レクサス RX(現行型)▲百花繚乱なクロスオーバーSUVの中でも3代目 RXは価格、実力とも特別なモデル。デビューから2年半が経過し、中古車がグッと身近になってきた

デビュー3年目で中古車が一層狙いやすい状況に

2022年11月のデビュー以来、憧れのクロスオーバーSUVとして人気を博してきたレクサス RX(3代目)。

スポーツ性能と高級を巧みに両立するコンセプトワーク、ハイブリッド、プラグインハイブリッドを中心に展開する先進性で多くのファンを魅了してきた。

新車はもちろん、中古車でも大人気の1台だ。新車では納車までに半年近い時間がかかる状況となっている中、中古車がグッとオトクな価格帯になってきた。この1年間で中古車平均支払総額がなんと80万円近くも安くなっているのだ!

登場から3年目の現在、ついに中古車の購入チャンスかも。3代目 RXのモデル概要や中古車状況を振り返りながら、ニーズ別オススメの狙い方を見ていきたい。

レクサス RX(現行型) ▲RX(3代目)はスポーツ性能と機能性、高級感のすべてを兼ね備える1台だ

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レクサス RX(3代目)
 

モデル概要:バリエーション豊かなラインナップ

RXはもともと、ハリアーの北米レクサス版として誕生したクロスオーバーSUVだ。日本でのレクサスブランド展開開始とともに3代目が国内市場にも導入され、その後、ハリアーが独自の設計となって互いに別の道をたどっていった。

2022年11月に登場した現行型は北米専売時期を含めると5代目、国内では3代目のモデルとなる。デビュー時における最大のニュースは何といってもRX初のプラグインハイブリッドが導入されたことだ。ラインナップ全体としても、動力特性、システムの異なる3種類ものハイブリッド車を取り揃えたものとなった。

レクサス RX(現行型) ▲「Tazuna Concept(タヅナ・コンセプト)」という設計思想で車との一体感が図られたインテリア

外観ではフロントグリルとバンパー部分の境目をなくした「スピンドルボディ」が話題に。ボディサイズも全長4890mm×全幅1920mm×全高1700~1705mmという国産最高峰クロスオーバーSUVにふさわしい車格となった。

単にラグジュアリーなだけでなく、スポーツ性能と上質な乗り味を見事に両立しているのがRXを国産最高峰クロスオーバーとしている由縁だ。シャシー設計にも徹底的にこだわっており、非常に高いボディ剛性、静粛性が実現されている。

レクサス RX(現行型) ▲前席も後席もゆとりあるスペースが確保されている。車の走行状態をスピーカーからの音で強調するアクティブサウンドコントロールなど、ユニークな装備も満載だ

グレード体系はパワートレインに準じたもので、以下のとおりとなっている。

・350 バージョンL:2.5L ガソリンターボエンジンを搭載するラグジュアリーグレード。FF(2WD) or 4WD
・350 Fスポーツ:2.5Lガソリンターボエンジンを搭載するスポーツグレード。全車4WD
・350h バージョンL(2023年3月~):2.5L ガソリンエンジン+モーターを搭載するハイブリッドのラグジュアリーグレード。FF or 4WD
・450hプラス バージョンL:2.5Lガソリンエンジン+モーターを搭載するプラグインハイブリッドのラグジュアリーグレード。全車4WD
・500h Fスポーツ パフォーマンス:2.4L ガソリンターボエンジン+モーターを搭載するハイブリッドのスポーツグレード。全車4WD

Fスポーツはスポーティな内外装と、減衰力可変ダンパーやパフォーマンスダンパーといった専用設計を与えたモデル。ガソリン車の「350」に設定、「500h」は全車Fスポーツ仕様となる。

「350h」はデビューの4ヵ月後に追加されたモデルで、プラグインハイブリッドの「450hプラス」と同じパワーユニットが採用された。ただし、システム出力ではバッテリー容量の大きな「450hプラス」の方が優位だ。

レクサス RX(現行型) ▲RX(3代目)ではパワーユニットごとに異なるハイブリッド・システムを採用

3種類あるハイブリッド車の中でも「500h」はやや特殊な存在で、ハイブリッドながら動力性能に極振りした仕様。電子式4WDだがリアモーター出力を高めることでフルタイム4WD車のような駆動特性を実現している。

2025年2月の変更ではシャシー設計を見直し、よりフラットで上質な乗り味を実現するとともに静粛性を向上。さらに、「450h プラス」「350h」の4WD車にダイナミック・リア・ステアリング(DRS)を採用し、低速での取り回し性と高速時の安定性が強化された。

