XE ▲国産車やドイツ車とは異なる魅力を備えているにもかかわらず、いまひとつ知名度が低い英国の「ジャガー XE」というセダン。実は総額100万円台から狙うことも可能です。そんな知られざる逸品(?)の買い方を徹底研究してみることにしましょう!

素敵なのに、なぜかあまり知られていないジャガー XEという英国車

英国のジャガーはもちろんかなり有名な自動車ブランドですが、そんなジャガーが作っている「ジャガー XE」というセダンの存在は、意外と知られていないかもしれません。

下の写真のとおりなかなか素敵な造形ですし、ジャガーというブランドそのものも好印象なはずなのに、なぜか知名度が低いのがジャガー XEという車なのです。
 

XE▲こちらがジャガー XE
XE▲フォルムはやや4ドアクーペ的で、ボディサイズは全長4680mm×全幅1850mm×全高1415mm
XE▲レザーをふんだんに使用したインテリアも、いかにも英国モノらしい世界観(※写真は海外仕様のため左ハンドル)

ジャガー XEは、2015年に発売されたDセグメントの英国製4ドアセダン。「Dセグメント」というのは、メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズぐらいのサイズ感および車格感となる車が属するカテゴリーのようなものです。

つまり、ジャガー XEは「アッパーミドルサイズのちょっと高級なセダン」ということで、ボディサイズは小さすぎず大きすぎない、ほどほどに立派な体格という大きさ。

搭載されるパワーユニットの詳細はグレードや世代によって様々ですが、基本的には2Lのガソリンターボエンジンまたはディーゼルターボエンジンを搭載。英国のジャガーは「上質さ」を大切にしているブランドですが、同時にスポーティであることも重視しているブランドであるため、ジャガー XEの内外装デザインと走行フィールも「上質だがスポーティ」といったニュアンスに仕上がっています。

実は今、こんなに素敵でブリティッシュなセダンが、中古車でとってもお安く買えるんです。この記事では、そんなジャガー XEの上手な選び方を真剣に模索してみます!
 

XE▲シックなれんが造りの建物を背景にすると妙に映えるのは、やはり英国車だからでしょうか!

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ジャガー XE(初代)
 

モデル概要:ジャガーXEってどんな車?

ジャガー XEは、先述したとおりメルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズなどの超強豪がひしめくプレミアムDセグメントというマーケットに所属するFRレイアウトのスポーツサルーン。「長いホイールベースと低いシートポジションによって、完璧なプロポーションとクーペのような流線型のシルエットを実現した」というXEは、モノコックボディ全体の75%以上がアルミ材で構成されています。

2014年に先行予約受注が行われた「ファーストエディション」のエンジンは、ポートフォリオ/ピュアと同じ200psの直4ガソリンターボ。その後やや遅れて用意された2L直4ディーゼルターボエンジンの最高出力は180psでした。トランスミッションはいずれも8速ATです。

その後、グレードの追加やマイナーチェンジを実施し、インテリアの細かな部分を変更するなど走りの部分も快適性も向上を図っています。

XE▲こちらは後期型。前後バンパーのデザインを変更した他、レンズの外側から底部にかけて光源を設けた「Jブレード」デザインのLEDヘッドライトが採用されている

2019年8月にはマイナーチェンジが施され、デザインがよりパワフルかつダイナミックにアップデート。

2021年5月に導入された2021年モデルではディーゼルエンジンが最高出力204psのマイルドハイブリッド機構付きになり、同年11月に発表された2022年モデルでは、上級グレードの装備レベルを向上させるなど、プレミアムと呼んで差し支えない装備や走りを楽しめるのが特徴です。

そんなジャガー XEですが、いったいどんな選び方が良いのでしょうか? 次項から解説していきましょう。

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ジャガー XE(初代)
 

選択肢①:「とにかくお安く!」と言うなら総額100万円台の20d系または20t系

高額な物件は総額500万円以上となることもあるジャガー XEですが、お手頃価格な物件も多数流通しています。

その中から「とにかく安く手に入れたい!」と考える場合には、総額100万円台の「20t プレステージ」または「20d プレステージ」「20d Rスポーツ」がオススメとなります。
 

XE▲総額100万円台で狙える前期型のデザインはおおむねこのような感じ

車名のアタマに「20t」と付くグレードは最高出力200psの2Lガソリンターボエンジンを搭載するモデルで、「20d」と付くのは同180psの2Lディーゼルターボエンジンを搭載するモデルです。

