【試乗】新型 三菱 エクリプスクロス PHEV|WRCのノウハウが生かされた、本気で走れるコンパクトSUV
2021/03/12
▲2020年12月に発売となった新型三菱 エクリプスクロス PHEV。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道試乗の様子をお届けしよう公道試乗でいよいよ本領を発揮
昨年末に登場した、三菱 エクリプスクロスPHEV。
サーキットでのプロトタイプ試乗の様子はすでにレポートしているが、今回はいよいよ市販モデルを公道で試乗することが許された。
試乗にあたって、開発者はこの車の本領を発揮できる場所を探していたに違いない。
プロトタイプが富士スピードウェイのショートサーキットで行われたことを考えれば、タイトなターマック(舗装路)が本領発揮の場ということであろうか。
試乗会が開かれたのは御殿場だ。高速とワインディング、双方のシチュエーションで評価できる素晴らしいロケーションだ。
ツインモーターに電気を供給する三菱のPHEVシステムの特徴は、
①純粋にモーターの力だけで走る、EVモード
②エンジンを発電機として使いモーターに電気を供給する、シリーズ型のモード
③エンジン走行をベースにモーターでアシストする、パラレルモード
この3つの走行モードを利用することができる点だ。
高負荷となるワインディングコースで、その性能を確かめていこう。
▲三菱が早くから培ってきた電動化技術が、エクリプスクロスPHEVにも投入されているWRC由来の“本気で走れる”コンパクトSUV
御殿場インター付近から国道138号線を箱根方面へ向かって走り、タイトなワインディングが続く長尾峠に入る。
湿っていたり乾いていたり、所々落ち葉でスリッピーな状態になっていたりと、路面の状態はまるでWRCの舞台をほうふつさせる。
世界を席巻した三菱のノウハウを生かせるロケーションである。
プロトタイプのときはウエットということもあり、滑る路面をうまく裁くグラベルモードメインで試乗したが、今回はレスポンスのいいモーターの本領を発揮できるターマックモードを迷わずセレクトした。
このような姿勢制御を得意とする車は、スロットルレスポンスが高くなるパワーバンドを意識して走らせると、路面状況に応じた制御も働きスイスイと走らせることができる。

タイトな上り坂で路面とのコンタクトが外れそうになっても、エクリプスクロスPHEVは挙動を乱すことなくグイグイと車体を山の頂へと誘う。
ステアリング操作にオーバーアクションは必要ない。ドライバーは道なりにステアリングを操作するだけで、この車はとても素直にコーナーをトレースしてくれる。
バッテリー残量がたっぷり残っている状態では、さらに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。
動力の制御もさることながら、サスペンションがしなやかで追従性がある。すなわち乗り心地は思った以上に優しくよい。
少々ロールが大きくなることもあるが、ボディは路面の変化に対して揺れが少ないフラットライドを実現しており、乗員に不安を感じさせない。

アクセル全開に近い状態では、エンジンもモーターのアシストもレスポンスの良さが際立ち、とても軽快だ。
ブレーキの制御もスタビリティを主眼に置いており、回生ブレーキと相まって立ち上がりもリニアでコントロール性が高い。
中速域では静粛性も高く、しっかりとしたプラットフォームは老舗を感じさせる安心感がある。
強いてネガティブな点を挙げるとすれば、エンジンが高負荷状態になるとチープな印象になってしまうところだろうか。
しかしこれは、素晴らしい制御と高いサスペンションの質感をもっているがゆえ、そのギャップから生じるものだろう。
エクリプスクロスPHEVは、本気の走りにも対応できるコンパクトSUVであることは間違いない。
【試乗車 諸元・スペック表】
●PHEV 2.4 P 4WD
| 型式 | 5LA-GL3W | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.55m×1.81m×1.69m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.54m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.89m×1.49m×1.19m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1920kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.19m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブロンズメタリック、ライトニングブルーマイカ、チタニウムグレーメタリック、スターリングシルバーメタリック、ブラックマイカ |
||
| オプション色 |
レッドダイヤモンド、ホワイトパール |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 5LA-GL3W |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブロンズメタリック、ライトニングブルーマイカ、チタニウムグレーメタリック、スターリングシルバーメタリック、ブラックマイカ |
| オプション色 | レッドダイヤモンド、ホワイトパール |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.55m×1.81m×1.69m |
| ホイール ベース |
2.67m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.54m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.89m×1.49m×1.19m |
| 車両重量 | 1920kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.19m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 4B12 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 18.6km/L |
| 総排気量 | 2359cc | 燃費(WLTCモード) |
16.4km/L
└市街地:15.7km/L └郊外:16.8km/L └高速:16.5km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 128ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
199(20.3)/4500 |
| エンジン型式 | 4B12 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2359cc |
| 最高出力 | 128ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
199(20.3)/4500 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 燃費(JC08モード) | 18.6km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 16.4km/L
└市街地:15.7km/L └郊外: 16.8km/L └高速: 16.5km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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