第66回 ホンダ エレメント 【見つけたら即買い!?】
2009/04/22
■観音開きドアを備えた個性的なアメリカンクロスオーバー
米国や欧州など、ホンダとその高級ブランドであるアキュラが国外で生産・販売している車両には、実に個性的なモデルがいくつかあります。それらの中には、ラグレイトやMDXのように、日本に逆輸入されたモデルも。今回紹介する車もその一台。個性的なルックスをもちつつ、ラゲージのスペース効率に優れるなど実用性も高いクロスオーバー、ホンダエレメントです。エレメントが米国でデビューしたのは2002年12月ですが、マイナーチェンジを経て現在でも発売が続けられています。日本に輸入・販売されていた期間は2003年6月から2005年7月までの約2年間でした。つまり日本では絶版モデルですが、米国では現行車というわけ。日本では、登場時の新車価格は259万円、2.4L直4DOHCエンジンに4ATを組み合わせる1グレードのみが設定されていました。
開発陣にはホンダR&Dアメリカの若いエンジニアが多くかかわっていたようです。彼らはこの車のターゲットを、自分たちに近い世代の若者に設定。日産キューブしかり、トヨタbBしかり、若者が四角くて荷物の積める車を好むのは、どうやら日米共通のようです。この四角いフォルムは、全高1790mmという高いスタイルにつながり、抜群のスペースユーティリティを生み出しました。クロスオーバーにもかかわらず、室内の広さはトールワゴンやミニバンのそれに近くなっています。
エレメントの最も特徴的な部分は、左右のドアを観音開きにしているところ。トヨタbBオープンデッキやアイシス、ミニクラブマンなど片側を観音開きにしているモデルはいくつかありますが、両側に観音開きを備えているのはマツダRX-8くらい。あまり例を見ません。
扉を観音開きにすると、Bピラーを省略せざるを得ません。ピラーレスになると開口部が大きくなり、人の出入りや荷物の出し入れという点では便利になりますが、車体の剛性はどうしても低くなってしまいます。特にエレメントは室内高が高く間口が広い分、剛性面で不安かもしれませんが、そこは心配ご無用。実はリアドアにインナーピラーを内蔵して、側面衝突時の安全性を確保するように工夫されています。
走行性能においても使い勝手を重視しています。雪道や砂浜もガンガン走破するために、リアルタイムの4WDを採用。ボディパネルの一部には、キズがつきにくい樹脂製のパネルを使用しています。ラゲージスペースのフロアには、濡れても大丈夫なウレタンコートを施工済み。シートは前後席とも、表面に撥水コーティングを、裏面にポリエステルポリウレタンフィルムをラミネートしています。
テールゲートは上下に2分割で開閉する、縦方面の観音開き。下側は130kgまでの荷重に耐えられるので、バーベキューなどのアウトドアでは椅子にして、腰掛けることもできます。リアシートは分割可倒式。ラゲージを広げる場合は、リアシートを左右跳ね上げ式で収納可能。ワンボックス型のミニバンなどでよく採用されている方式です。
原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件数は19台。最安の物件は119.8万円ですが、相場の中心は150万~200万円と国産車にしてはあまり値落ちしていません。ボディカラーはシルバーやブラックがほとんど。オレンジなどの鮮やかな色は人気があるためか、特に高めの価格設定になっているようです。
新車時に不人気で販売台数が少なかったことが、逆に希少価値が出て相場が高値安定となっているエレメント。個性的なルックスや使い勝手抜群の装備も相まって、中古車市場では屈指の人気車となっています。それだけに状態の良い物件を手に入れるのは、今後どんどん難しくなっていくかもしれません。
まさに今が「即買い」のチャンスといえるでしょう。今後もこの高値が続けば、リセールバリューも期待できそうです。気になった人は下の検索窓に「ホンダエレメント」と入れて探してみてください。
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第66回 ホンダ エレメント 【見つけたら即買い!?】/旬ネタ
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