デイムラーの絶滅危惧車・スーパーV8は、職人技とジャガーらしさが融合された1台
2019/12/13

掲載台数10台程度!絶滅前に狙いたい「デイムラー スーパーV8(絶版)」
最近、新型車の投入がないジャガーが抱える最高級ブランド、デイムラー。旧型モデルのXJベースはまだ高値で販売されているが、旧々型は安さが目立つようになってきた。
それこそ100万円未満でも購入できてしまう。
旧々型XJベースのデイムラーは、前期型は排気量6LのV12エンジンを搭載していたが、後期型では排気量は4Lとダウンサイジングされスーパーチャージャー付きのV8 エンジンを搭載していた。
これは同時期のジャガーXJRと同じパワートレインだ。最高出力375psのスーパーチャージャー付きエンジンには、M・ベンツ製の5速ATが組み合わせられていた。
ジャガーXJRの0→100㎞/h加速が5.8秒だったことを考えると、デイムラー スーパーV8は6秒前後だった、と推測できよう。
サスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リアがウイッシュボーンでCATSとよばれる電子制御式となった。
ジャガーの創業者、サー・ウィリアム・ライオンズが承認して製造されたのが、旧々々型のXJシリーズだった。その次のXJシリーズは進化したとはいえ、低く流れるようなラインと前後を細く絞ったデザインを踏襲していた。
どの角度から見ても、動物のジャガーが“伏せ”をしている状態がモチーフになっていることがわかった。
旧型XJシリーズは、ライバルの高級車と肩を並べる性能ぶりに進化したが背が高くなり、いわゆる昔ながらの“ジャガーらしさ”は薄れた、と言えるかもしれない。


職人技とジャガーらしさの融合
インテリアに目を向けてみるとバーウォールナットウッドパネル、コノリーオートラックスレザーといった最高級素材が惜しげもなく奢られている。
木目パネルの象眼加工の美しさたるや、職人の技芸と呼ぶにふさわしい。
つまるところ、ハードウエアは当時の最新技術をふんだんに取り入れながらも、古き良き職人技とジャガーらしさが混在していた車でもあったと言える。
クラシックカーの要素を含みながらも、古くさすぎないメカニズムで快適なカーライフが過ごせるだろう。
余談だが、エリザベス女王が同モデルを自らハンドルを握る姿、昔はよく報じられていた。
ちなみに生産台数はショートホイールベースモデルが76台、ロングホイールベースモデルが2387台。万単位で売れる高級車の中では希少性が高い、と解釈できなくもない。
なぜ現在、デイムラーが最新モデルを投入しないかというと……、ジャガーによる「デイムラー」の商標登録利用が2009年にアメリカで否決されたから、かもしれない。
今後、新しいデイムラーが登場するのか否か定かではないが、一応「ザ・デイムラー・モーター・カンパニー・リミテッド」として会社だけは存続している。
そんなレアでかつての高級車だったスーパーV8、ネオクラシックな雰囲気に浸れることは間違いない。
王室御用達車が100万円前半から狙える!
中古車相場は77万円から315万円と幅広い。ただ、315万円の物件はカスタマイズがほどこされたもので、それを除くと160万円未満の値付けとなっている。
年式や走行距離と中古車販売価格の相関性はさほどないのも、デイムラー スーパーV8の面白いところ。ボディカラーや内装色、整備記録簿の有無、とこだわりの条件で自分好みを検索してみてはいかがだろう?
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!

▼検索条件
デイムラー デイムラー(1997年10月~2005年6月生産モデル)×全国
自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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