メルセデス・ベンツ S600L 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2008/09/08
※この記事はカーセンサー関東版20号2000年6月1日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
V12は走りの質が違う。高級“感”ではない本物の“高級”を味わえる
↑走り出して感じるのは、やはり12気筒ならではの滑らかさとトルク感(左)17インチホイール、グリル、ツイン・クローム・エグゾーストなどが専用デザインに(右)
圧倒的なサイズと、それを引っ張るV12気筒は先代Sクラスの象徴であった。そのコンセプトに対する反省から誕生した現行Sクラスは、サイズダウンと引き換えに12気筒モデルをカタログから落とし、代わりに知性あふれる多くのテクノロジーが盛り込まれていた。しかし、Sクラスに求められるのはやはり力ということであろうか。1999年のフランクフルトショーで追加されたのが12気筒を積むこのS600Lであり、Sクラスのトップモデルとして位置づけられる。
久々に登場したメルセデスらしいメルセデスと言える
↑インパネはかつてのSクラスに比べて華やかで若々しさを感じるデザイン(左)軽量コンパクト、しかも燃費に優れる新型V12気筒は最新テクノロジーの結晶だ(右)
エンジンは言うまでもなく新開発のV12 SOHCで1気筒あたり3バルブ。クランクケースにアルミ、インテークバルブにマグネシウムを採用するなど、先進技術を盛り込んだもので、従来に比べて約22%も軽量化していることが大きな特徴だ。5785ccの排気量から発生するパワー&トルクは従来より若干劣るものの、大きなパワーやトルクを必要としない場合に片側6気筒への燃料供給を停止する、シリンダーカットオフシステムを標準装備し燃費は最大約20%も向上しているというから文句はない。性能についてもボディが軽くなっているわけだから、大きな差はないというわけだ。内外装については基本的には現行S500Lと変わらない。
走り出して感じるのはやはり、12気筒ならではの滑らかさとトルク感だ。これまでのV8系Sクラスでも不満はないが、走りの質が違うとでも言おうか。同じような速度域でもゆとりがあり、それが高級感ではなく本物の高級を感じさせてくれると言えばわかりやすいと思う。 久々に登場したメルセデスらしいメルセデスと言えるだろう。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | S600L |
駆動方式 | 2WD(FR) |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 5165×1855×1445 |
ホイールベース(mm) | 3085 |
車両重量(kg) | 1980 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V12 SOHC |
総排気量(cc) | 5785 |
最高出力[ps/rpm] | 367ps/5500rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 54.1kg-m/4250rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 6.3 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/88 |
車両本体価格 | 1690.0万円 |
中川和昌の責任採点
コンセプト | 4点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 5点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 4点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 5点 |
前席居住性 | 5点 | ラゲージルーム | 5点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | 5点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 5点 | ステータス | 5点 |
内装の質感 | 4点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 3点 |
得点合計 | 90/100 |
メルセデス・ベンツ S600L 【プレイバック試乗記】/試乗レポート
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