現行型レンジローバーが中古車なら1500万円台で狙えるが買いなのか!? ランドローバー最高級SUVの中古車状況、オススメの選び方を解説
2025/06/13

新車価格は中間グレードでも2000万円以上に
「スーパーラグジュアリーSUV」としては世界最高峰レベルにあると断言できる、現行型ランドローバー レンジローバー。インテリアのしつらえから走行フィールにいたるまで、乗ればそのすべてにうっとりと放心してしまいます(いや本当に!)。
しかし、ジャガー・ランドローバージャパンは2025年4月、その新車価格を改定。各グレードは100万円近くの値上がりとなりました。その結果、例えば売れ筋であるHSEスタンダードホイールベースのディーゼルターボエンジン搭載車は、2022年の上陸当初は1753万円だったのですが、直近の新車価格は2087万円。……さすがにちょっとシビれる金額です。

しかし中古車であれば、そんな現行型レンジローバーも総額1500万円付近から狙える状況ではあります。
とはいえ、1500万円台の現行型レンジローバーは「買い」なのでしょうか? また1500万円台ではなかったとしても、新車よりは大幅にお安く買う方策はないものでしょうか?
現行型レンジローバーのモデル概要をあらためて振り返りつつ、考えてまいります。
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ランドローバー レンジローバー × 現行型・5代目モデル概要:プラットフォームから生まれ変わった超プレミアムSUV
現行型ランドローバー レンジローバーは、同車としては通算5代目にあたる超プレミアムSUV。日本へはまず2021年11月にローンチエディションが70台限定で上陸し、2022年1月にカタログモデルが発売されました。
プラットフォームには電動パワートレインの搭載を念頭においた「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」というもので、ボディ剛性は従来モデルより50%向上。ハンドリングや乗り心地の改善、静粛性の向上などが実現しています。



当初用意されたパワーユニットは下記の4種類でした。
・D300:3L直6ディーゼルターボ+モーター(最高出力300ps/最大トルク650N・m)
・P530:4.4L V8ガソリンターボ(最高出力530ps/最大トルク750N・m)
・P440e:プラグインハイブリッド(最高出力440ps/最大トルク620N・m)
・P510e:プラグインハイブリッド(最高出力510ps/最大トルク700N・m)
そして基本となるグレード構成は下記の4種類で、それぞれにスタンダードホイールベース版の他、ロングホイールベース版も設定されています(※SEのロングホイール版は途中で廃止)。
・SE:標準グレード
・HES:中間グレード
・オートバイオグラフィ:上級グレード
・SV:「スペシャル・ビークル・オペレーションズ」による最上級グレード


2023年5月には一部改良を行い、プラグインハイブリッドの高出力版が40psアップの最高出力550psとなり、名称をP550eに変更。また4.4L V8ガソリンターボのP530にもマイルドハイブリッド機構が採用され、このタイミングですべてのパワートレインがハイブリッド化されました。
2024年4月の一部改良では3L直6ディーゼルターボ(マイルドハイブリッド)の最高出力が300psから350psに変更され、搭載グレードの名称もD300から「D350」に変更。そして前述のとおり2025年4月に価格改定が行われ、現在も販売が続いている――というのが、現行型レンジローバーの大まかなモデル概要です。
中古車状況:新車価格高騰の陰で中古車平均価格は順調にダウン
2025年4月の価格改定により新車の価格は大幅に上昇しましたが、その裏で中古車平均価格は順調に下落中。2025年4月には平均価格が2000万円を切るにいたっています。

そして中古車流通量も増加の一途をたどっており、2000万円級の超プレミアムモデルの掲載台数としては「非常に多い」と評することができるでしょう。
こういった状況を踏まえて次章以降、「総額1500万円台の現行型レンジローバーは買いか?」などの切実な問題について考えてまいります。

中古車のオススメ①:総額1500万円台の物件は正直どうなのか?
2025年6月上旬現在、現行型レンジローバーの中古車流通台数は約140台。その中で総額1500万円台のプライスとなっているのは約15台のみですので、「総額1500万円台の現行型レンジローバーは少なめである」というのが、まずは前提となります。
そして約15台が流通している総額1500万円台の現行型レンジローバーをグレード別に分解すると、おおむね以下のとおりになります。
・SE D300スタンダードホイールベース:7台
・HSE D300スタンダードホイールベース:8台
オートバイオグラフィなどの上級グレードやロングホイールベース版、あるいはP530などの高出力ユニット搭載車は、総額1500万円台のゾーンではほぼ流通していません。この予算帯で狙えるのは、D300(マイルドハイブリッド付きの3L直6ディーゼルターボ)を搭載するスタンダードホイールベースのSE(標準グレード)またはHSE(中間グレード)のみです。

