【試乗】新型ホンダ シビック|多数派はもちろん少数派のユーザーの声にも応えたモデル
2021/11/15
▲今年9月に登場した新型シビックに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が公道試乗でレポートする11代目を迎えた新型シビックのCVTとMTに試乗
シビックは、1972年の登場以来、モデルチェンジを繰り返し11代目を迎えた。初代から目にしているだけに、最近のモデルは大きくなった感が強い。特にアメリカで販売台数を伸ばした先代から、全幅は1800mmに拡大されている。
新型シビックのキャッチコピーは、「爽快シビック」である。爽快というのは、イメージ的に気持ちよく、心地よく、軽快に走らせるイメージがある。
エンジンは、先代から引き継がれた1.5Lターボを搭載。軽量で静粛性に富み、しかも踏み込めばその分だけの出力を出せるので、爽快さを演出するにはぴったりなパワープラントだ。
個人的に本田技研工業は、エンジンメーカーと思うほど内燃機関に対する意識が高い。その証拠に、ホンダ車を試乗して耳障りなノイズを聞いたことは一度もない。それだけ意気込みの違いを見せる自動車メーカーなのだ。
今回はCVTと6MTの2車種の試乗だ。特に発売から反響がある6MTが楽しみである。

成熟したエンジンとミッションの組み合わせが◎
まずはCVT仕様から試乗する。乗り込んで感じるのは、ダッシュパネルのシンプルなクラスターと、金属のガーニッシュが新旧を共存させているということだ。どことなく軽快なイメージを与えてくれる内装に仕上がっている。
ガーニッシュの裏にエアコンの送風口があり、表に出ていないこのタイプは、シンプルだが新しさを感じさせる。しかも、出てくる風がガーニッシュに当たり、柔らかさも感じる。飽きのこない水平基調に新たなエッセンスを感じさせる。

エンジンを始動すると、アイドリングの静粛性は申し分ない。早速3人乗車で試乗スタートだ。
ゆっくりアクセルを踏んでいくと、最適なギア比を選んでスムーズな動きである。そこからさらに踏み込み、山間部の上り坂を一気に駆け上がる。息つきの間もないターボとエンジンの制御は、さすがホンダといったところだ。

そして、それ以上に驚いたのはCVTのスムーズさである。エンジンとのマッチングはとても良く、ターボチャージャのトルクを高めるタイミングとギア比の連動が素晴らしい。これだけで1クラス上の車なのではと感じさせる。先代よりもスムーズで、トランスミッションの静粛性も高い。
負荷が高いタイトな山間部を走らせても気持ちいい。爽快の一部が垣間見れる。山間部で大切なのは、ステアリングの反応から感じる安心感である。これも剛性が高く、節度ある感覚で頼れる操舵感だ。それに加え、ブレーキもコントロール性に富んでいる。

乗り心地に関していえば、フロントシートはスポーティな感覚で不満はないが、奥行き感はない。よく言えばスポーティさに初期の路面からの入力を柔らかくしたセッティングだ。
足元などの快適性は向上したが、リアシートはいささかロードノイズが気になる。1人で試乗してみて感じることは、存在感あるボディサイズと1.5LターボCVTの相性は、より成熟しているということだ。
スポーティというよりコンフォートで非常に乗りやすいMT仕様
続いて6MTの試乗だ。30%以上の方がMTをオーダーするそうで、シビックはマニア的なエッセンスもあるのだと感じた。
乗り込んでみると、内装はCVTと変わらないが、シフトレバーがより中央部にあり、動きのある操作がしやすくなっている。シフトレバーをいじり、変速のシュミレーションすると、ショートストロークで小気味いいタッチがわくわく感を高める。MT世代の我々には、FF特有のやる気が出る操作感が加わっている。

では試乗に移ろう。エンジンをかけ軽くアクセルを踏んでみる。若干マイルドなレスポンスで、乗りやすさを重視しているといったところだろう。
走り出し、1速を早めに切り上げて2速、3速へとシフトアップする。エンジン回転がシャープではないので、スムーズで乗りやすさを感じるMTだ。ギクシャク感が低減しているので、同乗者から不満の声も少ないだろう。

クラッチの切れも、スポーティなイメージからすればマイルドで、コンフォート志向であることが細部に見られる。多少シフトに重さを感じる一面もあった。
しかし、中間加速に勢いが感じられない。これは、MTならではのダイレクトなフィールを落ち着かせているセッティングだからだろう。
すなわち、MT仕様はコンフォート志向であるということになるだろう。そう考えれば、ドライバーはかまえて運転する必要がないので、不愉快な思いをせずに「爽快」な走りができるのだ、と解釈したい。
MTをスムーズに運転するのは、テクニックのひとつであると自負していたが、昨今のMTはテクニックを制御システムで後押しする印象があった。
絶滅寸前といわれるMTモデルであるが、この車種に30%以上のカスタマーがいることを考えると、シビックというモデルは、操作感を楽しめるエッセンスが入っているイメージが強いモデルなんだと感じた。
それら少数派であるユーザーに応えるホンダは、ピュアな操作感を大切にしているエンジニアが存在するのだと感じたのである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●1.5EX(CVT)
| 型式 | 6BA-FL1 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.55m×1.8m×1.42m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.74m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1370kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
クリスタルブラック・パール |
||
| オプション色 |
プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | L15C | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1496cc | 燃費(WLTCモード) |
16.3km/L
└市街地:11.7km/L └郊外:17.1km/L └高速:18.9km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 182ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/4500 |
| 型式 | 6BA-FL1 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | クリスタルブラック・パール |
| オプション色 | プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.55m×1.8m×1.42m |
| ホイール ベース |
2.74m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 車両重量 | 1370kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | L15C |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1496cc |
| 最高出力 | 182ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/4500 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 16.3km/L
└市街地:11.7km/L └郊外: 17.1km/L └高速: 18.9km/L |
| 燃費基準達成 | - |
●1.5EX(6MT)
| 型式 | 6BA-FL1 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.55m×1.8m×1.42m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.74m |
| ミッション | 6MT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1340kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
クリスタルブラック・パール |
||
| オプション色 |
プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | L15C | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1496cc | 燃費(WLTCモード) |
16.3km/L
└市街地:12.2km/L └郊外:16.6km/L └高速:18.8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 182ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/4500 |
| 型式 | 6BA-FL1 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 6MT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | クリスタルブラック・パール |
| オプション色 | プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.55m×1.8m×1.42m |
| ホイール ベース |
2.74m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 車両重量 | 1340kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | L15C |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1496cc |
| 最高出力 | 182ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/4500 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 16.3km/L
└市街地:12.2km/L └郊外: 16.6km/L └高速: 18.8km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連リンク】
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