生産終了となった現行型ボルボ V40シリーズ。100万円台前半の中古車を買うなら、エンジンと安全装備を見極めるべし!
2019/09/28
▲ボルボのプレミアム・スポーツコンパクトのV40。昨今のボルボ人気を象徴するモデルのひとつだが、生産を終了したことがアナウンスされたボルボの好調を支えているプレミアム・スポーツコンパクト
ここ数年、最も勢いのある輸入車メーカーと言っても良いボルボ。
2017‐2018にはXC60、2018‐2019にはXC40と2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
実際に、昨年2018年の世界販売台数は過去最高を達成している。
ここまでボルボが躍進している理由は様々だろうが、V40の存在を外すことはできないだろう。
V40は2013年2月に登場した、ボルボのラインナップにおいて最も小さい5ドアプレミアム・スポーツコンパクトだ。
ハッチバックながら、ダイナミックなクーペフォルムのデザインで、2013年度グッドデザイン賞を受賞した経緯もある。
また、新車時価格269万円~という戦略的な価格を実現していながら、同社の上位モデルと同等の機能、特にボルボが代々受け継いできている思想に基づいた安全機能は、登場から時間が経った今でも見劣りするものではない。
そんなV40。登場から6年もの間、ボルボの販売台数けん引に大きく貢献してきたが、先日生産終了がアナウンスされ、新車販売は在庫分を残すのみとなった。
しかも、今のところ後継モデルの登場は予定されていないという。
▲コンパクトモデルながらすらっと伸びたクーペデザイン。性能だけでなくデザイン的な評価も高い
そこで、注目が集まるのが中古車だろう。
人気車種ということもあり中古車台数も豊富で、原稿執筆時(2019年9月26日)で、V40とV40クロスカントリーを合わせると1000台以上もの物件が掲載されている。
しかも、今のところ中古車価格は順調に下落しており、100万円台前半で狙える物件も増えてきている。
ただし生産終了モデルとなったことで、今後価格の下落スピードが鈍ることも予想できるため、気になっている人は今のうちからチェックしておく必要がありそうだ。
今回は、100万円台前半での狙い目物件を考えてみたので、ぜひ参考にしてほしい。
▲北欧モデルらしく上質ながらもあたたかみのあるインテリア。所有する喜びも得られるはずだ搭載されるエンジンで大きく5つに分かれる
ボルボ V40&V40クロスカントリー(現行型)
中古物件を見る前に、グレード体系について整理しておこう。
大きな違いは搭載されるエンジンで、以下のようになっている。
1.6L 直4DOHCターボを搭載するデビュー時から設定されるモデル。最高出力180ps、最大トルク240N・mを発揮し、平均燃費は16.2km/L(JC08モード)。2015年7月のマイナーチェンジのタイミングで絶版となる。
デビュー時には2L直5DOHCターボエンジンが搭載され、最高出力は213ps、最大トルク300N・mを発揮した最もスポーティなモデル。2014年12月のマイナーチェンジのタイミングで、さらにハイパワーな2L直4DOHCターボエンジンへと代わり、最高出力245ps、最大トルク350N・mへとパワーアップされた。R-DESIGNという専用のデザインやチューニングを施されたモデルや、SUVテイストのクロスカントリーがラインナップされる。
T4系に代わって2015年7月のマイナーチェンジで追加された、1.5L直4DOHCターボエンジンを搭載するモデル。排気量は小さくなったものの、最高出力は若干ダウンし152psとなったものの、最大トルクは250N・mへとアップし、より扱いやすくなった。平均燃費も16.5km/L(JC08モード)へとアップしている。
2016年7月のマイナーチェンジのタイミングで設定された廉価版モデル。搭載されるエンジンはT3系と同じ1.5L直4DOHCターボだが、出力が抑えられており最高出力122ps、最大トルク220N・mとなっている。一部機能や装備は省かれているが、安全装備はしっかり搭載されている。
2015年7月に追加されたクリーンディーゼルモデル。最高出力190ps、そして最大トルクは400N・m(ノーマルモデル)を発揮。20km/Lと、V40の中では最も低燃費となるが、力強く滑らかな走りを実現している。よりスポーティにチューニングされたポールスターエディションなども存在する。年式的に新しく、新車時価格も349万円~と高めのため、現段階では200万円程度~が中古車物件のボリュームゾーンになる。
大きくは以上のとおりとなる。これを踏まえオススメしたいモデルを紹介していこう。
①100万円を切る物件も見つかる
初期型のT4 SE セーフティ・パッケージ装着車

▲オプション設定(初期モデルのみ)となる「セーフテ・ィパッケージ」が装着されているモデルにはACCといった人気機能も付いている
2013年の登場時には、V40は全グレードに前方車両への衝突を回避・軽減(50km/h以下)する「シティ・セーフティ」システムを搭載しているが、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や歩行者検知機能など10種類の安全機能は、「セーフティ・パッケージ」としてオプション設定だった。(2013年12月のマイナーチェンジで標準装備化された)
100万円台前半になると、必然的に登場初期のモデルが中心になるが、安全性能の高さだけではなく、快適性にも関わる機能が含まれているため、この「セーフティ・パッケージ」装着車をオススメしたい。
また、キセノンヘッドライトや前席パワーシート、大口径アルミホイールなどを装着した豪華仕様のT4 SEなら、さらにバリューは高くなるはずだ。
タイミングによっては、「セーフティ・パッケージ装着×SE」かつ走行距離5万km以下といった好条件の物件が、総額100万円以下から見つかることも!
▼検索条件
ボルボ V40(現行型)×セーフティ・パッケージ装着車×T4 SE×総額150万円以内×全国②SUVルックの派生モデル
5気筒エンジン搭載のV40クロスカントリーT5

▲SUVルックのV40クロスカントリーは、ハイパワーエンジン×4WDの組み合わせで高い走破性をもっている
排気量が大きくスポーティなチューニングが施されたT5 R-DESIGNは、初期型でも100万円台後半からがボリュームゾーンで、100万円台前半で狙えるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。
しかし、T5 R-DESIGNと同じ5気筒エンジンを搭載している、V40の派生モデル「V40クロスカントリー」になると状況はやや変わってくる。
決して台数は多くないものの、2013年の初期型を中心にポツポツと100万円台前半の物件がヒットしてくる。
V40クロスカントリーは、アウトドアテイストを散りばめた現代風のSUVデザインを採用。通常のV40には設定されていない、より走破性の高い4WDモデルが中心で、よりバリューの高いモデルと言えるだろう。
ただし、100万円台前半になると、①にて解説した「セーフティ・パッケージ」の装着率は下がるので、必要に応じて確認してほしい。
▼検索条件
ボルボ V40クロスカントリー(現行型)×総額150万円以内×全国▼検索条件
ボルボ V40(現行型)×全国▼検索条件
ボルボ V40クロスカントリー(現行型)×全国
カーセンサー編集部
神崎洋平
小さい頃から車が好きで、中学生のころからカーセンサーを愛読。若者の車離れに一矢報いたいという動機で、2017年にカーセンサー編集部にやってきた。好きな車はセダンとスポーツカーで、現在の愛車はE90型BMW 3シリーズ。趣味はダム観賞で、休日には全国各地のダムへ足を運んでいる。
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