オープン状態の姿は実に不思議! 絶滅危惧車のソアラエアロキャビンをチェックせよ
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / ソアラエアロキャビン / 絶滅危惧車 / 古賀貴司
2019/03/09

限定500台のハイテクハイソカー
いつしか絶版となってしまった、トヨタ ソアラ。その昔、トヨタが誇る、高級パーソナルクーペとして一世を風靡した。
3代目からは、レクサスブランドでSCとして海外でも販売された。
今回、取り上げる「エアロキャビン」は2代目ソアラに限定500台で投入された、電動メタルルーフをもつモデルだ。
今でこそ、高級オープンカーに電動メタルルーフの組み合わせは珍しくないが、当時はとにかく画期的……というか世界で初めてのことだった。
1986年に2代目ソアラは「世界にひとつ、日本にソアラ」のキャッチコピーでお披露目された。
デザインは、初代ソアラからの“キープコンセプト”で角を丸めて進化した。
4気筒エンジンは搭載せず、すべて6気筒エンジンで2L NA、2Lツインターボ、3Lターボがラインナップされた。
ちなみに3Lターボエンジンは同時期のスープラと同じものだった。
ソアラはいつの時代も、トヨタがもつ最新技術が詰め込まれていた。
2代目ソアラでは、「スペースビジョンメーター」という虚像表示を用いたデジタルメーターを採用した他、車速感応型パワーステアリング、ABS、エアコンとオーディオを液晶パネルで操作できるマルチコントロールパネルなどが奢られていた。
今では珍しくない装備かもしれないが、30年以上前にソアラには採用されていたのだ。
また、上級グレードに採用された「エレクトロマルチビジョン」は、データカセットテープをロードすれば「車両装備の取扱説明」、「高速道路地図」を表示することができた。
ちなみにデータカセットテープとは……、データを記憶する媒体で今では化石のような存在かもしれない……。
忘れてならないのはドアの開閉。狭い場所でも乗り降りしやすいように、ヒンジ部分がボディ外側に膨らみながら開く配慮がなされている。
最上級モデルには世界初であった、電子制御式エアサスペンションが搭載されていた。
時代はバブル景気真っ只中で「ハイソカー(上流階級御用達の車を意味する)・ブーム」だったことも手伝って、カッコいい、パワフル、そして最先端技術がてんこ盛り、という三拍子が揃い、ソアラはとにかく売れに売れた。
オープン状態の姿は実に不思議

エアロキャビンが限定販売されたのは、1989年のことだった。
1992年には3代目へバトンタッチしているから、販売の勢いを止めないカンフル剤のような役割を担ったのかもしれない。
ソアラはリアシートを有していたが、エアロキャビンではルーフを収めるスペースを確保するために廃止されていた。
メタルルーフをオープンにした状態でもCピラーはそのままで、実に不思議なスタイルをしている。
Cピラーの角度がフツウのソアラと異なるのは、無理してメタルルーフを備えたことによるご愛嬌。
当時のデザイナーは、ボディを真横(フロントを左にして)から眺めた際、Cピラーとホイールアーチが美しい「6」を描くことにこだわっていたそうだ。
その点、エアロキャビンの“6”はさほど美しくないかもしれない……。
そもそも500台しか生産されていないし、昨今の日本車ネオ・クラシックカー・ブームの影響もあって相当数、輸出(そもそもは日本専用モデルだった)もされたようだ。
つまりは“見つかればラッキー”状態。原稿執筆時点でももはや、カーセンサーnet掲載物件はたったの1台。
値上がりを見越すもよし、30年選手のノスタルジーに浸るもよし、とにかくユニークな車だったし、今でもユニークな存在であることは間違いない。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!



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