そして車名の後半の「プレステージ」というのは装備が充実している上級グレードであることを意味し、「Rスポーツ」というのは、スポーティな形状のバンパーやインテリアなどを採用しているグレードです。

ガソリンターボとディーゼルターボのどちらを選んでもOKとは思いますが、「頼もしい走り」が堪能できるのは2Lディーゼルターボの方です。最高出力は180psと控えめですが、最大トルク(エンジンの力強さ)は4Lガソリンエンジン並みですので、とにかくラクに優雅に走ることができますし、その気になればかなり速く走ることもできます。
 

XE▲前期型の運転席まわりはこのような造形。スポーティだが落ち着きもあるニュアンスといえる(※写真は海外仕様のため左ハンドル)

中古車価格は個体によって様々ですが、基本的には総額160万円前後で、走行4万km台ぐらいの「20t プレステージ」または「20d プレステージ」「20d Rスポーツ」を見つけることができるでしょう。
 

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ジャガー XE(初代)×総額200万円未満×20t プレステージ× 20d プレステージ×20d Rスポーツ 
 

選択肢②:予算をちょい足しできるなら2018年式以降の「D180」を総額200万円台で

総額100万円台の「20t プレステージ」または「20d プレステージ」「20d Rスポーツ」も悪くない選択かと思いますが(特に20d系は素晴らしいです)、もう少しだけ予算をプラスして、総額200万円台で「車名にD180と入るモデル」を狙ってみるのも素敵です。
 

XE▲車名の表記が「20d」から「D180」に変わった世代

車名に付く英数字が「20d」から「D180」に変わった世代も、ディーゼルターボエンジンそのものに変更はないのですが、車名の英数字が変わったタイミングで装備内容がブラッシュアップされました。

具体的には、車両の周囲360度の映像をタッチスクリーンに表示し、運転操作をサポートする「フォワード・トラフィック・ディテクション」や、車線変更時の衝突回避をサポートする「ブラインド・スポット・アシスト」が新たに採用されたり、直感的なタッチ操作やホーム画面を自由にカスタマイズできる10.2インチ静電式タッチスクリーンの「InControl Touch Pro」には、運転席と助手席の乗員が同時に異なるコンテンツを見ることができる「デュアルビュー機能」も採用されています。

また総額200万円台の物件になると、総額100万円台の場合よりも内外装のコンディションが良好になり、オプション装備の内容も充実するケースが多いため、「上質で素敵なブリティッシュ気分」は100万円台の物件を購入した場合よりも大いにアガることでしょう。

一概には言えませんがおおむね総額260万円前後で、なかなかいい感じの「車名にD180と入るモデル」が見つかるものと思われます。
 

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ジャガー XE(初代)×総額300万円未満 ×D180系グレード 
 

選択肢③:ブリティッシュ気分を極めるなら2019年8月以降の後期型

「多少予算がかさんでもOKなので、ブリティッシュ気分を思いっきり堪能したい」と考える場合には、2019年8月以降の後期型がオススメとなります。
 

Aクラスセダン▲ヘッドライトの造形も変更されている2019年8月以降の世代

ジャガーは2019年8月に2020年モデルとしてXEの改良を行い、LEDヘッドライトやテールランプのデザインを変更。そしてレザーシートを全車標準装備とし、10インチと5インチの高解像度デュアルタッチスクリーンで構成されるインフォテインメントシステム「Touch Pro Duo」を採用した他、携帯端末のワイヤレスチャージング機能も搭載しました。

さらに、それまではオプション扱いだった様々な運転支援システムも全グレードで標準装備とした他、フォーマルなイメージの標準モデルに加え、新たなラインナップとして「Rダイナミック」というスポーティなグレードをシリーズを新設定したのです。

多少値は張りますがこの世代を選択すれば、標準モデルであっても「Rダイナミック」であっても、英国車ならではの上質でスポーティな世界観を堪能できるはずです。
 

Aクラスセダン▲後期型のコックピットはこのようなデザイン。レザーシートは全車標準装備になった(※写真は海外仕様のため左ハンドル)

中古車価格は、フォーマルな標準モデルの各グレードが総額220万~420万円、スポーティな「Rダイナミック」の各グレードが総額310万~530万円といったところ。後期型の目印は「少し波打った形状の、切れ長な目のようなヘッドライト」です。ぜひチェックしてみてください。
 

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ジャガー XE(初代)×2019年8月~ 
文/伊達軍曹 写真/ジャガー・ランドローバー
※記事内の情報は2025年8月6日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。