、吸気VVT制御の最適化やバルブリフト量の増加などの改良を行い、1.6LのNAエンジンながら136psという高出力を実現していたのも特徴でした。
さらに、ボディ剛性の向上や安全性の確保などをしつつも軽量化を実現し、先代モデルよりもMT車で10kg軽量な1050kgという車重を実現。軽量ホットハッチとして戦闘力を高めていたのです。

そんな3代目スイフトスポーツの中古車掲載台数は、執筆時点で318台と比較的多め。価格帯は総額40万円台から200万円超となっていますが、こちらも高額車はチューニング済みのものが中心です。
高年式車はまだ高値安定となっていますが、3代目は2代目のように改良で機能などに変更があったワケではないので、初期型に近い年式の低走行車が狙い目。
2013年式くらいまでのモデルであれば、MT車でも走行距離5万km以下の物件でも100万~120万円ほどで見つけることができるのです。
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スズキ スイフト(3代目)×スポーツ系グレード4代目スイフトスポーツ(ZC33S型)

現時点では最後のスイフトスポーツとなっている4代目モデルは、2016年12月に登場。
ベースとなる4代目スイフトが販売終了し5代目へとフルモデルチェンジしたあとも、このスポーツは販売が継続されています。2024年12月には特別仕様車の「ZC33S Final Edition」が発表されたのも話題です。
それまでかたくなに5ナンバーサイズをキープしてきたスイフトスポーツでしたが、4代目はコーナリング性能の向上などを狙ってトレッドを拡大し、それに合わせて全幅が1735mmとなって3ナンバーサイズボディとなりました。
その一方で、エンジンは1.4Lへとダウンサイジングがなされた上でターボ化をし、最高出力は140psと先代比+4psにとどまりますが、最大トルクは160N・mから230N・mに大幅にアップ。
さらに、プラットフォームを軽量高剛性な「HEARTECT(ハーテクト)」に一新したことで、MT車で970kgと軽量だった先代よりもさらに軽量となり、自動車税も重量税も先代よりも1クラス下になったのは魅力でしょう。
トランスミッションがMT車は6速を継続、2ペダル車では新たに6速ATとすることで、2ペダル車でもよりスポーティな走りを楽しむことができるようになった他、スイフトスポーツとしては初の運転支援システムの「スズキセーフティサポート」が設定されたのもトピックです。

中古車の掲載台数は714台となっており、価格帯は総額90万~360万円台と高いものは新車価格を大きく上回っています。ただ、こちらもチューニングショップのコンプリートカーなどが中心で、それ相応のアフターパーツが装着されているものが中心です。
4代目スイフトスポーツの生産は2025年2月で終了しており、わずかに登録済未使用車が掲載されていますが、こちらは総額で230万円台が中心で、新車の乗り出し価格と大差ないもの。
ただ今後、新型スイフトスポーツが登場しないなどの状況によってはプレミア価格となる可能性もあるので、4代目を狙っているのであれば早めにアクションした方が良さそうです。
逆に安いものでは走行距離が10万kmを大きく超えているような物件であれば、MT車でも総額100万円前後で狙うこともできますが、予算を150万円前後まで上げることができれば走行距離3万km前後の物件も射程圏内となるので、できればこのあたりを狙いたいところです。
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スズキ スイフト(4代目)×スポーツ系グレードということで今回は4世代にわたるスイフトスポーツの中古車をチェックしてきましたが、全体に言えることのひとつが、AT車が安めということ。ただAT車でもスポーティな走りを楽しむことはできるので、AT車をオススメできないということはありません。

しかし、安いという理由で「MT車がいいけどAT車にしようかな……」という選び方は、後々後悔することになるケースが多いのでオススメできません。
また、チューニング済みの物件は魅力的にも見えますが、ノーマルとは乗り味も後のメンテナンスも異なってくるため、そのあたりをしっかり理解したうえで選ばないとこちらも後悔することにもなりかねません。
幸い、スイフトスポーツはスポーツモデルの割にノーマル状態で乗られた物件も多く存在しているので、まずはノーマルで乗り始めて、コツコツと自分色に染めていくというのも楽しみのひとつと言えるのではないでしょうか。

自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、シビックタイプRに17系クラウンなど雑多な車種を所有中。
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