トヨタ プリウスPHVの旧型中古車価格が半年で40万円ダウン! 頼りになるプラグインハイブリッド車、今オススメの選び方は?
2023/08/26

新型登場の陰で旧型プリウスPHVがお得に!
1997年12月に、世界初の量産ハイブリッド自動車として登場したトヨタ プリウス。今ではハイブリッド車の代名詞として高い知名度を誇り、2023年1月からは5代目となる新型が販売されています。
そんなプリウスには通常のハイブリッドモデルの他、3代目モデルからは「プリウスPHV」と名付けられた“プラグインハイブリッド”モデルも存在しています。
プラグインハイブリッドとは、通常のハイブリッド車よりも大容量な駆動用バッテリーを搭載し、外部から充電することもできるというもので、ハイブリッド車としての良さを残しながらも、電気自動車的にも使うことができるというもの。
そんなプリウスPHVは2023年3月に3代目となる新型モデルが登場(車名はプリウスPHEVに改名)していますが、その影響もあってか2代目モデルの平均価格が大きく下落しています。

上記グラフのとおり、今年1月時点から約40万円、直近1年間で最高値だった2022年11月と比べると45万円以上もダウンしているのです。
一方で、中古車掲載台数の推移を見てみると、昨年末頃より増加傾向が顕著になり、月間1000台以上とかなり豊富になっております。
はっきりとした要因はわからないというのが正直なところですが、デビューから6年以上が経過したことで乗り替える人が増えているのも理由のひとつと言えそうです。

いずれにしても価格が安くなり選択肢も豊富になった今は、2代目プリウスPHVの中古車を狙う良きタイミングであると言えるでしょう。
この記事では、2代目プリウスPHVのモデル概要を振り返るとともに、今のオススメ物件はどんなものかを考えてみたいと思います。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×全国【モデル概要】長距離のEV走行も可能となった2代目プリウスPHV
2015年12月に登場した4代目プリウスをベースとし、2017年2月に登場した2代目プリウスPHV。
先代モデルはあくまでプリウスの派生車種という感じでベース車と大きな違いはありませんでしたが、この代では明らかに異なるデザインを採用しており、より特別なモデルに生まれ変わりました。



1.8Lのガソリンエンジンにモーターを組み合わせるという基本的な構造はプリウスと同一ながら、駆動用モーターだけでなく、発電用モーターを駆動用としても使用するデュアルモータードライブシステムを採用しており、通常のプリウスよりも高い加速性能を持ち合わせていたことも特徴。
もちろん駆動用バッテリーも先代PHVと比べても大容量化がなされており、システムの高効率化も果したことで、満充電時の走行可能距離も先代の26.4kmから68.2km(ともにJC08モードの数値)と倍以上となり、近場の移動程度であれば、ガソリンを消費せず電気自動車のように使うことも可能となりました。
また、ヴィークルパワーコネクター装着車(前期モデルはメーカーオプション)であれば、普通充電口から直接電力を供給することができ、最大消費電力1500Wまで給電可能となるため、有事の際は非常に心強い1台と言えるでしょう。
そして、前述のデュアルモータードライブシステムを採用してスポーティな走りも可能となったということもあり、2017年9月にはスポーツコンバージョンモデルである「GR SPORT」を追加設定。

このGR SPORTは他のモデルと同じく専用のエクステリアや足回り、ボディ補強などを施して走行性能を引き上げたもので、プリウスには設定されずにプリウスPHVのみに設定されていました。
2019年5月には一部改良がなされ、それまで4名だった定員が5名となりました。改良前の4人乗り仕様は、リアシートもセパレートシートのような座り心地が味わえますが、座面中央にコンソールが備わることで、横方向の移動がしにくくなるというデメリットも存在するため、そのあたりも考慮して選びたいところです。


また同じタイミングで、外部給電装置(V2H)が新たにオプション設定され、プリウスPHVのバッテリーに蓄えられた電力を家庭用電力として利用することも可能となりました(別途V2H機器が必要)。

