運転技術で燃費が変わる!? エコドライバーを目指して「楽エコ運転講習」を体験してみた
2022/11/03

現在発売中のカーセンサー12月号では、「サステナブルに暮らすためには、最新の電気自動車を買うしかないのか?」という特集を展開しています。最新の電気自動車(EV)以外のサステナブルな選択を提案しているのですが、ここでは今所有している車ですぐに実践できる、サステナブルなカーライフのヒントとして、「エコドライブ」の方法をお伝えします。
今回は、編集部イチ(?)の運転苦手という不名誉な称号を持つ、大津が埼玉県のファインモータースクールさんの講習に行ってきましたので、運転のコツとともにレポートします。
運転技術で燃費が変わる!?
エコドライブって?
まずはエコドライブについてご説明を。耳馴染みがない方もいるかと思いますが、「エコドライブ」とは、二酸化炭素排出量を抑え、ガソリン代も節約できるという、運転技術のひとつです。
それに加えて安全性もアップするという独自の運転技術「楽エコ運転」を教えているのが前述したファインモータースクールさん。約60分の運転と、約30分の座学の90分間みっちり教習を受けることで、地球にも、車にもやさしいエコドライバーになれるのです。
講習では、受講者によって運転のクセなどに偏りがあるため、まずはふだんの運転をチェックしていただきます。実際の路上に出て数値を計測するため、燃費データが記録できるモニター付きの教習車で先生と一緒にドライブスタート。
免許を取って以来の教習にドキドキでしたが、優しく穏やかな古田先生のおかげで、リラックスして運転できました。
運転が苦手な私ですが、じつはエコドライブにはちょっと自信があるんです。その名も「ひたすらゆっくり作戦」。これできっと、先生もびっくりの好燃費をたたき出せたに違いありません。
▲慣れない道なので、いつも以上にゆっくりゆっくり……。安全運転なんてゆっくりするに越したことはないハズですからね路上から帰ると、教室で講習を受けながら、我流エコドライブの分析と指導をしていただけます。プロの先生に日ごろのクセを指摘していただく機会はめったにないため、少し緊張……。
▲座学を受けるのはいつぶりでしょうか。安全でエコな運転方法を分かりやすく教えてくださった、古田先生そして、先生に真っ先に指摘されたのは、まさかの運転姿勢! 交通の流れを予測し、安全に正確な操作をするエコドライブのためには、正しい姿勢が欠かせないそう。
私はシート位置が遠すぎて、背中が背もたれから離れて前かがみになり、下を向いてしまっているとのこと。これでは、アクセルを強めに踏んでしまうなど、適切な処理が難しくなります。
結果として、無駄に燃料を使用することになるのだとか。運転への自信のなさが姿勢にも出ているのでしょうか。
▲正しい姿勢はこんな感じ。シートを上げて、視界を広く。正しいドライブポジションでアクセルの踏みすぎ防止に!次に教わったのはエアコンが燃費に響くということ。常にオートでつけっぱなし……なんて人、多いのではありませんか? 私も例に漏れずそのスタイルで、エアコンスイッチを意識したことすらなかったのですが、先生いわく、意識的にオンオフした方がいいとのこと。
特に、これからの寒い季節は、エアコンを切って暖房のみに、窓が曇ったときだけデフロスターをつければいいそうです。ボケーッとオートモードにしているような人間にはエコドライブは務まりません!
▲エアコンは必要なときだけでいいんです! 車にも自分にも適切な温度を保ちましょうそしてなんと、私の「ひたすらゆっくり作戦」はNG。たしかに、ゆっくりした加速は燃費向上効果があるものの、常に法定速度を時速5km以上下回るようでは、余分に信号にひっかかってストップ&ゴーが増えるなど燃費に悪影響。
そのうえ、交通の流れを阻害して、周りの車の燃費まで悪化させたり、最悪の場合事故を誘引する可能性もあると……。「なんぼあってもいいですからね」理論でただただゆっくり走っておりましたが、先生からの解説を聞き、大いに反省いたしました!
教室でしっかり学んだあとは、教習所内のコースで練習です。
教習車に乗ったら、まずは運転姿勢をチェック。シートを上げて、左ひざを曲げて踏ん張れる位置まで前に出したら、ヘッドレストの高さも調整しましょう。
正しい姿勢になると、ペダルもハンドルも驚くほどスムーズに操作できるようになり、視界もぐっと広くなり、周囲の運転状況も把握しやすくなります。
発進から加速の際にも注意が必要。理想はブレーキからアクセルまで1秒かけて踏みかえ、クリープ現象で車が動き出すのを感じてからふんわりとアクセルを踏んで加速すること。目安は約5秒で20km/h。エンジン音をよく聞きながら何度も練習すると、低い回転数のままで加速できるようになりますよ。
▲目安の約5秒で20km/hに近い、やさしい運転をしたら先生がとっても褒めてくれます! 自分がめちゃくちゃすごい人間になった気持ちですそして再度路上で燃費アタック。練習のかいあってふんわりアクセルはばっちりです。
「交通の流れに合わせましょう。先行車との車間距離は、およそ2秒後に先行車がいた場所を通過するくらいを目標に」 車間距離をしっかりとることで、先読み運転がしやすくなり、ムダな加減速を減らすことができるそうです。
赤信号が見えたとき、かなり手前から「もうアクセル放していいですよ」と先生。アクセルを放してからブレーキを踏み始めるまで5秒ほど何もしない時間があるくらいでちょうどいいのだとか。
また、停止するときは、前の車との車間距離は4m、ちょうど車1台分くらい空けて止まると、発進時には、前の車と同時になり、なめらかな加速をすることができるそうです。
▲4mの車間距離。赤信号の停車時にはぜひ思い出してみてくださいね意識の変化ですぐ変わる!
余裕のある走りを心がけてサステナブルなカーライフを!
こうして教習終了。「なかなかいいエコドライブでしたよ」と先生に褒めていただいたのですが、残念ながら燃費は1回目の走行より悪化してしまいました。その敗因はズバリ、夕方の渋滞! 渋滞する時間帯や道路を避けることもエコドライブには大事なんです。
教習所からの帰り道、燃費計は明らかにナイスな数値を表示していてうれしくなりました。(写真を撮り忘れてしまったのが悔しいです……!)
「エコドライブを心がけると走りがなめらかになって、車酔いしやすい同乗者にも喜ばれる」と先生が言ってましたが、たしかにギクシャクしなくなりました。意識的に車の状態を感じながら運転することで、車とも仲良くなれた気がします。
きっと「運転うまくなった?」なんて言われちゃう日も近いんじゃないでしょうか。 エコドライブは、地球にもお財布にも、車にも、そして人にまでやさしいサステナブルな運転でした! みなさんも、ぜひトライしてみてくださいね。

インタビュアー
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。
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