 

価格状況&考察:平均総額ダウンは流通量増が最大の要因

ここからはRX(3代目)の中古車状況をチェック。中古車平均支払総額ダウンの背景を分析していこう。

まず、中古車平均支払総額の推移については、1年前の2024年5月から緩やかな下降傾向が続いてきた。現在の中古車平均支払総額は842.5万円。この1年間で78.8万円もダウンしたことになる。

レクサス RX(現行型) ▲RX(3代目)における2024年7月~2025年6月の中古車平均支払総額推移

続いて中古車流通台数はどうかというと、デビュー直後から順調に増え続け、今年に入ってからさらに加速。現在の延べ掲載台数は494台と500台に迫る勢いだ。新車価格664万~903万円という価格帯の車としては、かなり多めと思ってよいだろう。

レクサス RX(現行型) ▲RX(3代目)における2024年5月~2025年6月の延べ掲載台数推移

このような状況から、価格ダウンの要因は主に中古車市場への供給量が増えたこと、またデビューからの経年によるものと推測できる。特段の事情はなく、ニーズ減やトラブルといった心配をする必要はなさそうだ。

ちなみに、中古車市場における年式別分布ではデビュー直後の2024年式が最多。グレード別分布では「500h」が全体の4割強、ガソリン車の「350」が3割、「350h」と「450h プラス」が1割強ずつ、となっている。新車価格で900万円以上する最高級グレード「500h」の割合が最も多いのは正直、驚きだ。

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レクサス RX(3代目)
 

オススメの狙い方①:価格重視なら「350 Fスポーツ」

RX(3代目)のラグジュアリー&スポーツな世界をできるだけリーズナブルな価格で手に入れたい! その気持ち、よく分かる。価格重視で選ぶなら「350 Fスポーツ」がオススメだ。

新車価格では「350 バージョンL(FF)」の方が安くなっているが、中古車市場での流通量は極端に少ない。一方で「350 Fスポーツ」は流通量が充実しており、選びやすいというわけだ。

レクサス RX(現行型) ▲車重の軽さによる軽快なハンドリング性能、ガソリンエンジンの小気味よさが「350」の魅力

例えば、2023年式・走行距離5万kmの物件で支払総額は665.1万円。他に走行距離1万km台で、総額700万円前後から狙える物件も見つかる。

機能を体感できるスポーツパーツ満載のグレードで、しかも4WDであることを考えると十分に納得できる価格帯だろう。

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レクサス RX(3代目) × 350 Fスポーツ
 

オススメの狙い方②:コスパ重視で選ぶなら「500h」

せっかくRX(3代目)を選ぶのだから、スペックも装備内容も最高レベルを求めたい! というなら、もちろん「500h」一択だ。

システム最高出力371psの加速感は強烈で、旋回性能を重視した走りはいかにも爽快。それでいて燃費も14.3km/L(WLTCモード)と決して悪くない。

レクサス RX(現行型) ▲コスパの高さだけでなく、中古車市場での供給量が多いのも「500h」の魅力

そのうえ中古車では新車価格に対する下げ幅が大きい、つまりコスパの高い1台でもある。

価格の一例を挙げると、2023年式・走行距離2.4万kmの物件で総額754.2万円。決して安い買い物ではないが、当時の新車価格は901万円なので150万円近くもオトクになる計算だ。

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レクサス RX(3代目) × 500h Fスポーツ パフォーマンス 4WD
 

オススメの狙い方③:プラグインハイブリッド車「450hプラス」もオトクな物件が豊富

一般的にプラグインハイブリッド車を中古車で選ぶとなると、選択肢がかなり限られてしまうもの。高価格帯の車ではその傾向が一層顕著だが、「450h プラス」は中古車流通量が比較的充実している。

現在の中古車市場における「450h プラス」の流通量はおよそ40台。走行距離が少なめで良コンディションの物件が揃っている印象だ。例えば2023年式・走行距離2.4万kmの物件の場合、総額688.2万円で手に入る。

レクサス RX(現行型) ▲燃費自体は「350h」同等だが、バッテリーの電力だけで80km以上(国土交通省審査値)も走れることが「450hプラス」の大きな利点

「450h プラス」は全車「バージョンL」で装備も豪華。動力性能も「500h」に次ぐもので全く不満ない。自宅ガレージに充電設備がある人ならランニングコストも抑えられ、魅力的な1台となるだろう。

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レクサス RX(3代目) × 450hプラス バージョンL 4WD

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レクサス RX(3代目)
文/田端邦彦 写真/レクサス
※記事内の情報は2025年7月30日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。