【試乗】新型 Honda e|軽快なハンドリングが楽しいスポーティなシティコミューター
2020/12/06
▲今年10月にデビューした電気自動車のHonda eに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライター・松本英雄がその様子をレポートするノスタルジーを感じるが最新技術を搭載
ホンダが初めて量産型フルEVモデルを販売した。ご存じの方も多いだろう“Honda e ”である。
Honda eは、既存モデルの延長線上のデザインではなく、日本の文化と欧米のデザインをうまく融合させた雰囲気だ。例えるならば、1973年に登場した初代シビックのようなオリジナリティがある。どことなくノスタルジーを感じさせながら、最新のテクノロジーをまとっている。
試乗前に外観をチェックするため近寄って眺めると、エクステリアの質感は思った以上にいい。ボディ外板を製造する金型のつなぎ目が全くわからず、高級なドイツメーカーのような手法を採用している。
小型EVモデルだからといって、ちゃちな印象を感じない。とてもうまい作り方をしている。高いコストがかかっているのではないか、と感じるほどの雰囲気だ。
▲丸みを帯びたかわいらしいデザインでもあるそしてインテリアは、エクステリアに劣らず質感が非常に高い。見やすさと扱いやすさに重点を置き、シンプルで飽きがきにくいデザインとなっている。
ミラーレスのサイドミラーは、カメラでとらえた映像を液晶画面に映し出している。これは、2017年にモーターショーで発表した、Urban EV Conceptと同じ最新技術だ。
ショーモデルは3ドアで、Honda eは5ドアと実用レベルは高くなっているが、デザインを見るとショーカーを忠実に再現して市販化したことがよくわかる。
そんなショーカーさながらのシティコミューターは、運転したときの雰囲気はどうなのだろうか。
▲カメラの映像がサイドミラー代わりとなる
▲大型のモニターや木目調のパネルを採用するなどコンパクトカーながら妥協がない
▲シート表皮も質感が高い素材を使用しているスイスイと楽しいハンドリングが好印象
では試乗に移ろう。我々が試乗したモデルは、上位グレードの“アドバンス”。
ホイールのデザインや装着されるタイヤのミシュラン パイロットスポーツというチョイスからスポーティな要素がうかがえる。これは走りに期待できる。
▲ブラック基調の17インチアルミホイールがスポーティドアミラーレスのモデルは、視認性に違和感を覚えるのだが、Honda eは位置がいいのとカメラも良いモノを使っているせいか、奥行き感が感じ取れない以外はいい感じだ。
それではいよいよ試乗のスタートだ。アクセルを少し踏みこんでみると、飛び出すようなことはなく柔らかい発進が可能だ。
重量のあるモーターがリアに配置されているので、フロントに負担をかけず、発進もぐっと背中を押されるような、地に足の着いたトラクションを実現している。
そして静粛性がとてもいい。目の粗いアスファルトでも、ハードなタイヤを装着しているにも関わらず、サスペンションがいなしてくれる。
そして、重量物がないフロントは、しなやかに振動を収拾してくれるうえに、小回りが非常に利くのだ。
横浜元町の商店街はところどころ石畳がある。これもいい具合にいなす。そこから外人墓地方面に急な坂を上るが、3人乗車でも3L級のガソリンエンジンを搭載しているような感じだが、それよりも扱いやすく静かである。
タイトなコーナーも、スイスイとプラレールのように正確にトレースして曲がっていく。
▲このような石畳でも不快感はない首都高速を試してみると、料金所からの加速はノーマルモードでも必要十分。シティコミューターには似つかない高パフォーマンスである。
高速コーナーも、性能が高いシャシーによってスタビリティも高い。その非常に楽しいハンドリングは、Honda eのカワイイスタイルからは想像がつかないだろう。
このアドバンスモデルは、フル充電で260km弱(WLTCモード)の走行が可能だという。実際は、もう少し低くなることを踏まえても、このサイズでこのパフォーマンスであれば、都内と周辺のお買い物程度なら文句はない。
これほど満足度の高いシティ派のEVは、正直いって初めてだ。こんなポテンシャルの高いモデルを作るホンダは、Honda eを作り続けてくれるのかが心配になってくるほどである。
このサイズにして最高の1台を提供したといえる。今度試乗するときは、旅行気分で遠くに行ってみようと思う。そう思わせる素晴らしいコンパクトEVである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●アドバンス
| 型式 | ZAA-ZC7 | 最小回転半径 | 4.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | RR | 全長×全幅×全高 | 3.9m×1.75m×1.51m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.53m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.51m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.85m×1.39m×1.12m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1540kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.15m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
チャージイエロー、ルナシルバー・メタリック、モダンスティール・メタリック、クリスタルブラック・パール |
||
| オプション色 |
プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、プレミアムクリスタルレッド・メタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | ZAA-ZC7 |
|---|---|
| 駆動方式 | RR |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | チャージイエロー、ルナシルバー・メタリック、モダンスティール・メタリック、クリスタルブラック・パール |
| オプション色 | プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、プレミアムクリスタルレッド・メタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 4.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
3.9m×1.75m×1.51m |
| ホイール ベース |
2.53m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.51m/1.51m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.85m×1.39m×1.12m |
| 車両重量 | 1540kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.15m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | MCF5 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 154ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
315(32.1)/2000 |
| エンジン型式 | MCF5 |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 154ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
315(32.1)/2000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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