【試乗】新型 ルノー キャプチャー|オススメは驚くほどきめ細やかな制御をするフルハイブリッドのE-TECH
カテゴリー: ルノーの試乗レポート
2025/08/07

パワートレインは2種類のハイブリッド
フランス車は決して嫌いじゃない。
過去にはプジョー 406クーペ(V6×MTがとても良かった)やシトロエン C6(カタチと乗り味がマッチしていた)を所有したことがある。406もC6も「フランスのエスプリを感じる」なんてことはなかったけれど、とても良い車だった。今でも中古車検索で思わず探してしまうモデルでもある。それはさておき。
エスプリ話しはフランス車通に任せておこうじゃないか。筆者自身はそこまでフランス車通ではないし、個人的にはどちらかといえばドイツ車やイタリア車、イギリス車の方を好んで乗ってきた。「そんなヤツに最新フランス車の乗り味について語らせるなよ」と思った方は編集担当を責めていただきたい。
こちらとしては生産国がどこであるかに関わらず、あくまでも人気のコンパクトSUVカテゴリーに現れた新型車という文脈で評価してみたいと思う。仏の顔も三度まで、などと言われないように。

というわけで、大胆なフェイスリフトを伴ったマイナーチェンジ版のルノー キャプチャーである。キャプチャーと聞いていまだに思い出すのが、2011年のジュネーブショーに登場したコンセプトカーだ。あのデザインは衝撃的だった。
あらためて見直しても新鮮で、今、このスタイルで出てくれたら自身初のルノー車候補に挙げると思う。14年前もこのスタイルに感動してキャプチャーという名前まで気に入り、ほんの少しだけそのデザインモチーフを採り入れた初代キャプチャーを妻用に買う寸前までいったのだから(結局、買ったのはスズキ ジムニーシエラだったけれど)。
そんな筆者にとって新型キャプチャーの顔はさほどピンとくるものではなかった。デザイナーが代わったという話も聞いたけれど、だからって必ずしも良くなるものじゃないし、そもそも昨今の新型車の複雑な表情作りにはへきえきとしている。前期もちょっと複雑だったけど、新型はさらにごちゃごちゃしていて我が家のガレージに迎え入れる勇気はない。またしてもコンセプトカーへの郷愁がぶり返したわけには、そういうこともあった。
フロントマスクとリアコンビランプのデザインを除けば、前期モデルとそう大差ないイメージだ。全長4.3m以下という大きさは相変わらず、ちょうど良い。
で、今回のポイントはエスプリ アルピーヌと呼ばれる、ちょっと何言ってるんだかよく分からないグレード名とその内容、などではなく、フルハイブリッドのE-TECHと極々マイルドなハイブリッド(MHEV)という2種類のパワートレインが用意されたことだろう。


E-TECHの制御は驚きのきめ細やかさ
見た目に2グレードの違いはない。乗り込んでみると、まずは大きな縦型センターディスプレイに目がいく。全体的にシンプルなデザインのコックピットなので、流行りの使い勝手悪い系かと初見では思ったが、実際にはタッチスクリーンですべてをまかうような設計ではなく、意外と使いやすく機能的だった。
パワートレインの違いによる走りの違いはどうか。乗り比べてみると、これが“まるで違う”ので驚いた。
まず、街中での乗り心地について、両者の差はほとんどなかった。インチアップしたこともあってか、40~50km/hあたりでは硬い印象が先に立つ。コツンコツンとショックが直に伝わる感覚は、筆者の思うフランス車のエスプリとは程遠い。
もっとも、速度が上がるにつれて、そんな硬さは和らぐ。ヨーロッパの田舎に行けば、街中30km/h規制で、集落を外れたらいきなり80km/h以上が許されるカントリーロードとなるケースが多い。なるほど日本の街中の常用域など欧州には存在しないのかもしれない。

E-TECHのきめ細やかな制御には驚かされた。とにかく四六時中、駆動システムの流れを変えているのがモニターから見て取れる。常に適切な駆動システムを採用すべく頑張っているのだ。
そのうえ、駆動システムが切り替わったことを、グラフィック表示以外でドライバーが認知することはなかった。極めてシームレスに変化している。燃費が良くなるのも当然だと感心するほかなかった。
比べてマイルドハイブリッドは、同じパワートレインを積んだアルカナに比べてモーターの出番も少ないセッティングで、どちらかというとピュアな内燃機関モデルとして楽しむことができるし、そこは悪くないのだけれど、時折ハイブリッドの制御が雑になって、妙なショックが現れることもあった。
ルノーの今を満喫したいのであれば、ためらうことなくE-TECHを選んでほしいと思う。



▼検索条件
ルノー キャプチャー (2代目)× 2025年6月~
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
ルノー キャプチャー(2代目)の中古車市場は?

2021年に2代目にフルモデルチェンジを果たしたFFのコンパクトSUV。ブランド共通のCシェイプデイタイムランプが特徴的なエクステリアは、スキッドプレートなどでSUVテイストを演出する。2022年には、F1のノウハウを生かしルノーが独自に開発した2モーターハイブリッドシステムを搭載する、E-TECHハイブリッドが追加設定されている。
2025年7月下旬時点で、中古車市場には85台程度が流通。支払総額の価格帯は160万~400万円となる。フルハイブリッドは15台程度と流通量は少なめ。
▼検索条件
ルノー キャプチャー (2代目)【試乗車 諸元・スペック表】
●エスプリ アルピーヌ フルハイブリッド イーテック
型式 | 5AA-HJBH4MH | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.24m×1.8m×1.59m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.64m |
ミッション | 4AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.54m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1420kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.17m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
ブルーアイロンM/ノワールエトワールM、ブランナクレM/ノワールエトワールM、グリラファルM/ノワールエトワールM |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 5AA-HJBH4MH |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 4AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ブルーアイロンM/ノワールエトワールM、ブランナクレM/ノワールエトワールM、グリラファルM/ノワールエトワールM |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.24m×1.8m×1.59m |
ホイール ベース |
2.64m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.54m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1420kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.17m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | H4M | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | 48リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1597cc | 燃費(WLTCモード) |
23.3km/L
└市街地:21.8km/L └郊外:23.2km/L └高速:24.1km/L |
燃費基準達成 | R12年度燃費基準 95%達成車 |
||
最高出力 | 94ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
148(15.1)/3600 |
エンジン型式 | H4M |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1597cc |
最高出力 | 94ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
148(15.1)/3600 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 48リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 23.3km/L
└市街地:21.8km/L └郊外: 23.2km/L └高速: 24.1km/L |
燃費基準達成 | R12年度燃費基準 95%達成車 |
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