メルセデス・ベンツ S63AMG (渡辺敏史)【海外試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2013/11/07

見る人が見ればわかるという程度の控えめなコスメティック、気づけば上質ななめしが加えられた革の肌触り、ひと手間加えられたトリム類の仕立て…と、Sクラスとはひと味違う微妙な差異。AMGの仕事とユーザーの満足感との間には、大人の関係が見事に成立している
そのただならぬ洗練度こそがAMGの真骨頂
一度知ってしまうと離れられない
日本でもっとも売れている2000万円級銘柄といえば間違いなくS63AMGだろう。その数、モデルチェンジ直後のピークでは年間軽く500台以上というからバケモノとしかいいようがない。
日本人がそこまでAMGを好む理由はよくわかる。意地悪ないい方をすれば、それは一番上等なSクラスであるからだ。ライバルに伍するか上回るかという圧倒的なパフォーマンスをおくびにも出さず、平然と普段使いに仕立てる。この芸幅の広さと懐の深さを一度知ってしまうと離れられない。
実際、新しいS63AMGも見事にそういう車に仕上がっている。
ラグジュアリー&スポーツとしてのただならぬ洗練度
ボディ形状はロングのみ、駆動方式はFRに加えて4マチックを用意し、585psに達するM157型V8ツインターボをドライブする。0-100km/h加速はその4マチックで4秒フラットというから、その数字はもはやスーパースポーツの範疇だ。
が、日常域でのS63AMGは拍子抜けするほど穏やかでしなやかで滑やかだ。操作系のコントロール性に刺々しいところは一切なく、乗り心地に至っては標準車よりむしろ優れているのではと思わせる場面もあるほどだ。もちろん、安全・快適装備に関しても基準車のそれは全て実装されている。
無論、しかるべき意志で走らせれば、車体は水を得た魚のように走る。軽量化されたボディと4マチックシステムはその有り余るパワーを充分に体感させてくれる。気づけばとんでもなく速い。が、その速さにすら馴染みのよさがある。
ラグジュアリー&スポーツとしてのただならぬ洗練度こそがAMGの真骨頂というわけだ。
SPECIFICATIONS
グレード | S63AMG | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 7AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 5287×1915×1499 | ||
ホイールベース(mm) | 3165 | ||
車両重量(kg) | ー | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 5461 | ||
最高出力[ps/rpm] | 585/5500 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 900/2250-3750 | ||
車両本体価格(万円) | 2340 |
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