レクサス IS F 【追加モデル】
カテゴリー: レクサスの試乗レポート
2007/11/01
■足回りのチューンはトヨタ系スポーツモデルの中では最高
◆コンセプト
IS500ではなく、“IS F”という新しい提案
最初の話と違うじゃないか、という思いはさておき、IS500ではなくIS Fとしたところに、レクサスのこの車に対する意気込みを見た。レクサスといえばh=ハイブリッドで先進的なプレミアム性を訴えていくという方針だったが、さらにFを加えてエモーショナル領域、つまりは運転する楽しさをも取り込もうという魂胆だ。エンジンは、600h用5Lをベースとしながらも、デュアルインテークシステムやヤマハ製カムシャフトハウジング一体型シリンダーヘッドを採用するなど、大掛かりなモディファイが加えられたもので423psを発生する。これに2~8速をロックアップ制御し直結とする8ATを組み合わせることで、トルコンAT車ながら極めてスポーティな走りを実現している。
◆室内&荷室空間
766万円の価格に見合った走りのための特別な室内
張り出したフロントフェンダーや、迫力の4本出しテールパイプ、そして19インチ鍛造BBSアルミなど、Lフィネスを昇華させたスポーティなエクステリアデザインも勇ましい。Lロゴの入った大径ブレーキはブレンボ社との共同開発だ。走りの機能はすべて、富士スピードウェイをノーマル状態で走っても10周は問題なく走れるレベルを目指したもの。ちなみにごくフツウの車では1周ともたない。内装も特別仕立て。デザインこそ標準車と同じだが、豪華なパネルや300km/hメーター、切削加工の金属製メーターリング、パドルシフト付き専用革ハンドル、本革スポーツシートなど、766万円の価格に見合う質感を手に入れようとしている。ハンドルのデザイン、質感はもう少し何とかしてほしい。
◆ドライブフィール
ATでは世界最速と言える驚愕のシフトフィール
雨のサーキット試乗ということで、報告できることは限られる。まずはエンジン。気持ちよく、ストレスなく回る。パワー感も十二分なうえ、3段階に計算されたサウンド(排気→吸気→メカ)がドライバーを相当その気にさせる。驚かされたのが8ATだ。マニュアルモードにすれば、1速のみトルコンでそこからはすべて直結。変速反応は俊敏で、シフトダウン時のブリッピングもきれいに決まる。ダイレクトなつながり感がまた、スポーティモードを盛り上げるのだ。ステアリングフィールもISとはまるで違って、剛性感が増し、手応えも十分。足回りのチューニングは最近のトヨタ系モデルの中では最良。VDIMをスポーツモードにすれば、安心してスポーツドライビングが楽しめた。
◆こんな人にオススメ
なんせ新型GT-Rとほぼ同じ価格でしょう? 選ぶほうも相当な気合がいりますね。Rとは違った大人のスポーツセダンといった装いで、性能的には価格に十分見合ったものが望めますから、例えば欧州プレミアムブランドの最高峰に憧れるような方には一考の価値があるのかも。+200万円でそれらが買えるという事実をどう解釈するかはユーザー次第でしょうけれども。主要諸元のグレード | IS F |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 8AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4660×1815×1475 |
ホイールベース(mm) | 2730 |
車両重量(kg) | 1690 |
乗車定員(人) | 4 |
エンジン種類 | V8DOHC |
総排気量(cc) | 4968 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 311kW(423ps)/6600rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 505N・m(51.5kg-m)/5200rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 8.2 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/64 |
車両本体価格 | 766万円 |
レクサス IS F 【追加モデル】/試乗レポート
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