トヨタ プリウス VS ホンダ シビックハイブリッド PART1:走行性能が優れているのはどっち?
2008/09/16
PART1 走行性能が優れているのはどっち?
トヨタ プリウス
ホンダ シビックハイブリッド
ハイブリッドとしての先進性が際立つプリウス
プリウスの“発進”の儀式は何とも厳かだ。ブレーキペダルを踏みながら、コンピュータを起動させるように“POWERボタン”(事務機器などに用いられるISO規定でスタンバイを表すシンボルマーク“JTC1・010”が用いられているのがいかにも!)をひと押し。するとメーターパネル内に“READY”の文字が点灯し、あとはシフトレバーを指先でツン!と動かしDにシフト、駐車ブレーキを外せば、アクセル操作で走り出せる。が、ここでプリウスらしいのは、モーターでの発進が可能だということ。インパネの“EVドライブモード”スイッチで指令を出し、バッテリーの充電が十分なら、55km/h以下で数百m~最大で2km程度、モーターのみで走れる。この電気自動車モード、今回のロケでも試したがとにかく独特。
室内ではロードノイズがハッキリと感じられる(エンジンが回っていないと、相殺される音もなく、ロードノイズもよりクッキリ聞こえる)のだが、基本的にエンジンの音がしないシンとした世界は、オーナー以外にはいまだに新鮮なはず。ただしボタン自体の位置は、初期型のPOWERボタンのすぐ左横のほうが扱いやすかった(現在はステアリングコラム左側の隠れた場所にある)。
もちろん、アクセルを踏み込むと“プル”っと小さな感触が伝わり、エンジンが目覚める。そこからの走りと加速は、いたって普通の感覚だ。パワーユニットは、エンジンが1.5L(型式=1NZ-FXE型)で76ps/11.2kg-mの性能。これにモーター(3CM型)が組み合わされる。コチラの性能は68ps/40.8kg-m。
スペックを見てのとおり、プリウスはこの実にたくましいモーターが、車の力強い走りを下支えしているのである。事実、アクセルを深く踏み込み強い加速を得ようとすれば、段つきのないまま車がグイっと引っ張られる。その強力さはなかなかだ。
ただし走行中のステアリングの感触(保舵力)が人工的でやや不自然なこと、全体的にイメージするほど乗り味にしなやかさがないこと…などが不満点と言える。
普通車の感覚にハイブリッドのエッセンスをプラス
今回プリウスのライバルとして設定したシビックハイブリッドは、プリウスと比べると、グッと普通の車に近い。コチラはあくまでもエンジンが主役で、40km/h以下の軽負荷時に限定的に“モーター走行”も行うものの、モーターはあくまで“補佐”の役に徹している点が特徴だ。なので始動時から発進、加速といった一連のシーンは、“とても普通”。というか、ホンダ車らしく胸のすくエンジン音(とモーター音)を発しながら、実に生きの良い走りを見せつけてくれる。
94ps/12.3kg-mのエンジン(排気量は1339cc)と20ps/10.5kg-mのモーターとのコンビネーションは、まさに絶妙。唯一、アイドルストップが働いた際、“静謐な世界”が訪れ、その後、再始動のショックの発生が明確に実感されるのが、少しトクベツな車だ…と意識させられるくらいか。
一方で走りの実力はなかなかのもの。特に路面のうねった場所でもボディが煽られない良好な乗り味は、見直した次第。ガソリン車(1.8L)のセダンと比べると、モーターを備えていることもあり、車重は40~100kgハイブリッドのほうがかさむのだが、逆にその重さが乗り味にシットリ感を加えているといったところか。といっても、決して車が鈍重な印象はなく、スポーツセダンのような頼もしささえ感じられる。
今回のまとめ
ハイブリッドということでの制御では、プリウスが先んじてはいる。しかしこと乗り味、走りっぷりといった点で、今回、シビックの実力を、改めて評価しておきたい。次回予告
居住性と実用性&積載能力をチェックするぞ!
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今回のテスト車両


| トヨタ プリウス | |
|---|---|
| テスト車両 | S 10th アニバーサリー 281.4万円 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| トランスミッション | CVT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4445×1725×1490 |
| ホイールベース(mm) | 2700 |
| 車両重量(kg) | 1260 |
| 最小回転半径(m) | 5.1 |
| 乗車定員(人) | 5 |
| エンジン種類 | 直4DOHC |
| 総排気量(cc) | 1496 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
56(76)/5000 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
110(11.2)/4000 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 45L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
35.5 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
21.0 |
| タイヤサイズ | 185/65R15 |


| ホンダ シビックハイブリッド | |
|---|---|
| テスト車両 | 1.3 MX 245.7万円 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| トランスミッション | CVT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4535×1750×1435 |
| ホイールベース(mm) | 2700 |
| 車両重量(kg) | 1270 |
| 最小回転半径(m) | 5.3 |
| 乗車定員(人) | 5 |
| エンジン種類 | 直4SOHC |
| 総排気量(cc) | 1339 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
69(94)/6000 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
121(12.3)/4500 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 50L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
28.5 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
16.8 |
| タイヤサイズ | 195/65R15 |
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トヨタ プリウス VS ホンダ シビックハイブリッド PART1:走行性能が優れているのはどっち?/旬ネタ
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