6MTのインプレッサに乗る元スバルスターズは、スバリスト家系で育った生粋のスバ女だった ~クルマ “女子” き:Vol.7~
2019/10/12

自動車に移動手段以上の価値を見いだし、時間もお金も費やする、いわゆる「車好き」はほとんどが男性である。ゆえに大変貴重な「女性の車好き」、しかも男性顔負け(?)の偏愛ぶりを見せる女性を取材する企画。カーセンサーは車好き女子を、応援しています!
「マンガみたいな人」に会いに行ってみた
あまりにもスバル車が好きすぎて、大学卒業後の就職先には「スバルスターズ(普段はスバル本社ビル1階のショールームに勤務し、各種イベントなどにも出張するSUBARUブランドの公式伝道師)」を選択。
愛車は当然(?)フルタイム4WD+6MTのスバル車で、スバルスターズ卒業後は有名自動車専門メディアに編集者として転職しつつ、仕事でもプライベートでもスバル車でサーキット走行にいそしむうら若き美女。
カーセンサー編集部から最初その話を聞いた際には「……そんなマンガみたいな、っていうか男性スバリストの夢(=寝言)みたいなヒト、本当にいるのかよ!」と思わず一喝した筆者だったが、聞けば、どうやら本当に実在するらしい。
その「マンガみたいな人」こと乾ひかりさんに、とりあえず会ってみた。
▲こちらが乾ひかりさん
▲そしてこちらが愛車の「インプレッサ ハッチバックSTI」
つかぬことをお伺いしますが、ご出身は?

群馬県太田市です。SUBARUの群馬製作所がある。

……やっぱり! って、何が「やっぱり」なのか自分でもわかりませんが、太田市ではスバルの車がたくさん走ってるんですかね?

こっち(東京)でいうトヨタ車みたいな感じでしょうか。あくまで体感ですが、走ってる車の7割はスバル車、みたいな。

なるほど。そういった環境の影響でスバル車が好きになった、と。

ていうか曽祖父が中島飛行機に勤務していたとか、祖父や伯父が富士重工(現SUBARU)に勤めていた関係で、昔から「スバル」になじみが深かったというのはありますね。

な、中島飛行機というと旧陸軍の一式戦闘機「隼」とかを作っていた、富士重工の前身のひとつである、あの中島飛行機株式会社ですか!

はい。曽祖父は戦時中、エンジニアとして空冷星型14気筒エンジンとかに関わってたらしいです(笑)。

スバリストとしては超絶エリート家系ですね……。

あとはまあ父も車が好きで、わたしが実家にいた頃は2代目インプレッサのSTIとか三菱ランサー エボリューションVIIとかに乗ってました。で、一人っ子だったわたしは、そんな感じの父のスポーツセダンの助手席に乗ってあちこち出かけてたんです。

ミニバンじゃなくてインプレッサとかランエボが乾家のファミリーカーだったんですね。乗り心地とかは大丈夫でしたか?

ぜんぜん快適でしたよ。ていうか、インプとかランエボで車というものを刷り込まれましたので、私にとって車とは「おっきなウイングが後ろに付いてるMTのセダン」のことなんです、いまだに(笑)。

超エリート家系だ……。



そんなこんなで子供の頃から車は好きだったんですが、ハタチぐらいまでは「欲しいけど、まあ無理だな」って思ってたんです。その頃は大学入学のため東京に出てきてましたから、東京って月極駐車場とかめちゃ高いじゃないですか? だから、無理だろうなって。

それが急転直下、現在の愛車である07年式スバル インプレッサWRX STIを買うことになったいきさつは?

大学の4年生ぐらいになってスバルスターズとして就職することが決まると、やっぱり思いますよね。「あれ? もしかしてわたし、働くようになったら自分の車、買えるのかも?」って。で、そのままの勢いで社会人1年目の9月に買っちゃいました。頑張って頭金を多めに入れて、残りは短めの2年ローンで。

買うときは、このハッチバックになった世代のWRX STIを探したんですか?

や、私にとって車というのは「おっきなウイングが付いてるMTのスバル製セダン」のことなので(笑)、最初はセダンのWRXを探しました。でも予算とかサイズとかの点で「これぐらいがちょうどいいかな?」とも思い、コレに決めたんです。
ライトニングレッドというWRX STIとしては珍しいボディカラーも気に入りましたし。後ろから見るとプリッとしたトマトみたいで可愛いじゃないですか?


トマト(笑)! まあトマトはさておき、運転免許は最初からMT車が運転できるやつを取ったんですか?

それがですねえ、免許は大学1年のときに友人と一緒にいわゆる合宿で取ったんですが、すべてを友人任せにして申し込みを済ませた後になって「あれ? これってAT限定免許の合宿だ!」ということに気づきまして(笑)。仕方ないからとりあえずAT限定で取得し、2年後に限定解除しました。

そうまでして「MTのスバル車に乗りたい!」と思ったのはなんでなんですかね? 言い方を変えますと、乾さんから見たスバル車の魅力とは?




うーん、そもそもは「子供の頃の刷り込み」というのがあるんですが、最近思うのは「スバルの車って“人見知り”だな。でも、そこが逆にいいな」ってことです。

人見知りな車???

はい。今の仕事(編注・WEB CARTOPの編集部員)をしていると、いろいろな最新スポーツカーとかスポーツセダンを運転する機会が多くて、それらはもちろんどれもステキなんですが、なんかこう過剰に運転しやすいというか、MT車でもAT車みたいに運転できちゃうというか……。

ほう?

でもスバルの車って、特にわたしが今乗ってる世代ぐらいまでのスバル車って、最初のうちはちょっと運転しづらいんですよ。慣れるまではうまく動いてくれないというか。
でも慣れてくるとすっごくいい感じに動いてくれて、逆にグイグイ距離を詰めてくるんです。そこがなんか「人見知りのヒト」みたいで(笑)、わたしは逆に好きなんです。
▲「迎えにきてくれた彼女」をイメージして撮影したカット。乾さん、茶番にお付き合いいただきありがとうございました!!「今の仕事(自動車メディアの編集部員)に就いたら他の車にも目移りするのかなぁと思ってましたが、このWRXを手放してまで欲しいと思った車は、今のところ現れてません。強いて言えば、シャシーがSGP(スバルグローバルプラットフォーム)に変わる次のWRXには興味ありですが」と、真顔で言う乾さん。
見た目的にはまごうことなき「今どきの20代女性」といった感じの乾さんなのだが、その中身というか車好きっぷりな部分に関しては、「青いSTIブルゾン」を着込んでいるガチな男性スバリストとも平気で夜通し車談義(というかスバル車談義)ができそうな「熱」を、その華奢な身体の中に秘めているのであった。

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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