【試乗】新型 BMW X3|ディーゼルの静粛性はついにこの境地に……。プレミアムSUVの最新進化系
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2025/04/01
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型BMW X3に試乗した際のレポートをお届け全グレードがマイルドハイブリッドに
新型BMW X3は4代目を迎えた。
X3はBMW 3シリーズのプラットフォームを利用して作られ、日本ではすでに初代の登場から21年目が経過したなじみのDセグメントのラグジュアリーSUVである。
初代こそあまり見ることがなくなったが、いまだに人気のあるモデルである。
▲2004年6月に国内販売された初代のX3そんな重要な市場であるからこそ抜かりはない。日本に導入のX3は下記の3グレードをラインナップしている。
・20 xドライブ:2L ツインスクロールターボのガソリンモデル
・20d xドライブ:2L ツインシーケンシャルターボのディーゼルモデル
・M50 xドライブ:3L 6気筒Mツインテクノロジーのハイパフォーマンスモデル

この3グレードすべてにマイルドハイブリッドが搭載されている。今回はディーゼルモデルの20d xドライブ Mスポーツに試乗した。
「B47」というモジュラーユニットは、発売から10年以上が経過している信頼性の高いパワーユニットである。出力こそ197馬力を4000回転で発生させるものだが、トルクは1500回転から40.8㎏・mを発揮するから発進加速が興味深く楽しみである。
以前、このユニットの2つ下の出力をもつミニクロスオーバーのFFモデルに試乗したが、驚くほど力強く十分なパワーであった。

エクステリアは全体的にスリークなフォルムで、柔らかい抑揚のモノフォルムによって主張する新しいデザインとなった。
トランスミッションはZF社製の8速仕様で、きめ細かい制御が身上とされている。今回は少しばかりの高速セクションと市街地を走る予定だ。

コックピットは申し分ないプレミアムクオリティである。
このクラスを一度味わうと何とも国産モデルが貧弱に感じてしまうのは私だけではないはずだ。エンジン始動のボタンは主張がさりげなく、油臭さは一切感じられないファッショナブルさがある。

走りにとどまらないプレミアムな質感
瞬時に始動するユニットは4気筒ディーゼルユニットではあるが、全く不満を感じさせない振動と音だ。これで気になるなら他のディーゼルモデルには乗れないんじゃないかというレベルである。少なくとも私には十分な静粛性だ。
走り出した瞬間に11馬力のモーターがさりげなくアシストする。4人乗車と急な勾配をものともしない心強いパワープラントだ。

トルクがあるのでスロットルを慎重に開けて加速する。8速ATのスケジュールはきめ細かく、エンジンをよくサポートして踏み込めば粘り強く上品な加速をする。しかも速い。
高速で一定速になるとディーゼルユニットの静粛性はさらに高まる。ボディ剛性は素晴らしく、路面からのハーシュネスのいなし方はがっちりと受け止められ、それをダンピングで整える。ボディのバイブレーションは皆無だ。これがBMW流のモノコックとは思えないシャシー技術である。
コーナーでも目線が上下するようなことはない。後部席は硬めであるがしっかりと身体を支えて車酔いを最小限に抑えるに違いない。

まあ、900万円を超えるからにはこのくらいのバリューは当然かもしれない。だが、SUVは今や大きさではなく、プレミアムコンパクトであっても素材からすべてを吟味して作られることが、本物の付加価値のひとつとなっている。
これが触れて乗ればわかる質の良さなのである。

【試乗車 諸元・スペック表】
●20d xドライブ Mスポーツ ディーゼルターボ 4WD
| 型式 | 3CA-12GR20 | 最小回転半径 | 5.8m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.76m×1.92m×1.66m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.62m/1.66m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1930kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2205kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、アークティック・レース・ブルーメタリック、ファイヤー・レッドメタリック、デューン・グレーメタリック、アルピン・ホワイト、ブルックリン・グレーメタリック |
||
| オプション色 |
タンザナイト・ブルーメタリック、フローズン・ピュア・グレーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3CA-12GR20 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、アークティック・レース・ブルーメタリック、ファイヤー・レッドメタリック、デューン・グレーメタリック、アルピン・ホワイト、ブルックリン・グレーメタリック |
| オプション色 | タンザナイト・ブルーメタリック、フローズン・ピュア・グレーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.8m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.76m×1.92m×1.66m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.62m/1.66m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1930kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2205kg |
| 最低地上高 | 0.22m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | B47D20B | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1995cc | 燃費(WLTCモード) |
16.3km/L
└市街地:11.7km/L └郊外:17.2km/L └高速:18.8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 197ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2750 |
| エンジン型式 | B47D20B |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1995cc |
| 最高出力 | 197ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2750 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 16.3km/L
└市街地:11.7km/L └郊外: 17.2km/L └高速: 18.8km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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