クーペとロードスターの密接な関係 アウディ TTロードスター【懐かしのコンセプトカー】
2010/03/01
アウディ TTS(1995年東京モーターショー)→TTロードスター(2000年)
左下の写真が、1995年の東京モーターショーで出展された、TTSだ。青いボディカラーが印象的であった。その後1999年の東京モーターショーでも、すでに販売が開始されていたTTクーペの横に、TTロードスターが参考出品された。そして2000年から、TTロードスターとして国内販売が開始されている。
TTクーペをベースに、並行して開発が進められたTTロードスター。5年の歳月を経て、市販化される。一方、ベース車のTTクーペは、1995年のフランクフルト・モーターショーのお披露目から3年でシリーズ生産が開始された
TTクーペから流れる血脈
右の写真は、1995年にフランクフルト・モーターショーで発表された、TTデザインスタディモデルだ。これがベースとなって、TTSが生まれ、最終的にはTTロードスターへと進化していった。デザインスタディモデル、TTS、そしてTTロードスターに、太い血脈が流れているのがおわかりになろう。
このTTSは、TTクーペと並行して開発されていたもので、周囲から市販化を望まれていた。TTSのサイズは全長×全幅×全高が4002×1751×1346mm。市販化のTTクーペより多少コンパクトではあったが、ほとんど変化はなかった。また、エンジンも、のちの市販車と同仕様のものが搭載されており、走りには自信がある、とうたわれていた。
“アウディ・デザイン”を凝縮
販売開始当初の1.8Tクワトロのスペックは全長4060×全幅1765×全高1340mm。1.8L直4DOHCターボエンジンに6速MTが組み合わされていた。駆動方式はクワトロというからにはもちろん、フルタイム4WD。新車時の販売価格は500万円だった。ルーフは電動開閉式を採用。
手頃なサイズと価格設定で、所得に余裕のある「独身貴族」と言われるような層が好んで乗っていたことを記憶しているが、恥ずかしながら筆者の周囲には、存在していなかった。
価格は別としても、そのサイズは手頃で、アウディらしい質感の高いオシャレ加減は“アウディ・デザイン”そのものであり、輸入車ならではの雰囲気にあふれていた。とくにレザーの内装は、“野球のグローブ”を思わせるデザインで、多くの注目を集めていた。
2006年に2代目へと引き継がれたのだが、そこでボディサイズは一気に拡大してしまった。個人的にはTTの良さが半減したような感想をもった。しかしいざ運転してみると、これが結構視認性や取り回しがいい。日本車のクーペ/ロードスターは、とかく視認性が悪いのが目立ってしまうが、2代目TTは良かったことが印象的だった。
輸入車の世界では、もともと、クーペとロードスターは兄弟のようなものである。アウディ然り、プジョー然り、フィアット然り…。この、クーペ/ロードスターというセットモデルは、日本車ではほとんど見られず、クーペ、あるいはロードスターと、単体で開発されてきた。
セットであっても単体であっても、クーペやロードスターのようなモデルは、細々ながらも継続してラインナップし続けていくことが大事だ。その理由は、ある期間やめていて、「さあこれからクーペ/ロードスターの時代だ」といっても、伝承されるべきノウハウは途絶えてしまっているからだ。そしていま新興国ではクーペ/ロードスターがひそかにブームになろうとしている。これに対して、日系メーカーは素早い対応ができるのだろうか。
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
【悲報】日産 GT-R(R35型)が生産終了……今こそ中古車状況をチェック&賢い狙い方を考察!
BMWのMとは違う“絶妙”な味を堪能できるオススメの「BMWアルピナ」モデル5選【2025年最新版】
Cクラスはもはや大きすぎる……ならお得に買えるCLAクラスかAクラスセダンはどう? モデル比較、オススメの狙い方を解説
えっ、現行型ジムニーが100万円台前半から買える? 流通台数も4000台を突破した中古車状況、オススメの選び方を解説!
【試乗】新型 ランボルギーニ ウルスSE|普段使いはほぼモーター! スーパーカーの速さを備える800psのスーパーSUVはハンドリングも燃費も上々
20代の若者が磨き上げた、令和のいすゞ ピアッツァネロ(初代)
ついに憧れのレクサス LXが買いやすくなってきた! 1年間で140万円近く下落した高級SUV、中古車状況やオススメの狙い方を解説!
レクサス RXの中古車平均総額が約80万円ダウン! 憧れの高級SUVの中古車状況や、オススメの狙い方を解説
【試乗】新型 ボルボ XC60|軽快感はそのままにさらに静かに進化。ベストセラーミッドサイズSUVがマイナーチェンジ
【試乗】新型 ルノー キャプチャー|オススメは驚くほどきめ細やかな制御をするフルハイブリッドのE-TECH