ハスラーの4WDは釣り車界のイチローだ!?
2015/05/20

渓流釣りに4WDは必須。しかしデカいクロカン四駆は使いたくない……
筆者の釣りスタイルは基本的に東京の港湾部でシーバス(スズキ)を狙うか、もしくは千葉県房総半島あたりのサーフ(砂浜)でヒラメなどを狙うかというものなので、釣り車は特に4WDである必要はない。雨後のボコボコ道を走ったりもするのでさすがにスポーツカーだと厳しいが、それなりに最低地上高がある車ならば駆動方式はFFで十分。つまり、今乗っている旧型ルノー カングーのような車で十分ということだ。
しかし過日、生まれて初めて東北の山中にて渓流釣りをやる機会があった。現場へはカングーで行ったのだが、正直死ぬかと思った。
林道でツルツル滑ってしまうという問題については「速度を落とす」ことであらかた解決するが、高低差のある超タイトコーナーをゆっくり曲がる際に前輪が完全に空転してしまった際は、「……わたしはこの誰もいない田舎道から二度と抜け出せないのではないか?」という恐怖に襲われた。筆者が今後も渓流釣りを続けるかどうかは不明だが、もしも続けるのであれば、釣り車は4WDであることが必須であると感じた。それも大柄なクロカン四駆ではなく、できれば軽自動車ぐらいの小さな4WDがいい。
なぜならば、渓流の釣り場へ向かう林道には筆者のカングーが立ち往生したような狭~い箇所というのがそこかしこにあるため、大柄なクロカン四駆ではかなり難儀するからである。大柄な四駆で渓流釣りをしている人もいるので不可能ではないのだろうが、小ぶりな車の方が渓流釣りにおける「機動力」が増すことは間違いないはずだ。
で、そうなると自動的に「うむ、渓流釣りに使うならスズキのジムニーに限るな」という声がどこかから聞こえてくる。確かに、軽四駆における不朽の名作であるジムニーは素晴らしい林道マシンであり、同時に最高の渓流釣りマシンなのだろう。その点については筆者も完全に異議なしである。
しかし、これはあくまでも個人的な趣味嗜好だが、ジムニーというのはどうも「一芸マシン」のような気がしてならない。林道を走らせたら天下一品だが、それ以外のシーン、例えば平坦な高速道路などはあまり得意ではなく、かつ燃費もイマイチという……。もちろん、好きな人からすると「そこがいいんじゃないか!」となるのだろう。しかし筆者は個人的に、野球でいうイチロー選手のような「打って良し、走って良し、守って良し」の現代的な選手(釣り車)が好きであり、またそういった“選手”を求めるアングラー(釣り人)は多いのではないかと推測しているのだ。
ということで、ここのところ「イチロー的な4WD」をずっと探してた筆者のアンテナに引っかかったのが、「スズキ ハスラーの4WD」だった。

ビスカスカップリング式ではあるがそれなりの4WDシステムを備え、「ヒルディセントコントロール」と「グリップコントロール」という本格的なオフロード機能も付帯。それでいて高速道路や峠の舗装路でもなかなか優秀な走行性能を披露し、燃費も「660 G 4WD」のCVT車ならJC08モードで28~30.4km/L(30.4km/Lは2015年5月以降のS-エネチャージ搭載モデル)と十分以上。ついでに言えばスタイリングも現代的で非常に好ましい。
そして、中古車相場も最近やっと下がりはじめた。
ご承知のとおり自動車各賞を総なめにしたハスラーは中古車市場でも人気が高く、一時期の中古車価格は新車価格とさほど大きくは変わらなかった。しかしデビューから約1年半が経過した今、ハスラー4WDの中古車相場はそこそこ安くなってきている。具体的には2015年5月15日現在、2014年式660 G 4WDの平均価格が約130万円。そのぐらいであれば中古車ならではの買い得感もまずまずあり、そして釣り車として使い倒すにも心理的抵抗は少ないはずだ。
……ただ、ここ最近安くなっているのはノンターボの660 G 4WDとX 4WDであり、人気の高いターボ系はほとんど平均価格が下がっていない。具体的には660 Gターボ4WDの平均価格は同じく5月15日現在約150万円であり、その価格は2ヵ月以上横ばいというか、実は微妙に上昇している。
さて、林道の上り坂では正直ターボが欲しいところであり、しかしターボを選ぶとなると「中古車らしい割安感、お得感」のようなものが若干薄れてしまう。……難しい問題だが、それでもハスラー4WDという車の「イチロー的な総合力」は注目に値すると思うのだが、どうだろうか。
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