様々な上級装備が付くオートバイオグラフィやSVは、もちろん魅力的な選択肢です。しかしレンジローバーの場合は、最廉価グレードであるSEであっても、一般的な車の最上級グレードの何倍も(?)ゴージャスな車であるといえますので、SEでも装備の内容のレベルに不満はなく、HSEであればさらに不満は覚えないはず。
そして総額1500万円台という、現行型レンジローバーとしては「最安値」といえるゾーンで流通している中古車であっても、その走行距離は数千kmから1万km台でしかない場合がほとんどです。
さらに、最高出力300ps/最大トルク650N・mを発生するD300ユニットも当然ながら十分な力感を発生してくれるということで――結論として総額1500万円台の現行型レンジローバーは「買い!」ということになります。もちろん上を見ればキリがありませんが、総額1500万円台の物件でも普通以上にステキなのです。
SEにするかHSEにするかは、好みとご縁で決めればよいでしょう。
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ランドローバー レンジローバー × 現行型・5代目 × 総額1500万円台中古車のオススメ②:総額1600万円台の予算を想定できれば選択肢は増加する
前章にて「総額1500万円台の現行型レンジローバーは買い!」という結論が出ましたが、同価格帯の物件には「流通量が少ない」という欠点もあります。総額1500万円台の物件は全体の約1割でしかないため、「近所の販売店にない」「見比べて選ぶことが難しい」などの問題が発生することも予想されるわけです。
しかし「総額1600万円台」まで想定予算を上げることができれば、それらの問題は――ある程度ですが、解決可能です。

2025年6月上旬現在、総額1600万円台で販売されている現行型レンジローバーのグレード別流通状況は下記のとおりです。
・SE D300スタンダードホイールベース:1台
・HSE D300スタンダードホイールベース:17台
・HSE P530スタンダードホイールベース:5台
・オートバイオグラフィ D300スタンダードホイールベース:3台
この価格帯でも最上級グレードのSVはまだ狙えず、上級グレードであるオートバイオグラフィの数も少なめですが、ちょうどいいあんばいの中間グレードである「HSE D300スタンダードホイールベース」の検討可能数はかなり増加します。
またこの価格帯のHSE D300スタンダードホイールベースは、1500万円台の同グレード物件と比べて「より走行距離が少ない」「オプション装備の内容がより充実している」という傾向があります。
そのため予算に余裕がある場合は総額1500万円台にはこだわらず、総額1600万円台にて走行数千kmの、シートマッサージ機能なども付いているHSE D300スタンダードホイールベースを探してみるのも悪くないはずです。
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ランドローバー レンジローバー × 現行型・5代目 × 総額1600万円台▼検索条件
ランドローバー レンジローバー × 現行型・5代目 × HSE D300スタンダードホイールベース × 総額1600万円台中古車のオススメ③:ロングホイールベースは総額1700万円台から検討可能
総額1500万円台または1600万円台で狙うことができるのは2列シート5人乗りとなるスタンダードホイールベースだけで、3列シート7人乗りまたは2列シート4人乗りの「ロングホイールベース」を見つけることはできません。
しかし予算帯をひとつ上げて「総額1700万円台」と想定できるなら、ロングホイールベース版の現行型レンジローバーも購入可能になります。

2025年6月上旬現在、総額1700万円台で狙えるロングホイールベース版の流通状況は下記のとおりです。
・SE P530ロングホイールベース:2台
・HSE P530ロングホイールベース:6台
・オートバイオグラフィ P530ロングホイールベース:1台
メインとなるのは中間グレードのHSEであり、その数も決して多いとはいえませんが、総額1700万円台という(現行型レンジローバーとしては)格安価格でロングホイールベース版が入手できるのは、悪い話ではないはず。こちらも走行距離はきわめて短いものばかりですので、ご興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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ランドローバー レンジローバー × 現行型・5代目 × ロングホイールベース × 総額1700万円台
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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