以上が、2代目プリウスPHVのモデル概要になりますが、購入前に確認していただきたいことがあります。
それは、「自宅で充電できない場合は魅力が半減」してしまうということ。
大容量バッテリーや外部給電機能など魅力的な装備を備えたプリウスPHVですが、自宅で充電ができる環境にないとその魅力は大きく失われてしまいます。
一応急速充電にも対応していますが、20分で80%までの充電(カタログ値)と効率は決して良くないため、自宅駐車場に止めて寝ているうちに充電するというような使い方でないと、普通のハイブリッドカーと大差なくなってしまうことでしょう。
また、外部給電機能も自宅の敷地内に駐車し、そこから電力を供給することを想定しているため、その環境がないと十分に魅力を引き出せません。
現在自宅に給電設備がない場合は、購入と同時に設置することも検討してみてください。
それでは、今2代目プリウスPHVを狙うならどんな物件がオススメか。以下見ていきましょう。
安さ重視で狙うなら、「走行距離10万km以上のディーラー保証付き車」を!
新車時はエントリーグレードでも300万円を切らなかった2代目プリウスPHV。新型が登場したとはいえ、2023年1月までバリバリの現行車だったこともあり、まだまだ値段は落ちていない……と思いきや、なんとすでに総額150万円を切る物件もチラホラ存在するようになってきていました。
とはいえ、総額150万円以下の物件は走行距離10万km以上であったり、修復歴アリだったりと、正直万人にはオススメしづらいものが中心。走行距離だけが中古車を選ぶ際の判断基準ではありませんが、このような物件やや玄人向けの選択肢といえるでしょう。
しかし、そんな10万kmオーバーの物件の中にも、実はディーラー系販売店で保証付きのものもわずかに存在しています。
それらは総額150万~170万円台とかなり手ごろな価格帯となっています。価格重視なら、一度チェックしてみる価値はありそうです。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×走行距離10万km以上×ディーラー保証あり×全国外部給電機能付きが必須なら、「2020年7月以降モデル」を中心に

昨今の自然災害などの多さから、外部給電機能が欲しいと考えている方も多いでしょう。
外部給電機能はデビュー時から用意されていたものの、当初はメーカーオプションとなっており、新車時に購入したオーナーが選択していなければ後付けすることは不可能。
しかし、2020年7月に実施された一部改良では全車に外部給電機能が標準装備となったため、必然的に狙い目はこの一部改良後の物件になります。
比較的年式は新しいものの、2020年式の走行距離5万km以下のものでも、総額250万円前後で見つけることができます。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×2020年7月以降生産×全国ちなみに、この一部改良以前の物件にも、前述のとおりオプションで外部給電機能を付けることができたのですが、外観では装着の有無が分かりにくく、判別は困難。
一応、外部給電機能をオプション装着すると急速充電口も追加されるため、充電口の写真があれば判別できますが、写真がなければ販売店へ問い合わせるか、実車を直接確認する必要があります。(ややこしいことに、外部給電機能が設定される前のモデルは単に急速充電にだけ対応しているモデルも存在します)
いずれにしろ、しっかりと装着の有無は確認するようにしましょう。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×2017年2月~2020年6月生産×全国「GR SPORT」の中古車状況は?

一目で違いが分かるスポーティなエクステリアはもちろん、専用チューニングのサスペンションやブレース追加によるボディ補強、小径ステアリングホイールなどの大小様々な変更がなされているGR SPORT。
エコなイメージの強いプラグインハイブリッドではありますが、そのモーターの強烈な加速感はスポーティな走りにもマッチしており、走らせても楽しい1台に仕上がっていました。
そんなプリウスPHV GR SPORTは、新車時は400万円弱~となかなかの高額車両でしたが、中古車となっては総額250万円前後の物件も見つかるようになっています。
さすがにニッチなPHVモデルの中でもさらにニッチなスポーツコンバージョンモデルということで、掲載台数は30台ほどと少なめですが、総額300万円前後まで予算をアップできれば、走行距離3万km前後の低走行車も十分狙うことができるため、エコと走りの両立を狙うなら魅力的な1台と言えそうです。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×GR SPORT×全国今回ご紹介した2代目プリウスPHVは、自宅での充電設備やV2H機器など、その魅力をすべて享受するには制約も多いモデルとも言えますが、逆に言うとそれらの問題がクリアな環境にいる人にはかなりオススメの1台です。
もし、ご自宅のリフォームなどを検討している人は、プリウスPHVを迎え入れることができるような環境にすることで、より充実したカーライフを送ることができるかもしれません。
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トヨタ プリウスPHV(2代目)×全国※記事内の情報は2023年8月22日時点のものです

自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。
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この記事で紹介している物件
トヨタ
プリウスPHV 1.8 S ナビパッケージ GR スポーツ 令和3登録 11.6型ナビ バックカメラ・TV 専用ハーフレザーシート シートヒーター ETC2.0 レーダークルーズ・衝突軽減ブレーキ レーンアシスト ロードサインアシスト 先行車告知機能
本体価格228.4万円
支払総額239.9万円
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