【試乗】新型 三菱 アウトランダー PHEV|SUVとは思えぬ機敏で軽快なハンドリング! 開発陣の技術力の高さがわかるモデル
2021/11/18
▲2021年10月に発表、同12月に発売予定の新型三菱 アウトランダー。国内ではPHEV専用モデルとしての登場だ。一足早くプロトタイプへ試乗する機会を得ていた、自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする先代の記憶とともに、期待感が高まる新型モデル
先代のアウトランダーPHEVが登場してからおよそ10年、新しいプラットフォームとプレミアムSUVに挑戦するデザインを投入した新型アウトランダーが登場した。
すでに海外ではガソリンモデルが展開されていたが、今回の日本導入ではPHEVのみのラインナップとなる。
少しさかのぼるが、2012年に登場した初代アウトランダーPHEVのプロトタイプに試乗したとき、とても衝撃を受けたことを覚えている。
優れた加速性能、そして自在に前後配分を変えながらクローズドのコースをオンザレールで走るハンドリングは、もはやSUVというよりも未来のランエボかと思うほどだった。
そしていま、新型アウトランダーPHEVのプロトタイプのステアリングを握っている。手に触れる部分の質感は、クオリティの高い先代・後期モデルよりもはるかに良質だ。
水平基調とメーターナセルによるコンベンショナルな雰囲気だが、こういった奇をてらわないデザインは保守的だが飽きにくいため好感がもてる。
タフなSUVを演出するには大切なセンターコンソールだが、幅広く力強さを感じさせるデザインで、乗る人への安心感を与える。



車のグレードが一つ上がったかのよう
今回の試乗はクローズドのサーキットで行った。制御系のコントロールは、路面状況や運転スタイルに合わせ7つのモードを選択することができるのだが、初めはノーマルモードで走ることにしよう。
加速は十分だし、ステアリングの剛性感がすこぶる良い。路面からの入力が大きい状況でも、しっかりとステアリングホイールとの一体感を感じさせる。
中速コーナーから時速130km/hを超える高速コーナーへアプローチする。
一般道ではこのような場面はなく無用なインプレッションに思えるが、安心感と乗り心地、そして車の姿勢の変化を感じ取れるため、ポテンシャルを推し量ることができるのだ。

中速コーナーの安定感はどっしりとしていいあんばいで、まったく不安はない。乗り心地も静粛性も、むちゃくちゃ良好だ。
アップデートした共通プラットフォームの剛性をより強固にし、ボディのバイブレーションを可能な限り減少させている。車自体のグレードが上がったようだ。
コーナーの縁石にタイヤをちょこんと乗せても、しなやかにサスペンションが対応する。
しかし、リアのサスペンションが少々コンフォート気味なのか、さすがに高速コーナになるとノーマルモードでは抑えが難しく、路面との接地性が希薄になる。
一気に60km/hまで速度をおとした瞬間、ビークルスタビリティコントロール(VSC)が介入して姿勢を戻そうと制御が入るが、この制御が唐突であり、普通の人ならば驚いてしまうだろう。
20インチの大径ホイールとタイヤを履くが、ハイパフォーマンスなものではないので、グリップとの兼ね合いで唐突になってしまうのかもしれないが、もう少し多段階に制御した方が良いと感じた。
開発チームの技術力の高さがわかる

次にサーキットということもあり、ターマックモードに切り替えてみる。これは楽しい!
三菱のスポーツAWD制御の恩恵で、ハンドリングは機敏かつ軽快。ステアリングを切らずとも、車両のスライドをしっかりとコントロールする。
最小舵角で、ターンインとアウトを繰り広げる。これは、SUVとは思えない挙動だ。60mmも幅広くなっていて、ホイールべースも35mm伸びているにもかかわらず、以前よりも速くて機敏だ。
エレガントな内装からはイメージできない、やんちゃな走りである。
サーキットではリアのロール剛性が弱いと感じさせる場面もあったが、一般道では全く問題ないレベルだろう。
今回の新型アウトランダーのプラットフォームは、アライアンスを組む日産と共通のものを使用してる。三菱にとっては不慣れなプラットフォームなはずだが、開発陣は難なくこなした感があり、技術力の高さを物語っている。

【試乗車 諸元・スペック表】
●PHEV 2.4 G 4WD ※プロトタイプのため参考値記載
| 型式 | 5LA-GN0W | 最小回転半径 | 5.5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.71m×1.86m×1.75m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.71m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.6m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.52m×1.24m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2050kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.2m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
コズミックブルーマイカ、ディープブロンズメタリック、スターリングシルバーメタリック、チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ |
||
| オプション色 |
ホワイトダイヤモンド、レッドダイヤモンド、ブラックダイヤモンド |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 5LA-GN0W |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | コズミックブルーマイカ、ディープブロンズメタリック、スターリングシルバーメタリック、チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ |
| オプション色 | ホワイトダイヤモンド、レッドダイヤモンド、ブラックダイヤモンド |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.71m×1.86m×1.75m |
| ホイール ベース |
2.71m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.6m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.52m×1.24m |
| 車両重量 | 2050kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.2m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 4B12 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 56リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 2359cc | 燃費(WLTCモード) | 16.2km/L └市街地:17.3km/L └郊外:15.4km/L └高速:16.4km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 133ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
195(19.9)/4300 |
| エンジン型式 | 4B12 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2359cc |
| 最高出力 | 133ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
195(19.9)/4300 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 56リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 16.2km/L └市街地:17.3km/L └郊外: 15.4km/L └高速: 16.4km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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