パワーは抜群だが、乗り心地と収納に不満が……【アルトワークス編・東京スマート軽ライフ】
2016/06/22
自動車ライター、塩見智さんが軽自動車に約1ヵ月間乗り、東京での軽ライフをリポートする「東京スマート軽ライフ」。高級車が溢れる東京での軽ライフを赤裸々につづっていく。今回はアルトワークス編の第3回。

乗員を前後に揺らす動きに悩まされる
見栄の街、東京で、軽自動車に乗っていると引け目を感じるかどうかという実験を今週も継続している。前回、思ったほど引け目を感じないと書いたが、それは3週目の今も変わらない。一昨日あたりから、どうやったら「お金はあるんですけど、軽が好きで乗っているんですよ感」を出せるかに挑戦している。今のところ車外から見える上半身を小奇麗にしておくことぐらいしか思いつかないが。


当連載を始める前からアルトワークスには何度も試乗してきたが、そういえば高速道路をじっくりと走らせたことがなかった。今週は東名高速、関越道、圏央道など、関東の自動車専用道をいろいろと走らせる機会に恵まれた。高速道路でも車重670kgという軽さが利いて、最高出力64psというターボ付き軽自動車横並びのスペックでもパワー不足を感じることはない。
パワーに不満はないのだが、巡航中のピッチングの動きが気になってしかたない。ピッチングというのは乗員の頭を前後に揺らす動き。ワークスはノーマルよりも足回りが引き締まったセッティングなので、路面の不整を拾う度に車体がヒョコヒョコと動き、乗員を細かく揺さぶる。これは興ざめだ。現時点でのアルトワークスに対する最大の不満となっている。この先、他の車に切り替えていくなかで、これがアルトワークス固有の問題なのか軽全体に通じることなのか、見極めたい。
小物入れとラゲージに改良の余地あり
これはアルトだけの問題だと思うのだが、運転席まわりに使いやすい小物入れがない。小物入れはたくさんあるのだが、使いにくい。まずエアコンスイッチ類の横にあるスペース。これはCVT仕様だったらここにシフトレバーがある場所。これが容量、形ともに中途半端で、電話や財布を入れるには浅い。また底部にすべり止めがあるわけではなくプラスチック素材のままなので、何かを入れても加速するとすぐ落ちる。

センターパネルの一番下のシフトレバーの前方には、そこそこ大きい小物入れがあるが、こっちは位置が低すぎて入れにくく、入れたら出しにくい。あとはフロント左右のドアサイドにポケットがあるが、サイズは小さく、入るのは文庫本か雑誌くらい。うっかりボールペンでも入れようものなら鳥もちでも持ってこないと出せなくなる。

ラゲージにも若干不満がある。この種の軽自動車の平均的な容量が確保されているが、リアシートバックが分割可倒式ではないので、オールオアナッシングでしか使えないのだ。2人乗車と大きなスペースか4人乗車とそれなりのスペースという選択肢しかない。分割可倒式なら3人乗車となかなかのスペースというのができるのに……。サイズの小さな軽自動車だからこそ、シートアレンジによって人と荷物の積載バランスをとりたいのだが、アルトは最上級グレードのワークスであってもリアシートバックが一体型。ゴルフバッグを一つでも入れると、2人しか乗れなくなってしまう。

ただまぁ、このあたりをシンプルにつくったからこその軽量化でもあるので、難しいところだ。軽量かつスポーティな車にどこまでを求めてよいのだろうか……。
次回アルトワークス最終週に続く。
【筆者プロフィール】
1972年、岡山県生まれ。自動車雑誌編集部を経て、フリーランスの自動車ライターへ。軽自動車好き。SUV好き。「カーセンサーnet」をはじめ、「GQ Japan」「GOETHE」「webCG」「carview!」「ゴルフダイジェストオンライン」などにて執筆中。
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