実態調査▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「輸入車」

輸入車は高額イメージが先行!? 価格重視派が国産推しのワケ

リクルート自動車総研が行っている『中古車購入実態調査』の「直近で購入した車で重視したこと」という質問で、20%以上の人が「価格が安いこと」と回答。そのうち70%以上が国産車を購入しており、輸入車は3.1%という結果に。
 

実態調査

これは輸入車=高額、価格を重視するなら国産車という先入観があるからではないではないでしょうか。輸入車を選ぶ人の中には、新車に乗ることをステータスとする高所得者層が一定数いて、新モデルが出るとすぐに乗り替える人もいます。そういった例もあり、輸入車=高額というイメージが根付いているのかもしれません。

また、過去のイメージで中古輸入車は修理歴が不透明なものが流通していたり、修理時の部品代が高額になる、と感じている方も多いのかもしれません。
 

思い込みはもったいない! 中古車輸入車は想像以上にお得

前述の裏を返すと、中古輸入車は国産に比べて需要が低く価格が下がりやすいということ。つまり、新車価格からの値落ち率が高く、お得に購入できるモデルも多いのです。

例えば、似たようなサイズのSUVの支払額を比較すると、メルセデス・ベンツの現行型GLAクラス「GLA180 AMGラインパッケージ」の新車の車体本体価格は658万円。原稿執筆時点のカーセンサーnetを確認すると、同グレードの2024年式で走行距離3万㎞未満の支払い総額は約483万円で約170万円のダウン。

トヨタの現行型RAV4「2.0 G 4WD」の新車の車体本体価格は369.5万円。同様にカーセンサーnetでは、同グレードの2024年式で走行距離3万㎞未満の支払い総額約360万円があり、約10万円のダウンとなっています。一緒くたにすることはできませんが、これだけ差があるとお得感もずいぶん変わりますよね。
 

実態調査▲写真はメルセデス・ベンツ GLAクラス(2代目)

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メルセデス・ベンツ GLAクラス×全国
実態調査▲写真は2025年に発売された新型RAV4(プロトタイプ)

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トヨタ RAV4×全国

また市場のグローバル化や技術進歩により、中古で流通する輸入車の品質も向上していますし、部品も手に入れやすくなっています。加えて、近年の車は1~2世代前のモデルでも十分な機能を備えているため、型落ちでも満足できることが多いでしょう。

つまり、中古車でもお買い得かつ満足できる個体に出会うことができるのです。とはいえ、すべての中古車に当てはまることですが、修理歴の有無や車の状態を事前にしっかり確認することは大事。

お得に購入できるのが中古車探しの醍醐味ですので、ぜひ楽しんでください!
 

文/横田佳子、写真/メルセデス・ベンツ、トヨタ
横田佳子(よこたよしこ)

リクルート自動車総研研究員

横田佳子

「車には毎日をもっとワクワクさせる力がある!」を胸に、自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指して活動している。