第174回 ホンダ フィットアリア(絶版) 【おいしい中古車】
2011/05/20
■ステーションワゴン的使い方もできるコンパクトセダン
メーカーを問わず、車には派生車というものも存在します。ホンダフィットでいえばフィットアリアがそれにあたりますが、フィットが大ヒットした一方でアリアはさほど振るいませんでした。そのためか、中古車市場では30万円以下でも程度の良さそうな中古車が狙えるなど、注目すべき存在となっています。フィットのセダン版であるフィットアリアが登場したのは2002年12月。開発コンセプトは「先進スモールセダン」で、これまでのスモールセダンの常識を打ち破り、さまざまな生活シーンにおけるセダンの利用価値を飛躍的に高めることを目的に開発されました。
「フォワード・ビッグキャビン」をテーマに、スモールセダンの先進フォルムを追求。斬新さと力強さを調和させたスタイリッシュなフォルムを実現させた(左右)
フィットのウリといえばセンタータンクレイアウトを採用したパッケージングですが、それはフィットアリアも同様です。燃料タンクをフロントシート下に配置したことで、後席からトランクまでの自由度が飛躍的に向上し、セダンとしては考えられないほど多彩なシートアレンジを可能にしています。
セダンのシートアレンジの良いところと言えば、後席の肘掛けがトランクとつながって長尺物が積めるというところ。しかしフィットアリアはセダンでありながら、3つのシートアレンジモードをもっているのです。
まず一つ目の「ユーティリティモード」は、後席シートをバタンと前に倒すことができるモード。こうすることでステーションワゴンのような使い方ができます。2つ目の「ロングモード」は、そこからさらに助手席を倒した状態のことで、その長さは2710mmにもなり、サーフボードなどの大きい長尺物でも積むことができます。
3つ目は「トールモード」で、後席シートをチップアップすることで高さ1245mmのスペースを創出。観葉植物など背の高い荷物にも対応してくれます。このようにフィットアリア最大の魅力は、セダンでありながらセダンの域を超えたパッケージングをもっていることにあるのです。
エンジンは1.3Lと1.5Lの直4で(2005年10月以降は1.5Lのみ)、ミッションは全車CVT。10・15モード燃費は1.3Lモデルで20.5km/L、1.5Lモデルで20.0km/Lと、本家のフィットより車重が重いながらも、なかなか健闘しています。
インテリアのテーマは「モダン・コンフォート」で、先進感を演出しつつ、上質な空間に仕上げている(左・中) 多彩なシートアレンジはフィットアリアの真骨頂(右)
■修復歴なし+走行4.3万kmで29.8万円!
さてそんなフィットアリアですが、冒頭でお伝えしたとおりかなり狙い目の存在になってきています。具体例を挙げて紹介しますと、1.5Lエンジンを搭載した2003年式の1.5W。このグレードの当時の新車価格は139.8万円ですが、修復歴なし&走行4.3万kmの中古車が29.9万円なんです。とにかく安くて扱いやすいサイズのセダンを求めている人はもちろん、「人と荷物は分かれた場所に」と考えながらも、ステーションワゴン的な使い方もしたいという人には、自信をもってオススメできる一台です。
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第174回 ホンダ フィットアリア(絶版) 【おいしい中古車】/旬ネタ
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