トヨタ クラウン (松本英雄)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2013/02/28

乗り心地はクラウンらしくしなやかで安定感があり、ダイレクトにスポーティではないがしっかりと腰を据えた安心感の高いハンドリングを提供してくれるアスリートの3.5L仕様
ステアリングを切った瞬間に新しいクラウンと出合う
2.5L仕様のロイヤルはクラウンらしい静粛性
新型クラウンの目玉のひとつは直列4気筒2.5Lのハイブリッドだ。ただし試乗した車は完全な量産仕様ではないとのことなので控え目に話をする。結論から言うと、思った以上に4気筒のエンジン音が気になった。勿論、車内では十分に抑えられているのだが、ロイヤルとアスリートの非ハイブリッド車の静粛性には及ばない。
その点2.5Lのロイヤルサルーンは、クラウンらしいクラシックな静けさがある。6速ATは粘り強いエンジンと相まって、伸びやかで熟成されている。アクセルを踏み込んだ時のキックダウンでも心地よいエンジン音が伝わってくる。これはアスリートの2.5Lにも言えることだ。
ドライビングの楽しさを味わえるアスリートの3.5L+8AT仕様
ロイヤルとアスリートの違いはダンパーにある。ロイヤルがコンベンショナルな仕様であるのに対して、アスリートは可変ダンピング機能が備わり17段階の細かな制御を行う。これがロイヤル以上の安定感を作り出す。
両モデル共に、ステアリングを切った瞬間に新しいクラウンと出合うだろう。急なハンドル操作にも絶えず安定した装いで答えてくれるのだ。これは操舵系とサスペンションアームの大幅な改良によって得られた恩恵である。従来は路面からのインフォメーションをゴムによって逃がしたが、新型では金属にスリットを入れ力を分散して逃がす方式にした。鋼の特性を熟知して得られたサスペンションである。
このシャーシ技術をもって最も楽しく走らせる事のできるのは、クラウン唯一の8速ATを搭載するアスリートの3.5L仕様である。乗り心地はクラウンらしくしなやかで安定感があり、ダイレクトにスポーティではないがしっかりと腰を据えた安心感の高いハンドリングを提供する。また8速ATのキレの良いシフトアップとエンジンサウンドは、ドライバーにドライブする楽しさ伝えてくれる。
SPECIFICATIONS
グレード | ロイヤル | ロイヤルサルーンG(ハイブリッド) | アスリート(ハイブリッド) | アスリートG |
駆動方式 | FR | |||
トランスミッション | 6AT | CVT | 8AT | |
全長×全幅×全高(mm) | 4895×1800×1460 | 4895×1800×1450 | ||
ホイールベース(mm) | 2850 | |||
車両重量(kg) | 1540 | 1680 | 1640 | 1650 |
乗車定員(人) | 5 | |||
エンジン種類 | V6DOHC | 直4DOHC+モーター | V6DOHC | |
総排気量(cc) | 2499 | 2493 | 3456 | |
最高出力[kW(ps)rpm] | 149(203)/6400 | 131(178)/6000+105(143) | 232(315)/6400 | |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 243(24.8)/4800 | 221(22.5)/4200-4800+300(30.6) | 377(38.4)/4800 | |
JC08モード燃費(km/L) | 11.4 | 23.2 | 9.6 | |
ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/71 | レギュラー/65 | プレミアム/71 | |
車両本体価格(万円) | 353.0 | 536.0 | 410.0 | 575.0 |
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