そんなにいいなら俺も乗るよ! じゃあ俺も! こうしてロードスタートリオが誕生した。
2018/09/17
車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
▲集結した3台のロードスター。左から須田さん(車は左奥のグリーン:初代)、横尾さん(同右奥のベージュ:2代目)、柿沼さん(同手前の黒:2代目)の3人は地元の同級生集まる場所はいつものセブン‐イレブン
河原に集まった3台のマツダ ロードスター。降りてきた3人の服装も白いTシャツでお揃いだ。
3人は地元の仲間。今では率先して2人に声をかけ走りに連れ出す須田祥平さんだが、最初に手にロードスターを入れたのは自動車関係の仕事をする横尾さんだったそうだ。
「成人式で久々に再会した横尾がロードスターを乗ってきて、めちゃくちゃカッコいいなって思って。そのまま運転させてもらいました」
ロードスターの見た目と走りに魅了された須田さんは、その日のうちに購入を決意した。
しかしその頃はまだ学生。セブン‐イレブンで時給800円のアルバイトをして必死に貯金し、初代のロードスターを手に入れる。
そしてオーナーになってみると須田さんが想像していた以上に運転を楽しめる車だった。
この気持ちを仲間にも分かってほしいと、これまた地元の友人の柿沼さんにロードスターの魅力を伝えまくった。
そして2人に影響され、柿沼さんもついにロードスターを手に入れた。
「ちなみに柿沼も僕と同じセブン‐イレブンでバイトをして、購入費用をためたんです。その頃はみんなでそのセブンの駐車場に集まったりして。3台揃っていると、お客さんに結構注目されたりしていました」
▲もともと幌だったという須田さんの車のルーフ部分。汚れが目立つからとボディと同色のハードトップにした。そんなとき仲間に相談できるのも、同じ車を持っている者同士のならでは
▲2人の車に比べて須田さんのロードスターは、純正に近い形で乗られている。ゴリゴリの改造よりも美しい車にしたいと言い、ボンネットの中までピカピカに磨き上げている3人の中でも平成3年式と最も年式の古い須田さんのロードスター。
しかし外装はもちろん、車内やエンジンルームまできれいに掃除され年式を感じさせない。
ちょっと不便に思っているのはエアコンが効かないことだ。
「今年の夏はつらかった。エアコンがない3回目の夏だったんですが、慣れると思っていたら全くダメでした。運転中のスポーツドリンクは必須でしたね」
▲冷房は付いているが故障しているため、小型の扇風機を運転席の横に設置している。平成初期を思わせるデザインが、車体のクラシックな雰囲気にもマッチしているこれからはラーメン屋よりサーキットへ
3人集まれば「あーでもない、こーでもない」と、互いの車に意見し合う。
それでもどれが一番カッコいいかと聞くと、それぞれが自分の車を指差すほど愛着は深い。
最近、須田さんはサーキットに興味をもち、近隣のコースを走りに行ったそうだ。
「サーキットを走ってまた別の楽しみを発見できました。今まで気がつかなかった部分も出てきて、またちょっと改造しようかなんて思っています」
須田さんは早速2人を誘って、3人で走ることを計画している。
ロードスター以外の3人の共通点は、ラーメンが好きだということ。
これまでは3台が連なってラーメン屋に向かっていたが、これからはサーキットに向かう回数の方が増えていきそうだ。
▲自作で取り付けた通電スイッチ。スイッチ操作で、車体内部に格納できるリトラクタブルライトの開閉を停止できる。途中で止めると少し眠たそうな顔つきになり個性が出せるという
▲「誰の車が女の子から一番モテそうかな?」と聞くと、須田さんは「自分でしょ」と即答したが、2人は「エアコン効かないからそれはない(笑)」と一蹴していたどんなクルマと、どんな時間を?
類は友を呼ぶ。まさにそれがこのロードスター
全長4mに満たないコンパクトなボディにクラシカルな雰囲気のスタイル、さらには手軽に開閉が可能なオープントップを採用した2シーターオープン。搭載されるエンジンは1.6Lの直4DOHC。最高出力は120psと控えめな数字ながら、FRの駆動方式と1tを切る軽量なボディの組み合わせは、ドライバーに走る楽しさと車を操る喜びを教えてくれる。
デビュー当初は1グレードでミッションも5MTのみだったが、1990(H2)年3月には待望の4ATを追加。さらに7月にはグリーンのボディカラーにタン色の内装を組み合わせ、本革シートなどを装備した「Vスペシャル」が追加された。
▲自ら改造もできるシンプルなロードスター(初代)は須田さんにとって「1/1プラモデル」。改造と走行を繰り返し、自分だけの1台にしていく楽しみがあるという
▲生誕から30年近くたつ今でも、国内外問わず老若男女多くのファンをもつロードスター。シンプルで唯一無二な存在が恐らく人気の理由だろう。その魅力は須田さんたちのように、連鎖してオーナーを誕生させるほどだ。理由というよりこれはロードスターがもつ魔力的なものに近いのではないだろうか【関連リンク】
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