泥だらけのオフロードバイクを載せて走る自分色にカスタムされた“スパロン”のハイエース
2023/11/02

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?
移動式ガレージとファミリーカーの二刀流
田澤さんの愛車は、ワイドボディにハイルーフのスーパーロング(通称スパロン)、大きな大きなハイエース。まるで新幹線のこだま号のようだからと、奥さんと2人のお嬢さんには「こだまくん」と呼ばれているそうだ。
こんなに大きなこだまくんを、「フツーのサラリーマン」だという田澤さんは、一体何に使っているのだろう?

「バイクを積んでバイクのイベントに遊びに行くのが主な使い方です。でも普通に、家族と近所に買い物に行ったり、ごはん食べに行ったりもしますよ」
荷室をのぞくと、泥だらけのアドベンチャーバイク、BMW R1200GSが積まれている。先日は福島県猪苗代にあるオフロードレーストラック「チーズナッツパーク」で行われたイベントに参加してきたそうだ。
「アドベンチャーバイクが150台集まって、みんなでテント張ってキャンプして、翌日は思いっきりダートを走りました。でかいバイクで、みんなで集まって、非日常を味わう、いわばオフロードバイクのフェスティバルですね」

カスタム済みだった車をさらに改良
そのイベントも主催するアドベンチャーバイク向けパーツショップ「ツアラテック」から、オフロードライディングスクールのインストラクターを拝命したのが今年3月のこと。時を同じくして友人のバイク店店長がこのハイエースを手放すと聞き、渡りに船ならぬハイエース、とばかりに譲り受けた。
前オーナーがバイクを積んであちこちのバイクレースを転戦するためにカスタムしてあったから、中はそのまま。手に入れてから、「玄武」のショックアブソーバーを入れて車高を1インチダウン、9スポークのブラックホイールとホワイトレターのタイヤを履かせ、自分好みの遊び仕様に仕上げた。

車内にはウエアやヘルメット、ブーツといったライディングギアに加え、ポータブル電源、バイクやギア類の汚れや水を吹き飛ばすブロワ―、冷蔵庫、湯沸かしポットに電子レンジまで揃う。さながら走って泊まれるガレージだ。
23歳からずっとロードバイクを乗り継いできた田澤さんが、ここまでアドベンチャーバイクにハマったきっかけは、2009年に奥さんとタンデムしやすいようにとGSに乗り替えたこと。購入して3年ほどはオンロードばかり走っていたが、ある時ディーラーのBMWモトラッドが主催するキャンプイベント「GSトロフィージャパン」に誘われた。それまで走ったことのない、初めてのオフロードだった。

「汗だくになって泥まみれになって、でもめちゃくちゃ楽しい。その時にテンションマックスになっちゃったんですよね」
そのイベントは世界中の腕自慢ライダーが集まる世界大会の日本代表選考会を兼ねていて、なんといきなりモンゴルの首都ウランバートルからゴビ砂漠を含む2500km以上の行程を8日間かけて走るという、2018年のGSトロフィー日本代表に選抜された。
「朝5時にブリーフィング、8時半スタートで宿に着いたのは夜の9時半でしたね。初日で470~480km走りました。僕は途中で大クラッシュしてリタイアしたけど、アドベンチャーバイクに乗ってると、荷物を積んでキャンプしながら、どこまでも果てしなく走っていけるぞっていう感覚がたまらないんですよ」
自由の象徴のようなGSを飲み込み、自由への出発点として、こだまくんは田澤家のガレージにどんと構えている。

▼検索条件
トヨタ ハイエースバン(5代目) × 全国
田澤さんのマイカーレビュー
トヨタ ハイエースバン
●年式/2015年
●年間走行距離/約1万km
●マイカーの好きなところ/なんでも積めるところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/もっと大きくてもよかったかも
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/トランポの購入をためらってるバイク乗りに

ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。
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