リーマンショックに揺れた『平成20年』。今はなきジャンルの国産名車が爆誕した!【平成メモリアル】
2019/05/17
▲次世代のシティコミューターはかくあるべし、というトヨタの思想がiQで具現化された全然「グ~!」じゃなかった当時の経済状況
それにしても人間、年を取ると時間が過ぎるのが早いのね。
ドラえもんの声が変わったの、つい最近のことだと思ってたら、もう14年もたつんだって。
つまり今ドキの若い人は、かわいい声のドラえもんしか知らないってことだよね。
軽く泣けます。
さて【平成メモリアル】企画もついに第20回目。
まだまだ先は長いけれど、残り3分の1と少々……ということじゃないですか。
【昭和メモリアル】だったら大変なことになってたね。
週一連載で丸々一年やっても終わってない。
上皇の生前譲位に感謝! というわけで今回は平成20年編です。
平成20年は西暦にすると2008年。
この年、世界経済では大変なことが起きました。
そう、リーマンショックです。
アメリカの投資会社「リーマン・ブラザーズ」の倒産に端を発した金融危機ですが、日本にも大きな影響があったのはご存じのとおりです。
この前年、都内に東京ミッドタウンができたりして、バブル景気崩壊からようやくちょびっとだけ景気良くなってきたかなーというところでの、この大打撃。
車業界も新世代のスポーツカーが、次々に発売され始めた頃の出来事でした。この年の新語・流行語大賞はエドはるみの「グ~!」だって言うんだから、10年ひと昔とはよく言ったものです。
くしくも価格帯高めの車が多数登場
▲当初、努力義務として導入され、2008年に表示義務化。しかし翌年には再び努力義務に戻るなど紆余曲折があった高齢運転者標識。2011年にはデザインも四つ葉のクローバーをモチーフとした現在のものに変更された 直接、給料が減ったというわけではなくても、世間を景気後退ムードが覆ったせいで、車の生産台数もガクッと落ち込んでしまいました。
ちなみに後部座席のシートベルト着用義務化、高齢運転者標識(通称もみじマーク)の表示義務化(翌年、義務から努力義務に変更)など、道路交通法が大幅に改正されたのも、この年です。
そんな経済状況下でも、新車は例年どおりのペースで登場。
13代目クラウンや2代目アルファード&初代ヴェルファイア、2代目アテンザ、3代目キューブ、6代目フェアレディZなど、今見ても魅力的なモデルが数多く市場投下されました。
見た目から想像するより、ずっと広い車内が自慢
▲巧みなデザインによって車高を低く見せているが、実は全高1660mmもあるエクシーガ。そのため頭上空間も余裕タップリ この時期、RV(SUVやミニバン、ワゴンなどの総称。当時すでに死語)も淘汰が進んで、ステーションワゴンや背の低いミニバンは人気がなくなりつつありました。
でも、使い勝手の良さと、乗用車的な乗り味を両立しているという点では、十分に存在価値のあったジャンルだと思うんだよね。
そんなローシルエット・ミニバンの傑作がスバル エクシーガ。
何といってもスバルが唯一、自社開発した国内市場向けの7人乗りミニバンだよ(……ドミンゴってのもあったけど、あれはミニバンじゃないからネ)。
背が低く見えるのに、居住空間の広さはサードシートまで含めて大健闘したもの。
水平対向4気筒エンジンなど、レガシィツーリングワゴン譲りの走りも魅力でした。
デビュー当初はリーマンショックのせいもあって販売に伸び悩んだけど、その後、改良を重ねて人気を獲得していった、という実力派なのです。
よって平成20年生まれの私的トップ3、第3位はこの車に。
アクの強いフェイスと独創的なパッケージが個性
▲ヘッドライトがボディサイドにまで回り込むようなデザインが特徴的なビアンテ。ミニバンながら着座位置が低く、乗用車的なドライビング感覚も長所 続く第2位も、ローシルエット・ミニバンから選んじゃう。
マツダのビアンテです。
くぅ、我ながらツウなセレクト。
見てくださいよ、このフロントマスク。
今のマツダでは絶対に採用されないチャレンジングなデザインじゃないですか?
なんでもデザイナーは歌舞伎の隈取りを意識したらしいです。
後列になるほど段々高くなっていくシート配置、左右スライドさせてキャプテンにもベンチにもできる2列目シートなど、パッケージも独創的でした。
保安基準が今とは違っていたこともあって、この頃のミニバンはシートアレンジの自由度が高かった。
中古車だからこそ選べるモデルでもあります。
未来のモビリティ感たっぷりなデザインは今見ても新鮮!
▲抜群の小回り性能を発揮するコンパクトボディ。これで4人乗れちゃうんだからスゴイ! さてさて、ミニバンが2台続いたところで、トップの栄冠はどのモデルに?
ジャンルをガラッと変えて、トヨタ iQにしちゃいましょう。
軽自動車より寸づまりな全長3m以下のボディに、頑張れば4人乗れる、頑張らなくても3人は乗れる車内空間を実現したiQ。
でも全幅は小型乗用車枠ギリギリ、という従来の価値観にとらわれないボディサイズは天才的といえます。
当時のプレスリリースによると、内外装のデザインは「巻き貝や波紋などを基に造られた数理モデルを用い、自然界の造形美を活かした」そうですが、ソラマメみたいにキュートで、これもまたイイ。
走らせるとこれがまた未体験の感覚で、「都市部の移動はコレでいいじゃん!」と思わせてくれるほど機動力抜群。
軽自動車よりコンパクトなのに、税金は軽より高い……というビミョーな立ち位置のせいで大ヒットには至りませんでしたが、間違いなく名車です。
11年前って最近のように思えるけど、こうして当時登場した車たちを眺めると、やっぱり現在とは違うね。
なんだか今よりも個性的でバリエーションに富んでる気が……。
そんなモデルも含めて、幅広い選択肢から選べるのが中古車の魅力です!

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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